5歳児の理想の睡眠時間は? 睡眠不足になる原因は親にあり?

第1回 5歳の成長や生活情報をお届け
「なかなか寝てくれない」、「朝寝起きが悪い」など、子供の睡眠への不安を抱えているママも多いのではないでしょうか。5歳といえば翌年には小学校入学も控えており、その不安は大きいですよね。この記事では、なぜ子供は寝てくれないのか? なぜ朝起きられないのか? その原因や対処法を紹介します。

5歳児の睡眠時間の現状

睡眠は子供の健康的な成長にとても大切なものです。しかし親としては早く寝て欲しくても、子供は思うように眠りについてはくれません。日本小児健康保健協会の調査では、5〜6歳児が20時前に就寝する割合は14%、就寝が22時を越える割合は25%にも及ぶという結果も出ています。

5歳児の睡眠時間、理想は?

米国睡眠医学会の報告によると、3〜5歳児の理想的な睡眠時間は1日10〜13時間とされています。ただ、タイミングも重要であり、とりあえず寝れば良いというわけではありません。陽が落ちたら眠り、陽が昇ったら起きる。太陽にあわせた生活リズムが子供にとって理想的な形です。また深夜0時前後は子供の健康的な成長に欠かせない時間帯であるともいわれていますよ。

この時期の昼寝には注意が必要

5歳くらいになると体も成長してエネルギーを十分に蓄えています。そのため、これまでと同じように昼寝をさせているとエネルギーをうまく発散できず、夜に寝付けなかったり、眠りが浅くなったりと睡眠の質の低下やリズムが狂ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

睡眠不足がもたらす悪影響とは?

睡眠が足りていない子供は、日中常に眠たい状態になり、何をしても集中力を失ってしまいます。そのため、せっかく学んだ貴重な経験や体験が身に入らなくなります。また睡眠は脳の発達にも大きな影響をもたらします。早く寝て睡眠を十分に取っている子供と、夜更かし気味の子供では、脳の海馬の大きさに違いが見られるといいます。記憶をつかさどる海馬の発達は学力にも関わってくる問題のため、たかが睡眠と軽視することはできませんね。

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睡眠不足になる原因

子供が睡眠不足になる原因の一つには、親の生活リズムが深く関係してきます。子供の睡眠を妨げる生活をしている親は意外に多いです。共働き世帯が多い現代では、日中仕事で子供とスキンシップを取れないため、仕事で夜遅く帰宅してから寝ている子供を起こしてスキンシップを取るという家庭も少なくありません。子供とのスキンシップは大切ではありますが、睡眠時間を削ってまでもスキンシップを取ることを「子育てのセオリー」だと誤解し、結果的に子供の睡眠時間を奪ってしまっているのです。親が子供と同じ時間に就寝するか否かは別として、子供に理想的な睡眠を取らせるためには、少なくとも陽が落ちる時間帯までに入浴や食事を済ませ、後は寝るだけの態勢を作らなくてはなりません。親自身の生活リズムが子供の睡眠時間に悪影響を与えていないか、早寝早起きをできるサイクルを作れているかを、今一度見直してみることをおすすめします。

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人間本来の昼行性のリズムに

本来人間は、陽の出ている昼間に行動し、陽の落ちる夜間に眠る「昼行性」の生き物です。ただ乳児はまだ昼夜の区別がつかず、一日中「寝ては起きて」を繰り返し、一定の生活リズムを保てません。そのため、人間本来の生活リズムを身につけさせることが子育ての初めの一歩になるといえます。通常5歳くらいまでに昼行性の生活リズムが身につき、昼寝の時間が少なくなったり無くなったりします。しかし夜にしっかりと睡眠を取らせないと、体内時計が正常に機能せず、この年齢になっても昼寝の習慣が抜けなくなってしまう恐れがあります。大人が長年の睡眠リズムをすぐに変えることはなかなか難しいですが、成長途中である5歳くらいまでの子供ならば1週間程度でリズムを正しい状態に戻すことができますよ。

早寝早起きを身につけさせるポイント

子供に早寝早起きをさせるためには、どのようなことに留意すれば良いのでしょうか。すぐにでも実践できる5つの工夫を紹介します。

就寝前の時間はゆったりと過ごす

スムーズに入眠できるように、就寝時間の前から脳に刺激を与えずに静かに過ごすことも大切です。夕飯や入浴を早めに済ませておくと、就寝前の時間をゆっくりと過ごすことができますね。

部屋を極力暗くする

照明の明るさは睡眠の妨げとなるので、子供の自然な睡眠欲求を邪魔しないためにも、寝室の電気を消す、カーテンを閉めるなどの環境づくりが重要となります。

スマホやタブレットを寝室に持ち込まない

スマホやタブレットが普及している現代では、子供を寝かしつけるためにそれらを使って絵本の読み聞かせをしている方も多いのではないでしょうか。しかし、スマホやタブレットのブルーライトが子供の入眠を妨げるほか、アプリに興味を持った子供が興奮して眠れなくなることもあります。

日中しっかりと体を動かせる

日中おもいきり体を動かして遊ばせることも大切です。体が疲れていると、スムーズな入眠や質の良い深い睡眠が得やすくなります。親が子供と積極的にスキンシップをはかり、十分に遊び切って夜を迎えることが理想的です。

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決まった時間に目覚めさせる

朝、決まった時間に起こすようにすると生活のリズムが体に馴染むようになります。だんだん睡眠のリズムに体が慣れてくると、起こさなくても時間になると自ら起きてくるようになりますよ。

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