「見た目をきれいに作りたい」「毎日作っていると同じメニューばかりになってしまう…」「残さず食べてもらいたいけど、栄養のバランスもよくしたい」「時短で作りたい」など、お弁当作りの悩みは尽きないものです。今回は、10年以上ご家族のお弁当を作り、『らくべん!』『てんきち母ちゃんちの朝15分でお弁当』などお弁当に関する著書も多い大人気フーディストの井上かなえ(かな姐)さんに、お弁当作りの困りごとを相談してきました。お弁当をおいしく、そして楽しく作るポイントが、きっと見つかりますよ♪
井上かなえ(かな姐)さんのお弁当お助けQ&A
——ブログでもご紹介されていましたが、お弁当箱はどれくらいお持ちですか?その日使うお弁当箱はどうやって選んでいますか?
——うどんやそうめんの麺弁当の日もありますよね!
「長女は保冷剤でかたくなったご飯が苦手だったので、真夏の部活のときには、毎日日替わりで冷たい麺弁当を持たせたりしていましたね。その場合は冷凍庫にも入れられるプラスチック素材のお弁当箱を使っていました」
——品数、おかずなどはいつ、どうやって決めていますか?スカスカにならないよう心がけていることは?
「大抵は前の日の晩ごはんを作るときに明日の朝のお弁当に何を入れるかは並行して考えています。副菜は日持ちおかずの中から、メインはこのお肉を使って…など。
すべてのお弁当箱の大体の容量はわかっているので、スカスカになることはありませんが、初めてのお弁当箱を使うときには副菜を少し多めに用意しておいたり、すき間ができたときは冷蔵庫にあるお野菜で簡単な副菜をもう一品追加したりします。長年作っているので、大体どのくらい用意しておけばお弁当箱をいっぱいにできるかはわかってくるもので、すべては経験と慣れだと思います。まだ作り慣れていない方は、常備菜を上手に使うと、お弁当のすき間問題が解消されるかもしれません」
——おかずのマンネリ防止のコツは?
「たとえば、前の日の晩ごはんのおかずを翌日のお弁当に入れたい場合、メインのおかずは少しだけ味変してあげるとよいかもしれません。もし、前夜がから揚げだった場合、晩ごはんではおろしポン酢で食べたとしたら、お弁当に入れるときにはスイートチリソースで和えるとか、レモンを添えるとか。そうやって、少しだけ味変してあげると同じおかずでも飽きずに食べてもらえます。アレンジのアイデアは、私の『てんきち母ちゃんちの朝15分でお弁当』の本も参考にしてもらえればと思います。
でも、本音を言えば、おかずはマンネリでも私はいいと思います。お弁当を作ってもらえるだけでもありがたいと思いなさい!飽きたならコンビニ弁当にしたら?と言いますね、私なら(オットにはそう言っちゃいます)」
——困ったときのおかず、おすすめの彩り対策を教えてください!
「困ったときは豚丼にする、牛丼にする、キーマカレーにする、など1品で済むような、自分的定番おかずを1つ持っているとよいと思います。寝坊した時でもあれなら5分で作れる、と決めておくだけで、何を作ろう~と焦ることはなくなると思います。
それから、『てんきち母ちゃんのらくべん!』にも書いたのですが、茶色い弁当が多い私の彩り対策は、大葉。そんなに何色も色鮮やかにならなくても、少し緑があるだけでおいしそうに見えるので、常に大葉は冷蔵庫に入っています。また、お漬物もけっこうお助けの色になるので、柴漬け(紫)、梅干し(赤)、たくあん(黄)なども常備しておくとよいです。
また、白ごま、黒ごま、糸唐辛子、フライドオニオン、ゆかりなども、仕上げのトッピングに使えてお弁当に色がプラスされますよ」
——お弁当作りと朝ごはん作り、時間配分のコツはありますか?
「これは、前日までの準備にかかっていると思います。必ず寝る前に段取りはしておきましょう。
我が家の場合、娘たちの朝ごはんは最近、それぞれが起きてきた時間で食べるよう各自に任せているので、私が用意する必要はありませんが、朝ごはんはトーストとヨーグルトとコーヒーくらい(あとはお好みで冷蔵庫にあるものを勝手に食べてもよいシステムです)なので、そもそも時間もかかりません。忙しい平日の朝っぱらから、素晴らしいホテルの朝食みたいなものなんて作っていませんよ 笑」
——ご家族の年齢や環境の変化に合わせて、お弁当作りで気をつけていることはありますか?
「子どもたちも大きくなり、外での生活のほうが長くなりつつあります。基本的に、家で毎日必ず晩ごはんを食べるのはわたしとオットくらいになりましたね。
なので毎朝、顔を合わせたときにその日の予定をざっくりと聞き、昼ごはんと晩ごはんが必要かどうかだけ確認しています。外食が続いているときは、娘たちのほうから『最近外食ばっかりであまり栄養とれてないから家で食べたい』など栄養補給リクエストが入るので、そういうときはしっかり作ってあげていますよ。子どもたちの手が離れても、体調管理はさりげなくサポートしてあげています。
オットは最近代謝が落ちてきつつあり、それに伴ってお腹周りが少しふっくらしてきたのを気にしています。もともと脂っこいおかずは苦手なのですが、炭水化物が好きでごはんを食べ過ぎる傾向にあるので、味付けを濃いものにせず、薄味にしてなるべくごはんが進まないように気を付けています。
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Instagramへの毎日のお弁当写真のポストに加え、ブログでも「1週間の日持ちおかず作りから1週間のお弁当まとめ!」という記事で毎週のお弁当振り返りレポートを紹介しているかな姐さん。かな姐さんがお弁当に込めた思いや、ご家族からのお弁当の感想を読んでいると、お弁当を通してご家族とやりとりをすることが、お弁当作りの一番のモチベーションになるのかも、と思えてきます。
かな姐さんのブログやお弁当本、そして「自分的定番おかずを決めておく」「常備菜を上手に使う」といったアドバイスを参考に、自分なりの“お弁当ルール”を見つけてみてくださいね!
徹底的に簡単で、しかもおいしい!井上かなえ(かな姐)さんの最新お弁当本
レシピブログ殿堂入りブロガー。料理家。「忙しくても手早く作れて、きちんとおいしいレシピ」をモットーに、身体によくて食べ飽きないシンプルな料理が人気。著書は『てんきち母ちゃんの朝10分であるものだけでほめられ弁当』(文藝春秋)など20冊。最新刊は『てんきち母ちゃんの15分!スープひとつで満足ごはん』(講談社)。
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配信: フーディストノート