空気の乾きはお肌の乾燥だけでなく、便秘などの原因にも
秋らしくなってきましたね。乾燥シーズンも本番です。
今回は、潤い食材の長芋と豚肉を使ったレシピをご紹介します。どちらも気を補う食材でもあるので、疲れているひとにもおすすめです。
長芋は自然薯、大和芋と同じ山芋の仲間ですが、山芋はその名も「山薬」という生薬に加工されるほどパワフルなもの。日本でも精のつく食べ物として知られていますよね。
そんな元気や潤いを補う山芋は五臓のうちの肺(鼻、喉、気管支などの呼吸器含む)、脾(消化器)、腎に働きかけます。
具体的には、乾燥でダメージを受けやすい肺(鼻やのどの粘膜含む)を潤して空咳などが出ないよう働きかけ、ぬるぬる成分に含まれる消化酵素が消化を促して胃腸をケア(加熱してぬるぬる成分がなくなっても芋類全般は胃腸によいもの)。
そして腎に働きかけるため腎が担う成長、ホルモン、発育、老化に関わる不調にも効果的、といった具合です。
胴体部分の上・中・下の全てに働きかけるのでとっても優秀な食材、また薬膳では糖尿病にもよいとされています。
そんなわけで薬膳の勉強を始めてからずっとさまざまな山芋レシピを考えてきましたが、ふと揚げ長芋レシピがあまりないことに気づきました。
少しレンチンして火を入れてから片栗粉をまぶして揚げると、これがまぁおいしくて。
お塩と黒七味をふっていただくだけでも最高~なのですが、せっかくなので同じ潤い食材の豚肉を合わせ、秋の不調に寄り添うメイン級おかずに仕上げました。
揚げ長芋のねぎ豚あんかけ
材料(2人分)
・長芋……300g
・片栗粉……大さじ2
・揚げ油……適量
・豚肉(こま切れ)……120g
・小ねぎ……1/2束
【A】
・かつおだし(濃いめ)……300ml
・しょうゆ……小さじ1
・酒……小さじ1
・塩……小さじ1/2
・みりん……小さじ1/2
・片栗粉……小さじ2
・わさび……適宜
作り方
1. 長芋は皮をむいて一口大の乱切りにし、耐熱皿にのせてラップをかけずに600Wの電子レンジで3分加熱する。小ねぎは2cm幅に切る。
2. 鍋にAを入れて火にかけ、沸騰手前で少しずつ豚肉を加えて火を通し、引き上げる(しゃぶしゃぶの要領で)。
豚肉を引き上げたら一度しっかりと沸騰させてアクをすくう。
同量の水でといた片栗粉を加え、ダマにならないようよく混ぜながらとろみをつける。
3. 1の長芋を片栗粉とともにポリ袋に入れ、空気を入れて口を十分ひねって振り、まぶす。
別の鍋に揚げ油を入れて180℃に熱し、長芋を色よく揚げる(大きさ次第だが7~8分くらい)。
4. 2の鍋に小ねぎを加え、豚肉を戻して温め、器に盛った3の長芋にかける。
お好みでわさびを添える。
ポイント
ここしばらくご紹介しているレシピよりも多少手間はかかります。とはいえ難しくはないのでチャレンジしてみてください。その際のポイントをいくつか。
●豚肉は何回かに分けて鍋に入れ、色が変わったら引き揚げる
先にあんのベースを作りますが、豚肉を柔らかく仕上げたいので、手順2の写真のように沸騰手前のお汁に数回に分けて投入して火入れし、色が変わったらすぐに引き揚げ、その後しっかりと沸騰させてアクを除いてください。
そうすると豚肉も柔らかく、アクもきれいにすくえます。
また硬めのあんなので、しっかりと混ぜながらあんが透き通るまで加熱してください。
加熱時に混ぜずに放置していると、沸騰したあんが急に跳ねることがあるので危険です。くれぐれもやけどにはご注意くださいね。
●揚げ油は長芋が半分隠れるくらい
揚げ油はたっぷり用意しなくても大丈夫です。油に入れた長芋が半分隠れるくらいで十分。
長芋投入後はしばらく触らずにおいてください。しっかり色づくくらいがおいしいです。
配信: おうちごはん