レトルトは好き
レトルトの離乳食は味も固さも赤ちゃんの月齢にぴったりな状態になっているから、たまにならあげてもいいと保健所の栄養士さんからアドバイスを受けていました。そこでレトルトの離乳食も試してみたところ、珍しくパクパクと食べる娘。毎回とは言わないものの、レトルトの離乳食なら完食する日も。
それでもいくら食べてくれるからといって、毎日レトルトの離乳食ばかりあげ続けることには抵抗がありました。レトルトの離乳食をあげるのはおでかけのときだけにして、自宅では毎日手作りの離乳食をあげ続けていました。
「食べないなら無駄」
手作りの離乳食をほとんど食べてくれないまま迎えたお正月。家族で義理の実家に泊まりがけで帰省しました。義母が娘にお手製のかぼちゃの煮物を出してくれましたが、断固拒否。申し訳ないとお詫びしながら、レトルトの離乳食を食べさせると2口、3口とパクパク食べる娘。
日ごろ私の作った離乳食もあまり食べないことを夫が伝えると義母はイライラしながら「作ったって食べないなら無駄なんだから、毎日レトルトでいいじゃない!」と言い放ちました。あまりの剣幕に、言葉の意味はわからないはずの娘も号泣。無駄というひと言は、試行錯誤を重ねてきた私自身を否定された気がして、悲しくて何も言い返す言葉が出てきませんでした。
幸い保育園に入園してから娘は今まで食べなかったのが嘘のように離乳食をたくさん食べてくれるようになり、本当に安心しました。手作りの離乳食を無駄だなんて言ってほしくなかったと、4年経った今でも心のどこかで許せずにいますが、義母にとって娘は初孫。今思えば義母も、かわいい孫のために前の晩から一生懸命作った煮物を食べてもらえなかったことが悲しかったのかもしれません。かわいい孫を思う義母の気持ちにも寄り添って、良好な関係性を維持していきたいと思っています。
作画/はたこ
著者:山本加奈子
5歳女児と0歳男児の2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
配信: ベビーカレンダー(パパママ)
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