昔、母の作るスパゲッティと言えば、缶詰のソースでした。
茹でてバターを和えたスパゲッティの上に、缶詰の甘酸っぱいミートソースをとろとろとかけ、緑色の缶の粉チーズをたっぷりかけて。ミートソースには必ずこんがりと焼いたソーセージが添えられ、いつも手放しで喜ぶお昼ご飯でした。
ミートソース、コンソメソース、ふりかけのようなバジリコ、たらこスパゲッティ。今だとイタリア料理でもなんでもないようなラインナップが、昔の家庭の「スパゲッティ」だったのです。
それがある日、雑誌で見つけた方法でスパゲッティを母と作ってみました。これでスパゲッティのソースになるんだね!と美味しくて驚きました。
冷蔵庫にある材料や、食材組み合わせで美味しいソースが出来るなんて!お料理って自由なんだなあとその時に気付いたのです。
材料(1人分)
- オリーブオイル 大さじ1
- にんにく(スライス) 1かけ
- 唐辛子(種をとる) 1本
- 玉ねぎ(スライス) 小1/2個(約60g)
- 白ワイン 大さじ1/2
- ツナ缶 1缶(約80g)
- トマト 1個 角切り
- 大葉(千切り) 5枚
- パスタ(スパゲッティ) 90g
作り方
鍋にパスタを茹でるお湯を沸かします。
フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくのスライスと唐辛子を入れ、弱火で熱します。
にんにくが色づいたら、ツナ、玉ねぎを入れて、玉ねぎがしんなりするまで炒めます。
お鍋のお湯が沸騰していたら、このあたりでパスタを茹でましょう。
茹で汁には、舐めて「ちょっと薄い塩味かな?」という程度のお塩(分量外)を入れます。
スパゲッティは茹で時間の表記より1分少なく茹でます。
フライパンに白ワインを入れて沸騰させ、角切りにしたトマトを入れます。トマトが煮崩れるように少し押さえながら炒めます。(ずっと混ぜ続けなくても大丈夫ですよ。玉ねぎが焦げないようにだけ注意してください。多少焦げてもそれはそれで美味しいです。)
フライパンに大葉を加え、パスタの茹で汁を大さじ2ほど入れて、ぐるぐると具と水分を混ぜ合わせます。
茹で上がったパスタを入れて、ソースを和えていきます。味見をして、しょっぱかったら、ただのお水を入れ、物足りなかったら、茹で汁かお塩を加えます。
ソースの水分が少なかったら、お水か茹で汁で調整しましょう。
お皿によそって、すぐに食べちゃってください!
玉ねぎとトマトに甘みがあり、そのおかげで美味しさがぐぐっと底上げされているんです。家にいつもあるような材料で、すごく良いお味に。
母と昔に作った正確なレシピは、阪神大震災で無くなってしまいました。
記憶を辿りながら、あの時、スパゲッティに唐辛子を初めて使って辛さにびっくりしたなあ、玉ねぎとトマトとツナの組み合わせだったはず、と思い出しながら、今回改めてこのスパゲッティのレシピを作ってみました。
辛味、甘味、旨味、香り、色んな要素があり、予想以上に大人っぽいスパゲッティ。これからは、我が家の定番になりそうです。
撮影:今井裕治
配信: hitotema
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