バナナは追熟させると栄養価アップ?
海外で収穫されたバナナは皮が緑色の状態(熟しきらない状態)で輸入されます。私たちが店頭で目にする黄色いバナナは追熟させられたもので、さらに常温でしばらくおいておくと、茶色い斑点が皮の表面にあらわれるようになります。
成熟の程度によるバナナの変化は皮の色だけではなく、栄養価にもみられるようです。
たとえば先述のフラクトオリゴ糖と同じような働きを持つ糖質「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」は緑色のバナナに最も多く含まれ、熟成が進むにつれその量は減少するという研究結果があります。
反対に抗酸化作用が期待される「ポリフェノール」の含有量は熟成が進むほど高くなると考えられているため、ポリフェノールをしっかり摂りたい場合は緑色のバナナよりも茶色いバナナの方がおすすめです。
さらに人が対象の研究ではありませんが、皮が茶色いバナナには免疫機能の向上がのぞまれる「インターロイキンー12」や、胃潰瘍の改善が期待される「リン脂質」が多く含まれるとの報告もあります。
栄養価に変化がある一方で、カロリーや糖質の量については熟成具合によってほとんど変化しないと考えられます。こちらについては以下の記事でくわしく解説しているので、あわせて参考にしてみてくださいね。
【関連記事】
【管理栄養士が解説】バナナ=太るは誤解?カロリーとダイエット中の取り入れ方のコツ
パパッと皮を剥くだけで簡単に食べられるバナナは、濃厚な甘みが魅力でおやつにもピッタリです。しかし甘さを強く感じることから「カロリーが高いのでは?」「ダイエット中は避けた方がいいのかな?」と心配になることも。そこで今回はバナナのカロリーについて管理栄養士が解説します。気になる糖質の量や1日の摂取量の目安も紹介するので、ダイエットをしているという方はぜひお役立てください。
※参照:CiNii 論文「バナナの澱粉に関する研究」,バナナ大学「熟度3段活用」
カロリーや糖質は果物の中だとやや高め
バナナ100gあたりのカロリーは93kcal、糖質の量は21.4gであり、ほかの果物と比べると高い分類に入ります。しかしエネルギー源として挙げられることの多い炭水化物(ごはんやパンなどの主食)と比べれば、低カロリーであるといえるでしょう。
バナナの食べすぎは体重が増える原因にもなるため、ダイエットの足かせとなってしまいます。1日およそ1本程度を目安に取り入れるようにしましょう。
配信: トクバイニュース