東大理Ⅲ3兄弟を育てた佐藤ママがアドバイス!先取りさせるなら、3年分を目標に…

第3回 東大理Ⅲに3兄弟を合格させた佐藤ママに聞く!頭が良くなる育児
日本で最も難易度が高い「東京大学理科III類(医学部)」に3人の息子たちを現役合格させた佐藤亮子氏(以下・佐藤ママ)が、“佐藤式・勉強法”を伝授。ひとつでもマネできたら…憧れの東大に、1歩近づくかも?

●大切なのは“ママの覚悟”

「わが家の基本は、何でも先手を打つこと。そもそも私自身が、ズボラで先送りにしがちな性格なので、子どもたちが後悔しないように、何でも早めにスタートして、少しずつコツコツと前に進んできました。特に、“読み・書き(話す)・そろばん(計算)”は、早くから始めた方がいい。そういう意味で、我が家の子どもたちもやっていましたが、公文はとてもいいと思います。3歳で、6歳レベルの“読み・書き・そろばん”を目標に学習していけば、その後の能力開発にもつながります。幼少期は脳も柔軟で、覚えも飲み込みも早いのです。子どもの脳には、それぞれの勉強に適した“旬”があるので、何事も“旬”のうちに覚えてしまうことが望ましいと思います。小2で九九を覚えるより、幼少期に覚えてしまった方が断然ラクだと思いますよ」(佐藤氏 以下同)

――「中途半端な先取りでは、すぐに追いつかれてしまうので、あまり意味がない」と語る佐藤ママ。

「どうせ先取りするなら、3年分くらいを目標にして欲しいと思います。進んだ知識を身に付けて学校に通うと、勉強がよりわかるので、のびのびと楽しいスクールライフをおくることができます。また、授業中にお友だちの意見に耳を貸して、“いろんな考え方があるんだな”と分析する能力も身に付きます。子どもは純粋なので、少しつまずくと苦手意識を持ってしまい、一気に勉強嫌いになってしまいますよね。何でも早め早めで備えておけば、勉強に対するマイナスイメージを持たなくてすみます。そうすれば、お母さんがうるさく言わなくても、自然と勉強するようになります」

勉強の先取りは3年分で効果が出る

――勉強でも生活面でも、“ママの覚悟”が何より大切だという。

「初志貫徹ですよね。1度決めたことは最後までやり通すことが基本。その中でも特に大切なのが、宿題は、毎日100%やらせるということ。90%ではダメなんです。人間は流されやすい生き物なので、今日妥協して90%で済ませてしまうと、明日は80%、明後日は70%となってしまいがち。ですから、何が何でも宿題だけは完璧にやる! これをやり通すだけでも絶対に違ってくると思います。進学塾も同じで、塾から出された宿題を、きちんとやらずに授業に臨んでも、それでは成績は上がりません。もしも時間的に間に合わなかったら、答えを見ながらでもしがみついてやること。宿題は必ず、100%埋めるようにして下さい」

――大学卒業後、英語教師として教壇に立っていた佐藤ママ。英語だけは、早期教育の必要がないと熱くアドバイスしてくれた。

「幼少期は、英語を詰め込むより、その分“読み・書き・そろばん”です。日本語が豊かでなければ、思考自体が成長しませんし、将来論理立てて話すこともできなくなります。柔軟な幼少期こそ、日本語を育てることが何より大切なのです。英語を少々かじらせたところで、将来ネイティブにはなれません。周りが英会話教室に通っていて不安になる場合は、小2までは行かせてもいいと思いますが、まずは日本語の能力をしっかりと身に付けさせることです。英語は中学からで十分! 高校文法までしっかりと勉強すれば、後々英語は話せるようになるはずです」

先取り、日本語、宿題…佐藤ママのアドバイスは、ごくごく普通のママたちでも、少し気を引き締めればできないことはないように思える。すべてに共通するのは、“ママの覚悟”。初志貫徹を目指し、今日からあなたも実践してみては?

(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

佐藤亮子
佐藤亮子
奈良県在住。主婦。津田塾大学卒業後、私立高校で英語教師として勤務。その後結婚し、3男1女を出産。長男・次男・三男の3兄弟全員、名門私立灘中・高等学校に進学し、日本最難関として有名な東京大学理科III類に合格。現在は、末っ子である長女の大学受験を控えている。2月26日(金)に、新刊「『灘→東大理III』3兄弟の母が教える中学受験勉強法」(KADOKAWA)が発売される。
奈良県在住。主婦。津田塾大学卒業後、私立高校で英語教師として勤務。その後結婚し、3男1女を出産。長男・次男・三男の3兄弟全員、名門私立灘中・高等学校に進学し、日本最難関として有名な東京大学理科III類に合格。現在は、末っ子である長女の大学受験を控えている。2月26日(金)に、新刊「『灘→東大理III』3兄弟の母が教える中学受験勉強法」(KADOKAWA)が発売される。