「大切なのは、子どもが自主的に部屋を使うように、日頃から親が『子ども部屋の使い方』を意識し配慮してやることです」
こう話すのは、子どもと住文化研究センター理事長の北浦かほる先生。子ども部屋作りのステップとポイントについて聞いた。
「幼児から小学生では、子どもの居場所と位置づけて活用させることで、子ども部屋は大きな力を発揮します。まず、子ども部屋の平面図のなかに、家具や持ち物をどのように配置するか、親子で話し合い記入してみましょう」(北浦先生 以下同)
平面図に記入する際は、窓や出入り口の位置、壁の位置、設備との関係を考えながら決めていくのがポイントだ。また、次のようなことを書きだしてみよう。
<平面図に記入する内容>
・寝る場所の位置決定や寝具類の収納位置
・勉強机や、本やランドセルの置き場所
・衣類の収納位置
・楽器やスポーツ用品、玩具類、趣味の用品の置き場所
●子ども部屋の活用法を具体的にイメージする
「次に、親は子ども部屋で、子どもとどんなコミュニケーションをしたいか考えましょう。例えば、学校でのできごとや友だちの話などを聞く。就寝時に毎晩本を読んであげるために子ども部屋に行くといったことです」
また、短時間で、両親別々でもいいので、1日に一度は両親が子ども部屋に入って、子どもの様子を知っておくことが大切とのこと。
「ほか、子ども部屋の1日の使い方や、1週間の使い方の時間表を作ってみて、時系列でチェックしてみましょう。子どもが1カ月使ってみて、使いにくいことがあれば、もう一度親子で考え直してみます。子どもが主体的に子ども部屋の使い方に関われるようにすることが自律心を育てる第一歩です」
●子どもが何歳になったら、子ども部屋を作る?
「日本では、添い寝や川の字で寝ることが心の安定につながると考える人が多いですが、部屋に余裕があるのなら、3歳くらいから自分の部屋を与えて一人で寝かせてみませんか?」
とはいえ「おやすみ」のひと言で、子ども部屋に入れるだけでは、子どもは眠れないし不安になるばかりだろう。そんなとき親はどうすればいいのか?
「自分の部屋で寝かせるためには、親が見守ってくれるという安心感が必要です。子どもが眠るまで絵本を読んだりお話しをしたり、ひとりで寝られるように励ましたりしてください。大変なことですが、この努力が親子の精神的な信頼関係を強くし、子どもは自分の部屋で眠る不安を克服して成長していきます」
欧米では子どもを寝かせるために読む、ベッドタイムストリーという絵本の分野があるそう。『メイシーちゃんベットにはいります』(偕成社)など、日本でもなじみ深い絵本が多いので、ぜひ、活用してみては?
(川野ヒロミ+ノオト)