「扉の開閉ルールと親の入室のルールです。これらは、子どものプライバシーと親子のコミュニケーションについて関わりがあります」
こう話してくれたのは、子どもと住文化研究センター、理事長の北浦かほる先生。具体的なルールの決め方を聞いてみた。
●子ども部屋の扉のルール
「部屋の扉は原則として開けておく。誰にも入って来てほしくないときには、その合図として扉を閉める。扉が閉じているときには、家族はノックをして入るなどです。子どもたちは部屋の開閉などを自分で決めることで、他人との関係を保ち、自分を守ることを少しずつ学んでいきます」(北浦先生 以下同)
ちなみに、部屋に入るときのノックは、幼児期から子どもに教えておくといいそう。
●親の入室ルール
「子どもが部屋にいないときは、親は子ども部屋には入らない。子どもがいるときには、親はどんどん入っていき話をするなどです。日本では子どもがいないときに入って、片付けをすることも多いようですが、幼い子どもにもプライバシーがあります。大事なことなので、親子で納得のいくまで話し合い、ルールを作っていきましょう」
小さい頃から、親は遠慮せず、子ども部屋に出入りしておくと、思春期になってからも子ども部屋が「子どもの聖域」になりにくいという。
●子ども部屋を管理させるために
扉のルールと親の入室のルールを決めたら、片付けなど生活に関わる細かなことを決めていく。
「衣類の収納方法を教えて収納させる、子ども部屋の掃除や寝具の整理の仕方を教えて、自分でできるようにするなどです。それぞれどのようなやり方でやっていくか、具体的に親子で話し合い、取り決めておきましょう。片付けも掃除も子どもと一緒にやることで、やり方を学ばせていきましょう。それも貴重な親子のコミュニケーションです。子ども部屋のルールには、子どもの権利的なことと、掃除や収納など義務的なことがあり、どちらも守らせることが大切です」
ゲームやスマホの部屋での取り扱い、友だちを呼ぶ・呼ばないなど、学年が上がるたびにルールは増えていくだろう。その都度、親子で時間をかけて話し合い決めていく。そんな親の態度が大切だ。
(川野ヒロミ+ノオト)