子どもが起こす自転車事故、責任は?

第3回 親子で知っておきたい、加害者にならないための自転車のマナー
自転車事故で、子どもが加害者になるケースが増えているという。そこで、子どもが起こした自転車事故の責任の所在を弁護士の好川久治先生に聞いた。

「死傷事故を起こした場合、刑事責任と民事責任が問われます。その両方の責任を問われるのは14歳以上から。14歳未満の場合は刑事責任能力がないため、刑罰に処されることはありません。ただし、児童相談所で教育的指導を受けることが考えられます。また被害者に対しての損害賠償責任は、多くのケースで保護者である両親が負います」(好川弁護士 以下同)

子どもが起こす自転車事故、責任は?

●自転車と歩行者の事故では運転者の責任が重くなる

自転車の事故が起きた場合、考えられるのが多額の賠償金が発生するケースだ。自転車保険には加入すべきだろうか?

「現在加入数は増えてきているものの、自転車保険の加入者は全体の2~3割程度。法律で加入が義務づけられている自動車の自賠責保険と違い、自分で手続きをすることが必要です。自転車を利用する家族全員が補償される自転車保険や、個人賠償責任保険の加入を検討するか、現在加入している火災保険や自動車保険に特約でつけられないか、確認してみるといいでしょう」

自転車事故で多いのは、交差点の出会いがしらの接触事故だ。安全運転をしていても飛び出してきた歩行者にぶつかることも考えられる。

「子ども同士のケンカや遊んでいたときにけがをさせてしまった場合、どちらかに一方的な責任があるケースというのは少ないです。しかし自転車と歩行者の事故の場合、強者と弱者の関係にあるため、多くのケースで運転していた側に10割に近い過失責任があるとされます」

また自転車事故の場合、事故後の示談交渉をすべて自分で行うこともありえる。加害者の場合不当な請求をされないよう、被害者の場合は治療費を払ってもらえないなどのトラブル回避のため、弁護士費用特約をセットにできる自転車保険を検討するのもアリだとか。

「とはいえ、事故が起きたときの対応は人と人。ケガをさせてしまった場合、弁護士への丸投げでは良い解決は期待できません。被害者への謝罪とお見舞いを欠かしてはいけません。このときに開き直ってしまうと、紛争をこじらせ、賠償金を上乗せして請求されることも考えられます」

最近は、坂道で小学生が高齢者にぶつかった事故で高額の損害賠償が発生した事件もあった。親子で安全運転を心がけつつ、もしもの事故に備えて自転車保険の検討もしてみよう。
(石水典子+ノオト)

お話をお聞きした人

好川久治
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
大手保険会社勤務を経て弁護士に。家事事件から倒産事件、交通事故、各種損害賠償、労働問題、企業法務・コンプライアンスまで幅広く業務をこなす。
大手保険会社勤務を経て弁護士に。家事事件から倒産事件、交通事故、各種損害賠償、労働問題、企業法務・コンプライアンスまで幅広く業務をこなす。