「ミンティア」3個を万引き、デスクに寄りかかりうわべだけの謝罪をする女
「あなた、自分が悪いことしたって、わかっていますか?」
「そんなの、わかっているわよ。どうもすみませんでした! お金払うから、いいでしょ。このくらいのことで、そんなに大騒ぎしないで。もう、わかったから」
もはや逆切れの状態で、私に背を向けてデスクに寄りかかった女は、とても万引きをして捕まった人とは思えぬ態度で居直っています。その場にいるみんなの口が、開いたまま塞がらない状況になると、その重苦しい空気に耐えかねたらしい旦那さんが言いました。
「おい、なんだその態度は! 本当に申し訳ありません。もっと強く止めていればよかった。ほら、お前も、ちゃんと謝れ」
「もう何度も謝ったわよ」
「なんで、そうなんだ。お前は!」
馬耳東風。旦那さんの言葉すら響かず、不遜な態度を取り続けた女は、警察に引き渡されても態度を変えません。あり得ない対応に苦慮した若い警察官は、共犯関係を理由に、逮捕も辞さないと脅してみせました。
しかしながら上役の係長は、明らかに面倒くさそうな顔で、人員不足を理由に消極的な姿勢を貫きます。
「前はないし、商品を買い取れるし、息子さんも迎えに来てくれるっていうからさ。今日は、厳重注意で済ませます。余計な時間とらせないし、それでいいでしょ?」
高齢者万引きの再犯率は、優に5割を超えています。たかが万引きだといわんばかりの警察対応では、現状を変えることにはならないでしょう。捕捉時の説諭は、再犯防止において非常に重要なことなのです。
万引き夫婦の息子、「俺を迎えに来させて、どんな気持ちか言ってみろ!」
結局、警察署には行くことなく、店の事務所まで息子さんを呼び出し、彼に身柄を引き渡すことで事態は終結。
「いい年こいて、こんな安いもの盗んで、なに考えてんだよ? こんな場に、俺を迎えに来させて、どんな気持ちか言ってみろ!」
「ほんと、このくらいのことでさ、大騒ぎしすぎよね?」
「はあ? もう帰ろうかな、俺……」
息子に責められても、なお、デスクに寄りかかって対応する女に反省の色は皆無で、再犯に至る可能性が十分に感じられます。この先のことを悪く思えば、妻を置き去りに立ち去ろうとした親族の気持ちも理解でき、彼女の余生が心配になりました。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)
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配信: サイゾーウーマン
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