でも、それでは、一方的に我慢するしかないように思えるけど…。怒りっぽい夫にはどう対処すれば良いの? 行政書士東京よつ葉法務オフィス心理カウンセリングルーム代表の佐藤千恵さんは次のように話す。
●怒りっぽい夫への対処の仕方
「DV夫やモラハラ夫でない場合には、夫の怒りをただやり過ごすというのもひとつの方法ではあると思います。ただし、それぞれ心のキャパシティが違うので、自分にとって負担がある場合は、ほかの方法を考えたほうが良いでしょう」(佐藤さん 以下同)
例えば、「新婚のときは反論していたが、無駄だから、何も言わなくなった」という人は多いよう。
だが、問題は「他者感覚」がなく、奥さんが傷ついていることに気づかない夫が多いことだという。
「カウンセリングでよく出合うのは、離婚話になってから相談にくるケースです。そこで初めて奥さんの不満を聞き、『妻になら何を言っても良いと思っていた』『夫婦は何をしても簡単にはこわれないと思っていた』『だったら早く言ってほしかった』と話すダンナさんが多いのです」
怒るとすぐだんまりになる夫も多いが、妻の側も「だんまりはやめて」とだけでも伝えることは必要といえる。
●怒りっぽい夫に、自分の気持ちを伝えるコツ
ただし、自分の気持ちを夫に伝えることで、余計にもめごとになるのが嫌だと思う人も多いだろう。
そこで、「伝え方」のコツとして、夫自身の様子について客観視させるのがオススメだと佐藤さんは言う。
「夫が『何やってんだ!』と怒鳴るときに『怒らないでよ』と言っても、『怒ってない! お前たちがモタモタしてるからだ!』と言いますよね。だったら、『大きい声で言われると、ビックリしちゃう』『語尾が強いと、怒られているように感じるよ』などと客観的に伝えると、男性には伝わりやすいのです」
それでも、残念ながら「受け流すしかない」という人もいるだろう。
「その場合は、できるだけ感情のやりとりをしないこと。ほかのことでガス抜きするのも良いですし、イライラしているときには近づかないのも良いでしょう。理不尽な怒りは放っておくと、逆に相手が機嫌を取り始めることもあります」
相手の怒りを受け流しておくのは、簡単なようでいて、実はけっこう度量の必要なこと。それが負担に思うなら、気持ちを伝えようとしてみる、突き放してみるなど、いろいろ試してみては?
(田幸和歌子+ノオト)