BCAAとは、バリン・ロイシン・イソロイシンというアミノ酸の総称です。筋トレや運動をしている方は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
BCAAに期待されている効果や、効果的な飲むタイミングを知り、筋トレや運動の効果を高めましょう。
今回の記事では、BCAAについて管理栄養士が解説します。
BCAAとは?どんな効果が期待できる?
BCAAとは「分岐鎖アミノ酸」ともいい、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種類のアミノ酸の総称です。
これらは体内で合成できないため必須アミノ酸といい、食べ物から補給する必要があります。
BCAAは筋肉を構成するアミノ酸の30~40%を占め、筋肉のエネルギー源にもなるなど筋肉にとって重要な働きをしています。
BCAAは卵や牛乳、肉類、魚類にも含まれ、特別な成分ではありません。
ですが、トレーニングや運動に効果が期待されていることもあり、サプリメントなどの健康食品になっています。
BCAAに期待される効果
BCAA摂取によりさまざまな効果が期待されていますが、実はまだ研究が進んでいる段階であり、効果があるのかないのかわかっていないものもあります。
そのため、参考程度ではありますが、現時点で効果が期待できる可能性があると言われているものをご紹介します。
筋肉の合成を促進する
BCAA摂取により、運動後の筋肉合成が促進され、筋肉量増加の効果が期待されています。
筋肉は運動により分解され、血液中のアミノ酸を使って再合成されます。
そのため、BCAAに限らずたんぱく質(アミノ酸)の摂取が大切なのですが、BCAAの中でもとくにロイシンは、筋たんぱく質の分解を低減させ、筋たんぱく質の合成を促進する働きが期待されています。(※)
筋肉合成の効果を期待してBCAAのサプリメントを利用する場合、ロイシンの含有量に注目してみると良いでしょう。
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) 2─3 高齢者」
運動後の筋肉痛を軽減
BCAA摂取により、運動後に起きる筋肉痛や疲労感を軽減できる可能性があります。
筋肉痛が起きるメカニズムははっきりとわかっていないのですが、運動により筋繊維がダメージを受け、それを修復するために痛みが起きると考えられています。
BCAA摂取と筋肉痛や疲労感との関連を研究した結果8件を検討したメタ分析(※)では、運動後の主観的な筋肉痛の軽減、また筋肉損傷の指標であるクレアチニンキナーゼ(CK)の減少との関連が認められたとされています。
試験による結果のばらつきが大きいものの、BCAAを使用する方が筋肉痛や疲労感を軽減できる可能性がありそうだ、という風にまとめられています。
※参照:「National Library of Medicine」
持久力や運動パフォーマンスを向上する可能性
BCAAは運動中、筋肉のエネルギー源として使われることが知られています。
BCAA摂取により筋肉のエネルギー源を確保することで、糖のエネルギー源の利用を節約させ、持久力や運動パフォーマンス向上ができるのでは、と考えられており研究が進められています。
8名の男性運動摂取に対し、BCAA飲料とプラセボ飲料(擬似飲料)を6日間摂取させ、7日目に負荷をかけていく自転車エルゴメーターを実施したところ、BCAA飲料を摂取したグループの方が持久性運動能力の指標である乳酸性作業閾値(LT値)が高まったという報告もあります。(※)
ただし、持久力を必要とされる、たとえばマラソンのような競技では、持久力維持には糖質の摂取が重要です。
持久力を期待する場合はBCAAだけでなく、糖質をしっかり摂取してエネルギー源が枯渇しないよう対策することが大切です。
※参照:「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」
配信: トクバイニュース