ママ友ウォッチャーが解説
「PTAは「業務」と割り切り、暗黙のルールはやめて明文化すべき!?」
今や、最も一般的かつ手軽な連絡手段の一つになっているLINE。一部には安全性などを危惧し、利用していない人がいることも事実だが、PTA活動では、行事や会議の前には頻繁なやりとりが必要となってくるだけに、「『LINEやってません』はNG」が “暗黙のママ友ルール”というのは、理解できる人が多いのではないだろうか。
今回、問題になったママも、委員会のメンバーほぼ全員がLINEを利用している中、それでも「使っていない」と言い切るのには、相当な覚悟を要したはず。その場の「じゃあ今、ダウンロードしたらいい」という空気にも耐えたところを見るに、このママからは、「絶対にLINEをやりたくない」といった決意まで感じてしまった。
一方で、今回のママがそうとは言わないが、ママ友関係においては、実際にはLINEを使っていても「使っていない」と話すママが、意外にも多い。例えば、公園や児童館など、不特定多数のママたちが出入りする場所で連絡先交換を行う場合に、「使っていない」とその場をやり過ごすケースが見られる。
これはつまり、そのママと深い付き合いになるかわからない状態で、気軽に連絡を取れるLINEを教えるのは躊ちょしてしまう……といった理由からだろう。
しかし仮に、子どもが6年間もお世話になる小学校のPTA活動で、実際はLINEを使っているのに「使っていない」と言うのは、ある意味「今後も皆さんとは仲良くするつもりはない」と宣言しているのに近いように思う。
ただ、LINE使用の有無を問わず、このママには、「学校のママ友とは付き合いをあまり持ちたくない」「グループチャットに頻繁にメッセージが届くのが面倒だから」といった思いもあるように感じるが、それはLINEを使用している側も同じだと言えるのではないだろうか。
というのも、本来ならば友人関係ではない、1年間一緒の委員になるだけのママたちと、うかつにプライベートのアカウントを交換したくはないのは、誰しも同じ。委員終了後のグループチャットも、退会しづらいためしばらくは残ったままになるものだが、それを面倒だと感じないママのほうが少数だろう。
しかし、その煩わしさを上回るほどの利便性があるからこそ、PTA活動においてLINEは多くのママたちに利用されているのではないか。
PTA活動は、任意とはいえ必須。PTA活動の中には、実際に委員になってみないとわからない細かな内容も多く、その都度メンバー同士でちょっとしたやりとりが出てくるし、委員を経験したママたちから内情を聞くケースも多い。そんな時、やはりLINEはこれ以上ないほど便利なツールなのだろう。
ママ友と密に連絡を取りたくないという気持ちはわかりつつも、PTAに関しては、「業務」と割り切って、できる限り効率性を重視して対応するのも必要だと思う。そのために、連絡手段を“暗黙のルール”にするのではなく、活動前の段階から「連絡は主にLINEを用いる」などと明文化したら、トラブルは減るのではないだろうか。
それでもLINEを利用したくないのであれば、その理由も明確に言うべきかもしれない。ママたちの間では「察する」という文化――つまり相手に深入りしてはいけない文化があるように感じるが、PTAという場では、ある意味、職場のように論理的になったほうが、うまく回りやすい――そんなことを思わせる、“暗黙のママ友ルール”エピソードだった。
配信: サイゾーウーマン
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