脳みそ唯一のエネルギー源?ブドウ糖とはどんな成分か管理栄養士が解説します!

脳みそ唯一のエネルギー源?ブドウ糖とはどんな成分か管理栄養士が解説します!

脳のエネルギー源になるといわれているブドウ糖。

お菓子やドリンクにも含まれているものもあり、疲れているときに摂取すると良いイメージがありますよね。

しかし、なんとなくのイメージこそあれど、はっきり「ブドウ糖とはどういうものなのか」が分からない方も少なくないでしょう。

今回の記事では、管理栄養士が、「ブドウ糖とはどんなものか?効率的に摂取するにはどうしたらいいの?」ということを詳しく説明します。

ブドウ糖の摂取におすすめなお菓子や飲み物もご紹介していくので、どうか最後までお読みください。

ブドウ糖とはどんなもの?

ブドウ糖は、吸収が速やかで、様々なエネルギー源となる糖のことです。
脳をはじめ、赤血球や腎臓の髄質、一部の筋肉など全身の様々なエネルギー源となります。
特に、脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源だと考えられています。

ぶどうなどの果実やハチミツに多く含まれる単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)の1つで、ぶどうから発見されたため日本語でブドウ糖と呼ばれています。
ブドウ糖とは、穀類や果実、はちみつに豊富に含まれる単糖の一種です。白米やパン、麺類などの主食にも含まれています。

食事から摂取した糖質は、体内の消化酵素によって細かく分解、そして消化されて最終的にブドウ糖となり、私たちの生命活動を維持するために必要なエネルギー源となっています。

砂糖とブドウ糖の違いとは?

砂糖はブドウ糖と果糖が結合した糖なので、ブドウ糖と同じく全身にエネルギーを届ける働きがあります。
しかし、砂糖はブドウ糖と果糖が結合した糖のため、エネルギーを届けるには、まず、ブドウ糖に分解する必要があります。
そのため、砂糖がエネルギーを届ける速さは、ブドウ糖のみよりは遅くなります。

ブドウ糖の働きとは?

ブドウ糖とは全身の様々なエネルギー源となる栄養素ですが、摂取量の大小で働きに違いは出るのでしょうか。

  1. 適量をとる場合
  2. 不足した場合
  3. 過剰摂取した場合

これらの場合を、順番に解説していきます。

適量をとると?

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」では、ブドウ糖単体の摂取基準は記載されていません。

そこで、ブドウ糖や果糖などの単糖から構成されている成分の総称である「炭水化物」に焦点を置き、1日の摂取基準量の目安として考えてみます。
炭水化物の摂取基準量は、男女ともに1日の食事から摂取するエネルギー(㎉)の50~65%に相当する量になります。

例えば、1日に摂取するエネルギーが2,000㎉の場合、炭水化物は1日に250g~325g、1食80g~108g程度を摂取する事が望ましいという事になります。

炭水化物は、ご飯、パン、麺類などの穀類、いも及びでん粉類などに多く含まれています。
また、砂糖及び甘味類や果実類などの甘いものにも多く含まれていますが、甘いものは血糖値を急激に上げてしまうため、穀類やいも及びでん粉類を多く摂った方が血糖値の観点からは良いでしょう。

炭水化物に含まれるブドウ糖を適量を摂る事で、集中力、記憶力、注意力など思考の判断など脳を元気にする効果が期待出来ます。
ブドウ糖は脳がエネルギーとして利用出来る唯一の物質なので、人体にとっても重要な栄養素です。

(引用:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)

不足すると?

不足すると、脳はエネルギーを作るができないため、思考能力の低下に繋がる可能性があります。

摂り過ぎると?

ブドウ糖は、血液中では血糖として存在し、膵臓から分泌されるインスリンによって血糖値の濃度がコントロールされています。
ブドウ糖を摂り過ぎてしまうと、血液中のブドウ糖濃度が上がり、その反動で、インスリンの作用が起き、中性脂肪に変えられて脂肪細胞に蓄えられます。
そのため、ブドウ糖を多く摂り過ぎると、結果として肥満を招き、生活習慣病にも関係します。

ブドウ糖単体の摂取基準は、上記で述べた厚生労働省発表資料「日本人の食事摂取基準」には記載されていません。
しかし、前述の通りブドウ糖が含まれる成分「炭水化物」の適量は、1食に80g~108g程度です。
例えば、ラーメンとチャーハンなどの炭水化物の重ね合わせなどの食事をすると、どうしても炭水化物を摂り過ぎてしまう事になります。