マイコン炊飯器とIH炊飯器の違いは何?失敗しない炊飯器の選び方

炊飯器にはマイコンタイプとIHタイプがあることをご存じでしょうか。ここではマイコン炊飯器とIH炊飯器の違いについてご紹介します。お米の炊き上がりにも差が出てくるマイコンとIHの2つのタイプの違いを理解し、買い替えの際には、失敗しない炊飯器選びをするようにしましょう。

マイコン炊飯器とIH炊飯器の特徴

マイコンタイプは古くからあるタイプの炊飯器で、釜の底に搭載したヒーターで加熱することでお米を炊きます。一方のIHタイプは近年の主流となっているタイプで、磁力線の働きを用いて釜全体に熱を加えてお米を炊くのが特徴です。まずはそれぞれの特徴について学びましょう。

マイコン炊飯器は、釜の底で発生させた熱を全体に伝える

このタイプの歴史は古く、最初に発売されたのは70年代終盤のことです。釜の底部分にヒーターが配置されており、マイコンを使って火力をコントロールしているのが大きな特徴です。釜の底で発生させた熱を全体に伝えることで炊飯する仕組みです。

後述しますが、IHタイプは底だけでなく釜全体が発熱する特徴があります。そのため、単純に火力を比較した場合、IH炊飯器のほうがマイコン炊飯器より強くなります。ただ、従来からの方式を採用したタイプのため、安価な製品が多いのは魅力的なポイントといえるでしょう。安く購入しようと思えば5,000円台から手に入るものもあります。

3合以上のお米はちょっと苦手

マイコン炊飯器は火力こそIH炊飯器より劣りますが、ごはんの炊き上がりはふんわりと柔らかくなります。ただ、あくまで少量の米を炊飯する場合に限定され、3合以上のお米を炊こうとするとムラができてしまうことも。シングル向けの少量タイプなら問題ないでしょう。実際、最近ではマイコンタイプは小容量のものが主流です。

IH炊飯器は、釜そのものを発熱させ、全体に熱を伝える

SR-V10BA

電磁誘導加熱を使って米を炊く方式を採用しています。近年の主流であり、さまざまなメーカーから製品がリリースされています。底から熱を伝えるのではなく、釜そのものが発熱するため全体につつがなく熱を伝えられるのが特徴といえるでしょう。

マイコン炊飯器に比べて火力は高くなります。高火力を使って短時間でお米を炊けるのもメリットといえます。価格はピンキリですが、安いものだと1万円台から、高いものだと10万円を超えるものもあります。高価なモデルだとさまざまな機能が搭載されているケースがほとんどです。一般的に、マイコンタイプよりは高くなります。

たくさん炊く場合でも美味しく炊ける

高い火力を使って最短で加熱するため、お米の芯までしっかりと炊き上げてくれます。全体的にムラも少なく、ふっくらと仕上げられます。たくさん炊く場合でもしっかりと熱を伝え、美味しく炊けるのが特徴でありメリット。

IHの圧力タイプならさらに美味しいごはんに

IH炊飯器には圧力タイプと呼ばれるものもあります。こちらは釜の中に圧力をかけてお米を炊きあげる仕組みです。圧力を瞬時に抜くことによってお米を内部でかき混ぜることができ、ムラができないように炊くことが可能。もちもちとした食感のごはんに仕上げられるでしょう。
中でも、パナソニックが特許を取得している「可変圧力おどり炊き」は、高圧状態から一気に減圧することで爆発的に沸騰させ、お米の一粒一粒に熱を加えて旨みを引き出します。

炊飯器を選ぶポイントは、サイズと加熱タイプの種類

炊飯器を購入するときにどこを重視するかは人によって異なりますが、失敗しないためにはポイントを押さえておく必要があります。ポイントはサイズと加熱タイプの種類です。詳しく見ていきましょう。

【サイズ】家族構成や1度に炊くお米の量を検討してみよう

製品によってサイズは異なるので、購入時には注意が必要です。家族構成や1日に食べる量、1度に炊きたい量などによって選ぶサイズは違ってきます。

大まかな目安としては、一人暮らしの方だと3合炊き程度の炊飯器で十分と考えられます。お茶椀に6膳ほどのお米を炊けるので、一食で2膳食べるとしても十分です。両親と子どもの3人家族の場合だと5.5合炊きまでの炊飯器があると、多めに炊きたい時にも安心です。お茶椀に11膳程度を炊くことができます。

4人以上なら3合~5.5合炊きを目安に

4人家族だと子どもの年齢にもよりますが、3合~5.5合炊きが目安です。まとめて炊くことが多いご家庭であれば、5.5合炊きの炊飯器が便利に使えるでしょう。炊ける量は約6膳~11膳くらい。

あくまでこれは目安なので、実際には一人一人の食べる量などによっても選ぶサイズが変わってきます。また、子どもの成長を考えて、多少余裕のあるサイズを最初から購入しておくのもよいかもしれません。家族だけでなくたまにお客さまを招いて食事する、お弁当を作ってお出かけすることが多い、といったケースでも大きめの炊飯器を選んでおいたほうが安心できるでしょう。

【加熱タイプ】ごはんの炊き上がりの差と価格を検討してみよう

加熱方式によって炊飯の能力はもちろん、価格も変わってきます。釜底のヒーターで熱を伝えるマイコン炊飯器は、価格こそ安いもののごはんが硬く仕上がってしまうことがあります。ムラができることも多いので、安定性には欠けるといえるでしょう。できるだけ安く手に入れたい、お米の味などにあまりこだわらない、という方におすすめ。

電磁誘導を使った加熱方式のIH炊飯器は、強い火力で炊飯でき、ムラのない仕上がりが期待できます。保温機能が優れたものが多いのも特徴といえるでしょう。IHは現在主流となっているタイプですが、価格は高くなるので注意が必要です。とにかくふっくら美味しいごはんを炊きたい、いろいろな機能が備わった製品が欲しい、という方はこのタイプから選びましょう。

とことんごはんにこだわるなら圧力IH 炊飯器

電磁力と圧力を組み合わせたシステムでお米を炊き上げる圧力IH炊飯器。炊飯効率の高さはほかのタイプよりも頭一つ抜きんでており、高性能なものが多いのも特徴。たとえば大火力と可変圧力でお米を激しくおどらせて芯までふっくら加熱するタイプなど。玄米を柔らかくもっちりと炊飯できる製品も少なくありません。高価格帯のモデルが多い傾向にありますが、食事にできるだけこだわりたい方、玄米を美味しく食べたい方などにおすすめです。

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