アジの優れた栄養とは?調理法による違いやほかの魚との比較を管理栄養士が解説

アジの優れた栄養とは?調理法による違いやほかの魚との比較を管理栄養士が解説

揚げる・煮る・焼くなど、どの調理法でもおいしく食べられるアジ。安価に手に入りやすいこともあり、身近な魚のひとつです。アジにはどのような栄養や効能があり、またほかの魚に比べると、栄養価はどの程度優れているのでしょうか?今回はアジの栄養や効能、調理法による違いやほかの魚との比較について管理栄養士が解説します。

アジは身体にうれしい栄養素がたくさん!

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アジには鉄やビタミンDをはじめ、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、身体にうれしい栄養素を含んでいます。

とくに注目すべきはDHAとEPAであり、動脈硬化や脳卒中の予防や中性脂肪の低下など、さまざまな働きが期待されています。

中でもDHAは妊娠・授乳期の赤ちゃんの脳の発達に必要とされるほか、認知症予防につながる可能性もあるとされています。

このようにアジには、子どもから大人、妊娠・授乳中の方から高齢の方まで、幅広い年代の方が摂りたい栄養素をさまざま含んだ食べ物です。比較的安価で手に入りやすいアジを、ぜひ食事のレパートリーに取り入れましょう。

※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

アジに含まれる栄養素と期待される効能

アジに含まれる栄養素や効能について、さらに詳しく解説します。

たんぱく質

アジには良質なたんぱく質が含まれます。たんぱく質は筋肉を合成するだけでなく、ホルモンなどの材料となり、私たちの健康を支えてくれています。

極端に不足すると免疫力の低下にも関わるため、毎日しっかり摂りたい栄養素です。

アジに含まれる主な鉄は「ヘム鉄」といい、吸収率が高いため効率的に鉄を摂取できます。
ヘム鉄は動物性食品に含まれ、植物性食品に含まれる非ヘム鉄より吸収率が高い特徴があります。

ほうれん草や小松菜、ひじきなどは鉄が豊富なイメージがありますが、非ヘム鉄であるため吸収率が低くなっています。アジやサバなどの魚類、レバーなどの肉類のヘム鉄からも鉄を補給することが大切です。

鉄の不足は貧血の原因となるため、動物性食品から積極的に鉄を取り入れましょう。

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、カルシウム不足が原因となる骨粗しょう症の予防に欠かせない栄養素です。

ビタミンDは野菜類にはほとんど含まれず、アジのような魚介類やきのこ類に含まれます。
肉類ばかりの偏った食事では不足することも考えられますので、アジのような魚介類を取り入れましょう。

DHA・EPA

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は不飽和脂肪酸といい、ヒトの体内で合成されないため、食べ物から摂る必要があります。

妊娠・授乳期にとくに必要とされるほか、動脈硬化や脳卒中予防など血管を守る働きや、認知症予防に関連する可能性もあり、健康づくりには必須ともいえる栄養素です。

日本人は魚離れが進んでいるといわれています。アジやサバ、サンマのようなDHA、EPAを含む魚類を、意識的に日々の食事に取り入れましょう。

小アジはカルシウムが豊富!

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アジの中でも小アジは、骨ごと食べるためカルシウムがとくに豊富です。

小アジと普通のアジ、牛乳の100gあたりのカルシウム含有量を比較してみましょう。

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出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

小アジのカルシウムは100gあたり780mgであり、一般的なアジ(マアジ)の約12倍、牛乳の約7倍の量です。

小アジは骨も気になりにくいため、南蛮漬けや唐揚げなどさまざまなメニューで楽しみましょう。

※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

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