【食中毒対策】飲みかけペットボトル…細菌が最も増える中身は「麦茶」「スポーツ飲料」「100%果汁」どれ?

【食中毒対策】飲みかけペットボトル…細菌が最も増える中身は「麦茶」「スポーツ飲料」「100%果汁」どれ?

看護師のmocaです。8月は厚生労働省の定めた”食品衛生月間”だということをご存じですか? 夏場(6~8月)は食中毒が発生しやすいので、特に注意が必要です。先日放送された情報番組『ZIP!』では飲みかけのペットボトルの「食中毒」や「破裂」について特集していました。今回は、夏の水分補給や持ち運びに便利なペットボトル飲料の取り扱いについて、解説していきますね。

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ペットボトル飲料からの食中毒に注意

福岡市保健環境研究所の実験データによると、一度口をつけた麦茶のペットボトルを30℃の環境で放置したところ、食中毒につながる恐れのある細菌数が、24時間後に約400倍の20万個以上に増殖したそうです。

出典:イラストAC

ペットボトルに口をつけると、口の中に多く存在する細菌が入り込んで増殖し、食中毒の原因となります。
また口をつけていなくても蓋を開けることで、空気中の微生物が入り込んでしまうそうです。

ペットボトルに入り込んだ細菌や微生物は25℃~30℃の環境で最も増殖しやすいため、夏場は特に注意が必要です。


宇都宮市衛生環境試験所は、「緑茶」、「麦茶」、「スポーツ飲料」、「ミルクコーヒー」、「果汁100%オレンジジュース」の飲み残しを30℃の環境に48時間放置し、細菌数を調べるという実験を行いました。

出典:イラストAC

今回の出題クイズには、「ミルクコーヒー」と「緑茶」は選択肢から外してありますが、この5種類の飲料のうち細菌が一番増えたのはどれだと思いますか?


正解は…

「ミルクコーヒー」でした。


ミルクコーヒーは24時間で約1万倍、48時間で30万倍以上に増殖していたそうです!!

こんなにも増えてしまった理由は、ミルクコーヒーに含まれる糖分やたんぱく質が細菌の栄養になるからです。

ではミルクコーヒーの次に細菌が増えたのはどれでしょう?

答えは驚きの…


「麦茶」なんです!

つまり、今回のクイズの答えは「麦茶」なんですよー!


細菌数は24時間で10倍以上だったそうです。

麦茶は穀物である大麦の種子が原料なので、炭水化物が多いのだそう。
炭水化物も細菌の栄養になってしまうんです。


また、この実験では「緑茶」、「スポーツ飲料」、「果汁100%オレンジジュース」は細菌が減少したそうです。

スポーツ飲料と果汁100%オレンジジュースは糖分が多くて細菌が増えそうですが、意外な結果ですよね。
これらは強い酸性だったこと、そして緑茶はカテキンの働きで細菌の働きを抑える効果があることから細菌が減少したのです。
ただし、これは”常温で放置しても安全というわけではない”ので注意が必要です。


ペットボトル飲料は早めに飲み切りましょう!

『ZIP!』で、食品衛生に詳しい長崎国際大学の野村秀一教授は「ペットボトルの中身によっても違いますが、飲みかけの飲料は平均3~4時間くらいで細菌が増えるので、早く飲み切ることが大切です」と述べていました。

また番組では、食中毒を防ぐための対策について次のようにまとめていました。

食中毒を防ぐ3つのポイント

①別の容器に移して飲む
グラスに移して、口をつけなければ細菌がペットボトルに入るのを防げるので衛生的です。
持ち運ぶ際は、カップの部分がセパレートになった水筒を使うのが良さそうですね。

出典:イラストAC

②小さめのペットボトルを選ぶ
大きなペットボトルよりも小さなペットボトルを複数持ち歩く方が早く飲み切ることができます。

③ペットボトルを繰り返し使う際はキャップも洗剤でよく洗う
細菌が繁殖しやすい飲み口とキャップは特によく洗うようにしてください。


飲みかけのペットボトルを長時間放置してこんな事故も…。

ペットボトルの飲み残しで破裂事故が発生⁉

飲み残しのペットボトルのキャップを閉めて長時間放置すると、細菌の増殖により二酸化炭素が発生、ペットボトルが膨張して破裂する可能性があるそうです。

国民生活センターには次のような事故報告が寄せられています。
・飲み残しの飲料を放置、開封したらキャップが目に飛び込み全治1週間のケガ(50代)
・半分飲み残した炭酸飲料をキャップを閉めて常温で1か月放置。いきなり破裂して複雑骨折と切り傷を負い、入院手術を受けた(80代)

何気なく飲みかけのペットボトルを放置してしまうと大事故につながることもあるようです。
一度開封した飲み物は、冷蔵庫で保管し早めに飲み切ることが食中毒や事故防止のための鉄則です。

いかがでしたか?
食中毒を防ぐためには、①洗浄消毒で菌を『つけない』、②できるだけ早く冷蔵庫に入れて菌を『増やさない』、③しっかり加熱し菌を『やっつける』、この3つのポイントが重要です。
食べ物だけでなく飲み物からの食中毒にも十分注意していきましょう。


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あたらしい日日
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世界が目まぐるしく変わってゆく今だからこそ、自然を身近に感じながら、自分らしく、気持ちよく暮らしたい。『あたらしい日日』は、そんな思いを抱くすべての女性のためのライフスタイルメディアです。「食」や「農」の話題を中心に、“あたらしい暮らし”に合う食べ方、住み方、働き方、遊び方、自分の磨き方…などを提案します。
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