【防災クイズ】カセットボンベ1本あたりの“強火で使える”時間は…「約1時間」「約2時間」「約3時間」どれ?

【防災クイズ】カセットボンベ1本あたりの“強火で使える”時間は…「約1時間」「約2時間」「約3時間」どれ?

防災グッズをいくら揃えても、その使い方などを把握していなければ、いざという時パニックになったり、有効に活用できなかったりします。そうならないために、災害時を想定してどのように使うのかシミュレーションしておくことも大切! ではみなさんに問題です♪ 防災グッズの必需品カセットボンベは1本あたり何時間使えるでしょう?


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さて問題です。

「カセットボンベ1本」どれくらい使えるの?

さて、防災グッズの必需品カセットボンベ1本あたりの強火で使える時間はどれでしょう? 三択です。

(1)約1時間
(2)約2時間
(3)約3時間

Thinking time♪





正解は…

「(1)の約1時間」です!

強火で使った場合、カセットボンベ1本あたり約1時間使えるそうです。

この情報を紹介していたのはフジテレビ系お昼の情報番組『ポップUP!』。番組では、防災備蓄収納マスタープランナーで防災士でもある熊田明美さんが、災害時のカセットコンロ&カセットボンベの有効な活用法について教えてくれていました。

熊田さん曰く「温かい食事は緊張感や不安を和らげてくれます。災害時、電気やガスが使えなくなってもカセットコンロがあれば温かい食事を作ることができるのでカセットコンロは必需品です」とのこと。

カセットボンベ1本1時間でできることは?

災害時、カセットボンベ1本でどんなことができるのでしょう?

イワタニ「カセットガス(1本250g)3本セット」767円

熊田さんによると、

・2人分のレトルト品(カレーなど)の温め
・2人分のパックご飯の温め
・温かい飲み物(2杯分)用の水250mlの温め
・冷蔵庫内の食べ物の温め

以上、1食2人分の食材を温めるのに20分ほどかかるそう。ちなみに冷蔵庫内の食べ物とはアルミ鍋の冷蔵うどんなど。

カセットボンベ1本の使用可能時間は約1時間なので、この”温め”を3回、つまり2人分を3食分作ることができるというわけです。

えっ!1日でカセットボンベ1本使ってしまうということですよね? けっこう消費が早いなぁ。1週間分備蓄しようと思ったら、最低でもカセットボンベは7本必要ということですね。

カセットボンベを節約!効率的な調理方法「ポリ袋調理」

備蓄したカセットボンベは無尽蔵にあるわけではないので、1本1本を大切に効率よく使いたいものです。

熊田さんが教えてくれた、カセットボンベを効率的に使う調理法が「ポリ袋調理」。耐熱性の高密度ポリエチレン(HDPE)製のポリ袋にお米やおかずなどを入れ、鍋のお湯で調理する方法。このポリ袋調理なら、食器を汚すこともなく、湯煎に使った水も再利用できるので、災害時に役立つ調理法といえます。

なお、ポリ袋調理をする際は、高密度ポリエチレン製のポリ袋でないと溶ける場合があるとのこと。厚手(0.025mm以上)のものか、”湯せんで調理可”と明記されているものを使いましょう。

今回使うポリ袋はダイソーの「パカッと調理袋」。厚さは0.015mmですが、パッケージに”湯せん調理もOK”と書いてあるので、大丈夫だと思います。なお、この「パカッと調理袋」については別記事で詳しく紹介しているのでそちらも参考にしてくださいね。

ダイソー「パカッと調理用袋(30枚入り)」110円
・材質 ポリエチレン
・商品サイズ たて39cm×よこ25cm 厚さ0.015mm
・使用温度 -30℃~100℃

では、災害時を想定し1食2人分を作ってみることに!1食2人分作る際、カセットボンベの使用時間を20分以内にすれば、単純計算で、20分×3食分(2人分)=60分となり、1日分の食事をガスボンベ1本でまかなえるということになります。

今回、1食2人分として用意したのは、パックご飯2個(1個150g)、レトルトカレー2袋(1袋170g)、フリーズドライみそ汁2個とみそ汁2杯分の水(320ml※1杯分160ml)、そして卵2個。

災害時は冷蔵庫のものが腐る前に使う必要があるので、冷蔵庫に入っている確率が高い卵を使って、ポリ袋調理でオムレツにしてみようと思います。

湯煎する前にしておく準備

【パックご飯】
パックご飯について調べてみると、パックのまま湯煎で温めると15~20分ほどかかりますが、ご飯をポリ袋に入れ替えると10分くらいで温まるそう。5~10分ほど時短できるようなので、ポリ袋に入れて温めることに。

パックご飯1個をポリ袋に入れ、火が通りやすいようご飯を平らに広げ、ポリ袋の空気を抜きながら下から上へねじりあげ、袋の上の方でしっかり結びます。これをもうひとつ作ります。

袋の中に空気が入っていると、お鍋に入れたとき水に浮いて火がまんべんなく通らなかったり、温められた空気が膨張して袋が破裂する恐れもあるため、できるだけ空気は抜き、袋の上のほうで口を閉じましょう。

【レトルトカレー】
レトルトカレーはパッケージをみると3分ほどで温めると書いてあるので、そのまま湯煎します。

【卵】
少しでも加熱時間を短縮できるよう卵は常温に戻しておきます。

卵1個をポリ袋に割り入れ、味付けに小さじ1杯くらいのマヨネーズを入れ、袋をモミモミして混ぜます。10回くらいモミモミするときれいに混ざります。

ご飯と同じようにポリ袋の空気を抜きながら袋の上の方で口をしっかり縛ります。卵1個に対して袋が大きいので、袋の端も結びました。これをもうひとつ作ります。

【みそ汁(フリーズドライ)用の水】
みそ汁2杯分の水(320ml)をポリ袋に入れ、ご飯と同じようにポリ袋の空気を抜きながらねじりあげ、袋の上の方でしっかり結びます。

次に、各食材の湯煎時間も確認しておきましょう。

各食材の湯煎時間

【パックご飯】
パックご飯の温め方は「サトウのごはん」公式HPを参考にすることに。
それによると、パックご飯を湯煎で温めるときは、水から入れ沸騰してからさらに約5分加熱すれば温め完了とのこと。注意点は「鍋のふたをしないこと」。おそらく、熱湯が吹きこぼれないようにするためだと思われます。ですが、湯煎調理をするとき、早く沸騰させるためにふたをすることもあります。何が違うのでしょう??? 調べてもよくわからなかったので、今回は「ふたなし」でいきます!

【レトルトカレー】
レトルトカレーは、商品の袋に「沸騰しない程度のお湯(70℃~80℃)で約3分温める」と記載されているので、水から入れて温まり具合を確認しつつ、お鍋の水が沸騰する頃を目安に取り出すことにします。

【卵】
オムレツ用の卵を入れるタイミングは、水から15分、もしくは沸騰してから10分などいろいろやり方があるようです。今回使うわが家のお鍋が小さいので、レトルトカレーを取り出した後、沸騰したところに卵を入れることにします。

【みそ汁(フリーズドライ)用の水】
みそ汁用に使う水も最初からお鍋に入れて、沸騰したら取り出すことにします。

各食材の準備もでき、湯煎時間も確認できたので、カセットコンロで実際に温めてみましょう。

災害時の1食2人分何分でできる?

1.  お鍋とポリ袋が接触しないように鍋に耐熱皿を敷き、鍋の1/3~半分くらいの水を入れます。食材を入れてみて、水につからないようなら水を足しましょう。ちなみに使用した鍋のサイズは直径約19cm高さ約10cm

2.  1にレトルトカレーを2袋入れます。パッケージに湯煎で温める際の注意事項として”袋全体がお湯につかるように”とあったので、一番下に入れることにしました。

3.  2にご飯、おみそ汁用の水を入れます。入れるときはどの食材も水につかるように。袋の口は鍋から出すと引火しそうなので、お鍋の中に入れることに。

4.  ガスコンロを強火にして加熱開始!

加熱を始めて4分ほどで沸騰が始まりました。早いなぁ。

あまりに早く沸騰したので、沸騰前にレトルトカレーを取り出せず…。加熱から4分のこのタイミングで慌てて取り出すことに。

加熱から5分経つと、グツグツブクブクと音を立ててマグマのような沸騰が始まったので、中火にして、慌ててご飯とみそ汁用の水の温まり具合を確認。どちらも熱々になっていたので取り出しました。

予定では、ご飯は沸騰してからさらに約5分加熱するはずでしたが、温まりやすいよう平らに広げたのがよかったのか、加熱から5分で温まりました。つまり、レトルトカレー、ご飯、みそ汁用のお水は加熱開始からわずか5分で温まったことになります。めちゃめちゃ早いですよね! 残るはオムレツ!

5.  ご飯などを取り出した後のブクブクと沸騰しているお湯の中へ卵を投入。火加減は中火のまま。手前の袋は空気の抜き具合が足りなかったみたいで、膨らんでいますね。

卵は沸騰したお湯で10分くらい加熱する予定でしたが、4分ほど加熱しただけで卵が固まったので、火を消すことにしました。

これで1食2人分の加熱が終了ということになります!なんと加熱時間は約10分。毎食10分で加熱できるなら、ガスボンベ1本で6食分(2人分)まかなえることになります。すごい省エネ!

火を消してもお鍋の中のお湯がまだ熱々。何かに使わないともったいないけど…あっ、そうだ! お皿を準備する間、先に取り出したご飯やカレーを入れて余熱でさらに温めておくことにしよう♪

さて、災害時には洗う手間を省くためお皿にサランラップをするなどいろいろあるようですが、今回はお皿に普通に盛り付けることにします。

熱々のご飯を取りだし、熱々のオムレツを上にのせます。

形は歪ですがしっかり卵が固まっています。

カレーをかけてオムカレーに、そして、フリーズドライのおみそ汁にお湯を注いで…と。カセットボンベ10分間使用の1食2人分の出来上がり♪

では、いただきます!フーフーしないと食べられないほどではありませんが、カレーもご飯もおみそ汁もオムレツも熱々です。これだけ温まっていれば十分。予定より早くできたオムレツも中までしっかり火が通っています…というか通りすぎているくらい。

今回、災害時を想定してカセットボンベを効率よく活用できるポリ袋調理をしてみましたが、想像するのと実際にやってみるのとではものすごく違いました。お鍋が小さくて温めたいものが全部入らなかったり、思いのほか早く温まったり…。熱々のポリ袋を鍋から取り出すときにはトングが必要だし、お湯で濡れたポリ袋の表面を拭くタオル、温めが完了したポリ袋を入れる、大きめのお皿も必要でした。やってみたから気づけたことです。

防災グッズをただ揃えるだけでなく、実際に使い方やできることを事前にチェックしておくことが本当に大切だなとつくづく思います。これまで、ガスボンベ1本がどれくらい使えるかなんて考えたことすらなかったし…。みなさんも災害時を想定して、カセットボンベを有効活用する方法など、シミュレートしてみてくださいね。

※ご紹介した商品は2022年9月時点での情報であるため、在庫状況、価格などが異なる場合があります。

<参考文献>
WEB
「サトウ食品〜電子レンジ以外の調理方法〜」
https://www.satosyokuhin.co.jp/inquiry/other_cooking_rice/

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