嘔吐したときは、感染予防対策に気をつけて
赤ちゃんが勢いよく吐いて機嫌が悪い場合、他のウイルスの可能性もありますが、ノロウイルスの感染を疑って、念のため感染対策をするようにしましょう。下痢は嘔吐してから遅れて見られることが多く、対策が不十分だとお世話をするママや家族に家庭内感染してしまいます。早めに対応するようにしましょう。
ノロウイルスは、アルコール消毒剤や熱に強いのが特徴です。嘔吐物の処理をするときに感染予防としてアルコールで除菌される方もいると思います。しかしノロウイルスの場合、熱やアルコールに強いのが特徴のため、それだけではウイルスは除去できないので注意しましょう。
嘔吐物の処理を適切におこなうことで、家庭内感染も防ぐことができます。嘔吐物の基本的な処理方法は下記の通りです。参考にしてくださいね。
1. 処理は最小限の人数で、直接触らないように行う
嘔吐するとウイルスを含んだ水滴が1~2m程度の範囲に飛散するので、処理をする人以外は近づかないようにしましょう。そして処理をする人は、使い捨ての手袋やマスク、エプロンなどを着用し、ペーパータオルを使ってできる限り嘔吐物に直接触れないようにします。
使用したものは、袋にまとめて口をしっかり縛って破棄しましょう。処理後は、手袋をしていたとしても流水で石鹸を使ってしっかり手洗いしましょう。
2. 嘔吐物をすばやく取り除く
しっかり洗浄・消毒できずに取り残された嘔吐物は、乾燥すると空気中を漂ってしまいます。それを吸い込むことで感染が広がる恐れがあるため、嘔吐物周辺の壁や床などは広範囲をすばやく洗浄・消毒しましょう。
3. 感染している人と嘔吐物を処理した人の衣類を適切に洗う
嘔吐物が飛び散った衣類は下洗いをした後、塩素系漂白剤を水で薄めた液で消毒し、十分にすすぎます。高温の乾燥機を使用するか、85℃以上の湯に1分間以上浸すと殺菌効果が高まります。すぐに洗えないときは衣類をビニール袋に入れて密封し、周囲にウイルスが付着しないように気を付けましょう。
水分補給や食べ物はどうする?
嘔吐や下痢で水分が失われるので、水分補給が必要です。しかし、水分をとりすぎてしまうことで、余計に嘔吐を誘発してしまい悪化してしまうことがあります。
胃腸炎のときの水分は、赤ちゃんにとっては母乳が適しています。混合栄養の場合も、分泌量に関わらず母乳をメインにあげるようにしましょう。育児用ミルクやそれ以外の水分補給は、様子をみながら少量ずつこまめにあげるようにします。飲めなかったり、飲んでもそれ以上に吐いてしまう場合は、点滴治療が必要になる場合もあるので受診するようにしましょう。
ノロウイルスには、治療薬がなく対処療法となります。ウイルスを体外に出すことが大切なので、下痢止めなどは使えません。症状が落ち着くまでは、お世話をするママにとってはつらいかと思います。
症状が安定してきて、本人が水分や食事を欲しがる場合でも、小さなお子さんは一気にとりすぎてしまうことがあるので、少量ずつからにするように大人が調整してあげましょう。
配信: ベビーカレンダー(パパママ)