歯固めの石の使い道や入手方法は?使用手順や使用後の扱い方も

第79回 どれがいいの?子育てグッズ
歯固めの石は赤ちゃんが誕生して100日後のお祝いで使用するものです。積極的に使用する家もあればそうでない家もあるので、存在を知らない人や使い道がよく分からない人もいるでしょう。歯固めの石の入手方法や、使用方法などを紹介します。

歯固めの石は何に使う?

歯固めの石と聞いて、どうやって使用するものなのかピンとこない人もいるでしょう。「赤ちゃんの歯固めに石を使うの?」と思う人もいるかもしれません。使用方法や目的などをチェックしましょう。

お食い初めのお祝いで使用する石

歯固めの石は赤ちゃんが生まれてから、生後100日ごろに行う「お食い初めのお祝い」で使用します。歯が生え始めた、生後3~4カ月ごろのタイミングで行う家庭が一般的です。

赤ちゃんが食べ物に困らず健康で長生きできるように願う儀式で、一汁三菜のお祝い膳と一緒に歯固めの石を使用します。「石のように丈夫で健康な歯が生えてくるように」と、願いを込めるのです。

丈夫な歯が生えていると年齢を重ねても栄養のある食べ物を食べられるので、強い歯が生えるように祈ることが、長寿を祈ることに通じています。

大きさや数に詳細な決まりはない

歯固めの石は、様々な形状・大きさのものが使用されます。小石を3つ使用するという家もあれば、ひとつだけ用意するという家もあり、家庭によって様々です。

白と黒の小石をひとつずつ、あるいは白・黒・赤をそろえるというように複数の色を使うこともありますが、厳密な決まりはありません。

石の大きさにもこれといった決まりはないですが、小皿に載せてほかの料理と一緒にお膳の上に置く都合上、「1~5cm程度のもの」が使いやすいでしょう。見た目がきれいな、丸くてツヤのある小石を用意することが一般的です。

歯固めの石の入手方法

お食い初めのお祝いをしたくても、歯固めの石が見つからないときはどうすればよいのでしょう。歯固めの石の簡単な入手方法を紹介します。

お宮参りをした神社で借りる

お宮参りをした際にもらえる、神社からの授与物のなかに歯固めの石が含まれている場合があります。お札やお守りなどと一緒に、お食い初めに使用する祝箸などを用意してくれる神社もあるでしょう。

お宮参りからお食い初めのお祝いまでには間が空くので、もらったことを忘れてどこかにしまい込んでいる可能性もあります。もし、受け取った記憶があるなら探してみましょう。

もらったかどうか分からないときや、もらっていないときは神社へ行って、玉砂利のなかからきれいなものを借ります。神社の事務所や受付などで境内の石を歯固めの石として使いたいことを伝え、許可を得てから拾いましょう。

河原へ拾いに行く

近くの河原へ行き、地面に落ちている小石を拾って使用しても構いません。河原には様々な色や形状の石が落ちているので、好みのものを選べます。できるだけ、人が踏み荒らしていない場所にあるものがおすすめです。

河原によってはゴツゴツとした大きな石しか落ちていない場合があります。上流よりも下流へ行って探した方が、角が取れたきれいな小石を見つけやすいでしょう。川に転落しないように注意しながら拾います。

通販でも入手可能

近所に神社や河原がなく、歯固めの石に使えそうな小石が見つからないときは、通販を利用して購入する方法もおすすめです。

「お食い初めセット」として販売されているもののなかに含まれている場合もあれば、単品で購入できる場合もあります。祝箸や保管用の袋とセットになっている商品もあり、好みの色や大きさのものが見つかるはずです。

神社で祈祷を済ませたものが販売されているケースもあります。値段もそこまで高くないことが多いため、利用してみてもよいでしょう。

使用する手順と使用後の扱い方

歯固めの石は、どのタイミングでどのように使用するのでしょう。使用する手順や、使用後の扱い方について紹介します。

洗浄・煮沸消毒後に器に載せる

神社や河原などで拾ってきた石は、流水できれいに洗浄しましょう。泥などが付着している場合はブラシでこすり落とし、きれいになったら念のため煮沸消毒します。

間接的ではありますが口に触れるものなので、衛生的に使用した方が安心です。煮沸消毒するだけなので、それほど手間はかかりません。

お食い初めの料理はご飯・汁物・煮物などを小皿に入れ、お膳の上に載せて準備します。歯固めの石は小皿に載せ、梅干しや副菜などと一緒にお膳の中央に置きましょう。

専用の食器があれば利用しますが、こだわりがなければ家庭にある普通の小皿やお盆に主食や副菜をバランスよく盛り付けます。魚などの焼き物は別の皿に盛り付けましょう。

石に箸をつけ歯茎に当てる

お膳の準備ができたら赤ちゃんを膝の上に乗せ、用意した料理を食べさせる真似をします。ご飯・汁物・ご飯・魚・ご飯・汁物の順番で、食べ物を口元へ持って行く動作を3回程度繰り返し行いましょう。

料理を食べさせる真似を終えたら歯固めの石に箸の先を当ててから、箸を赤ちゃんの歯茎に優しく当てます。「丈夫な歯が生えますように」と、願いを込めて行いましょう。

お食い初めの儀式はその家の年長者や赤ちゃんの祖父母などが、担当することが一般的です。儀式が終わったら、用意した料理は大人が食べてしまいましょう。

儀式の途中で、赤ちゃんがぐずって泣いてしまう場合もあります。あまり形式にとらわれすぎず、赤ちゃんの健やかな成長を願いながら家族で楽しく行いましょう。

使用後は元あった場所に

歯固めの石を神社や河原で拾ってきた場合、使用後はきれいに洗って拾ってきた場所に返します。神社から借りたのであれば、神社の人にひと声かけて「お礼の言葉」とともに元の場所へ戻しましょう。

通販で購入した場合は、記念にとっておいて構いません。へその緒や乳歯などの、記念の品と一緒に大切に保管する人もいます。保管しておくとお食い初めの写真などとともに後から振り返れて、よい思い出になるでしょう。

地域によって様々なものを使用する

お食い初めのお祝いでは、歯固めの石ではなく、ほかの食材を使用する地域もあります。どのようなものが使われているのか見ていきましょう。

関西地方はたこが一般的

関西地方では歯固めの石を使わず、たこを使用することが一般的です。たこを使用する理由については諸説あります。

弾力のあるたこを噛みちぎれるくらい丈夫な歯が生えるようにと願いを込める説や、たこを「多幸」と当て字して、多くの幸せに恵まれるようにと願いを込める説が有名です。

「た」べるのに「こ」まらないように、という語呂合わせの意味もあるとされます。いずれにしてもよい意味があり、赤ちゃんの幸せを願って用意されることに変わりはありません。

たこを用意する場合はゆでだこや煮物にしておき、ほかの料理と同じく食べさせる真似をしましょう。

梅干・栗・くるみを使う地域もある

「梅干のようにシワシワになるまで元気で生きられるように」との願いを込めて、お食い初めのお膳に梅干を用意する地域もあります。

歯固めの石と梅干の両方を用意することもあれば、どちらか一方だけを使用することもあり、住んでいる地域の慣習や家庭の考え方などによって様々です。

歯固めの石の代わりに栗やくるみなどの硬い食材を用意し、強い歯が生えるように願いを込めます。より縁起を担いで勝栗を使用する家庭もありますが、手に入りやすいものを使用するとよいでしょう。

まとめ

歯固めの石をお食い初めのお祝いで使用したいなら、近所の神社や河原で拾ってくるなどして準備しておきましょう。直接口に入れるわけではありませんが、間接的に赤ちゃんの口に触れるので、なるべくきれいなものを選びます。

お宮参りのときにもらえる場合もありますし、お食い初めセットなどを購入したときについてくる場合もあるので、心当たりがあるときは確認してみましょう。

また、地域によってはたこや梅干などの食材で代用することも珍しくありません。あまり形式にとらわれすぎず愛情を込めて儀式を行い、赤ちゃんの健やかな成長を祈りましょう。

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