実録・ファミレスパートいじめ「私はこうしてパートを辞めた!」 

第2回 ファミレスパートあるある
子どもも徐々に手を離れ、「さてパートでも!」と思い立ったとき、気軽な社会復帰の第一歩となるのがファミリーレストランのパート。だが、その実情は、そんなに甘いものではなく…。ここでは、実際に起きたファミレス事件簿を紹介する。

●ファミレスは、50歳のボスキャラ天国

「あの頃のことを振り返ると、いまだに頭にきてしまいます。でも、当時はもっとつらくて、ボスキャラに注意・叱責される度、怒りが頂点に達して、血管が切れそうな毎日でした(笑)」(Mさん 以下同)

Mさんは、3人の子どもを抱え、PTAもこなし、日々忙しく過ごすスーパーママ。どことなく、小泉今日子を思わせるビジュアルの持ち主だ。

「観光地の近くにあるファミレスなので、通年忙しかったですね。そんな環境も関係しているのか、ランチ時のホールはいつも殺気立っていて、お客さんの前で見せる顔と、パントリー(料理が上がる場所)で見せる顔がまったく違うんです。私はホール(接客係)で入りましたが、入った当初から、50歳くらいのボスキャラ・Kさんに敵対視されていました」

本来教育する立場であるKさんだが、大まかな流れしか教えず、Mさんが失敗するのを見ては、ほくそ笑んでいたという。

「とにかく言い方が厳しいんですね。ドリンクバーセットのハンディ(電子端末機)の打ち方がわからなくてちょっと聞いただけなのに、“この間教えたじゃないの!”とか、わざと店長に聞こえるように大声で言ったり…。でもたぶん、教えてもらってないと思うんです、私(笑)。後で確認したら、メモにも書いてなかったし…。周りのスタッフも“また始まった…”とばかりシラーッとしていて、誰も助け船を出してくれない。ボスキャラのくせに、そもそも人を育てる気がないんだと思います」

ファミレスパートでいじめ

どうやら、Kさんのせいでパート主婦が何人も辞めている様子。それを知っていて、Kさんを辞めさせない店長にも腹が立ったという。

「ベテランだし、仕事はできるから、店長も辞められたら困るみたいでした。1度だけ、本当に理不尽なことで叱られたので、“私、それ教えてもらっていません!”と言い返したんです。そうしたら、10倍になって返ってきた(笑)。“もうこの人に、何を言ってもムダなんだ”とあきらめました。私が入る直前に、“新人が来たら、とことんイビって辞めさせてやる”とも言っていたらしいです。自分がシフトにたくさん入りたいという理由もあって、使えそうな人はわざといじめて辞めさせているとも聞きました」

「こんなところにいては時間のムダ!」と踏ん切りをつけたMさんは、10日ほどでとっとと見切りをつけたという。

「所詮パートだし、あんなくだらない人にストレスを抱えるほどバカらしいものはない。あのお店は永遠に人材不足だろうし、そのうち何か事件でも起こすんじゃないですかね?(笑)“いったいいくつなの?”と思うくらい精神年齢が低いボスキャラだと思います」

Mさんのように器量が良く、仕事が出来そうな人ほど辞めていくと言われるファミレスパートの世界。もしも耐えがたい人間関係に遭遇したら…Mさんのように早々と見切りをつけるのが得策かもしれない。

(取材・文/ワタベマキ)