【マグロの栄養】毎日食べるならお刺身5切程度を目安に!期待できる効果効能を管理栄養士が解説!

【マグロの栄養】毎日食べるならお刺身5切程度を目安に!期待できる効果効能を管理栄養士が解説!

刺身や寿司、タタキなど、子どもから大人まで人気の高いマグロ。

おいしいのはもちろん、マグロの栄養や効能は実はとても優れていることをご存じですか?

豊富な栄養をムダにしないためにも、効果を高める食べ方やおすすめのレシピも知っておきましょう。

今回の記事では「マグロの栄養」について、管理栄養士が解説します。

マグロの栄養と期待される効能

マグロはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)をはじめ、鉄やビタミンDなどのさまざまな栄養素を含んでいます。
とくに注目すべきはDHAの含有量で、魚の中でトップクラスです。

成長期の子どもから、健康面が気になる大人まで、広い世代の健康づくりを支えてくれます。

マグロは種類や部位によって栄養成分値が若干異なりますが、基本的な栄養素は共通しています。

まずは、すべてのマグロに共通して含まれる栄養素と期待される効能について、詳しく見てみましょう。

血液サラサラを期待「EPA」「DHA」

EPAやDHAは、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの病気を防ぐ働きや、血中の中性脂肪値を減らす働きがあるとして注目されている成分です。
ヒトの体内で合成されないため、不足しないよう食べ物から摂る必要があります。

サバやサンマなどの青魚に多く含まれることが知られていますが、実はDHAの含有量は魚の中ではマグロがトップです。

EPAやDHAは脂質に含まれる成分であるため、マグロの脂身に多く含まれます。
もちろん赤身の部分にも含まれるため、赤身でもDHAやEPAをしっかりと補給できます。

筋肉や細胞を作り免疫機能を維持する「タンパク質」

たんぱく質は筋肉や細胞の材料となり、私たちの体が作られる際に欠かせません。

また、たんぱく質が極端に不足することで、免疫機能の低下が起こることも知られています。

成長期の子どもはもちろん、筋肉をつけたいトレーニング中の方やダイエット中の方、食事量が低下してきた高齢者など、さまざまな年代で不足することなく補いたい栄養素です。

貧血予防に「鉄」

鉄は、鉄欠乏性貧血の予防に必要です。
マグロに含まれる鉄は「ヘム鉄」といい、吸収率が65%ほどと高いことが知られています。

鉄が不足することで起きる貧血は、疲れやすさやめまい、息切れ、頭痛など、さまざまな不調を引き起こす原因となります。

とくに月経のある女性は鉄が不足しやすいため、積極的な摂取が必要です。

骨の健康づくりに必要「ビタミンD」

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨の健康づくりに必要です。
ビタミンDが不足すると、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まることが知られています。

ビタミンDは野菜には含まれず、きのこ類や魚介類に多く含まれるため、意識的に取り入れる必要があります。

高血圧を防ぐ「カリウム」

カリウムは、高血圧の予防のために摂取が推奨されている栄養素です。
高血圧の原因となる余分なナトリウム(塩分)を排出し、血圧を下げる働きがあります。

カリウムは野菜に多く含まれる栄養素ですが、マグロのような魚などの動物性の食品にも意外にも含まれています。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

マグロの種類、部位による栄養価の違い

マグロはさまざまな種類がありますが、普段よく食べているものはどれかご存じですか?
種類や部位による栄養価の違いを見てみましょう。

種類による違い

マグロはよく食べられる種類が5つあります。

もっとも高級種なのが「クロマグロ(本マグロ)」で、お正月に行われる初競りで話題となるマグロです。
EPAやDHAをはじめとするさまざまな栄養素を豊富に含みます。

一方で、もっともポピュラーなのが「メバチマグロ」です。
回転寿司や刺身としてよく用いられています。
EPAとDHAはクロマグロに次いで多いため、手頃でありながら栄養豊富な種類といえます。

ほかにも、鉄が豊富なのがキハダマグロ、ビタミンDが豊富なのがビンチョウマグロです。
こちらは「ツナ缶」に加工されることも多く、手軽な栄養補給に役立つでしょう。

部位による違い

マグロは赤身と脂身(トロ)に大別され、栄養価が異なります。

一般的なメバチマグロの赤身と脂身の違いを見てみましょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

赤身のほうが脂質が少ないためカロリーが低く、またカリウムや鉄も多く含まれています。

一方で脂身は、脂質が多い分カロリーが高くなっていますが、EPAやDHAの含有量は優れています。

取り入れたい栄養素によって部位を選んでもよいですし、ダイエット中の方は赤身を選ぶようにするなど、目的によって上手に使い分けましょう。

関連記事: