まず知っておきたいのは、あのニオイの原因。
「一番の原因と言われているのが、モラクセラ菌という雑菌なんです。この菌が、洗濯物が濡れている状態が長いと繁殖しやすいんですね。実は、菌自体が臭いというよりも、菌が繁殖する過程で水分や服についている汚れなどを食べて出す排泄物(ウンチみたいなもの)がニオイの原因なんです」(中村さん 以下同)
なんとも衝撃の事実! つまり、その菌が繁殖しやすい状況が揃ってしまうとニオイが発生してしまうという。
「梅雨時期は、気温、室温なども高くなってきて、さらに室内に干すと乾きが遅くなるので、どうしても菌が繁殖しやすい絶好の時期になってしまうんです。ただ、しっかり理解していただきたいのは、室内干しだから臭ってしまうのではなく、菌が繁殖して臭うので、仮に汚れがしっかり落ちていなければ、外に干しても臭う場合もあります。なので、菌を繁殖させないことと、汚れをしっかり落とすことが最大のポイントです」
では、洗濯物のニオイを防ぐ対策とは?
1)梅雨時期こそ、洗濯物を溜めず、こまめに洗う!
「梅雨時期のように雨続きだと、つい洗濯物を溜めて晴れの日に一気に洗濯しよう! という方が多いのですが、その放置している間にもモラクセラ菌は繁殖していってしまいます。特に濡れたタオルや汗で湿った衣類などが一緒になっていると、他の衣類にも伝染していってしまうんです。そうなると、いざ洗っても、もともとの菌の数が多くてしっかり落ち切らずに残ってしまう可能性があります。洗濯前に菌を繁殖させないように、こまめに洗うことを心がけましょう!」
2)洗うときは、お湯を使う!
「洗う時は、ほとんどのご家庭が水道の水を使われると思いますが、洗剤や漂白剤をしっかり働かせることを考えると、水では効果を発揮しづらいんです。なので、40℃くらいのお湯を使うことがおすすめです。粉末洗剤は、水だと溶けにくいということもありますし、基本的にお湯だと繊維や汚れが緩みやすくなるんです。皮脂などの脂も40℃程度で落ちやすくなります。お湯で落ちやすい食器の汚れと同じです」
お風呂の残り湯を使うご家庭も多い。注意点は?
「残り湯を使う場合は、お湯の汚れ具合は重要です。見て“かなり汚れているな”という場合は、控えたほうがいいですね。あとは、一晩置いて翌日に使用する方が多いと思うのですが、そうするとお湯自体に菌が繁殖して、それがニオイの原因になる場合もあるんです。なので、残り湯を使う場合は、入浴後すぐの洗濯がおすすめです! お湯の温度も理想的な40℃くらいで汚れの落ちもいいので、そのまま室内に干しても臭うことはありません」
3)洗剤に漂白剤をプラスする!
「いつも使っている洗剤に、漂白剤をプラスすると除菌効果があるので、さらにニオイにくくはなります。この場合、洗濯機に漂白剤を一緒に入れればもちろんある程度効果はあるのですが、より除菌をしっかりしたいものの場合は、バケツや桶にお湯をためて、そこに洗剤と漂白剤を入れて20~30分つけてから、洗濯機で洗うと、より効果的です!使う漂白剤は色柄ものにも安心な酸素系タイプを、必ず選んでくださいね! 」
4)干すときは、表面積を広げるのがポイント!
「洗濯物は、生地が重なっていると乾きにくくなります。そうなると菌が繁殖しやすくなるので、例えばシャツの襟は立てて干したり、ズボンは中に空間ができるように筒状に干すなど、重なっている部分を作らず、表面積を広げて、できるだけ空気が通りやすい環境にすることが大事です。より早く乾かしたい場合は、扇風機やエアコンなどの風を利用したり、浴室なら換気扇をまわすだけでもだいぶ違います」
ニオイの原因=雑菌が繁殖しない環境づくりをしっかり整えて、梅雨時期の洗濯を気持ちよく乗り切ってください!
(構成・文/横田裕美子