3、離婚後やることリスト〜子なし編
離婚が成立した後も、新しい生活を始めるためにやるべきことがいろいろとあります。
ここでも、まず子どもがいない方向けの「離婚をやることリスト」をご紹介し、次項で子どもがいる方向けのリストもご紹介します。
(1)住民票を異動する
離婚後に転居する場合は、住民票の異動が必要です。
いま住んでいる市区町村とは別のところへ転居する場合は、転居前の市区町村の役所に「転出届」を提出した上で、転居先の市区町村の役所に「転入届」を提出します。
いまと同じ市区町村内で転居する場合は、そこの役所へ「転居届」を提出するだけで足ります。
なお、「戸籍」と「住民票」は別のものです。したがって、転居後の住所で新しい戸籍を作った場合も、住民票の異動手続きは別途必要ですので、ご注意ください。
(2)国民健康保険(または勤務先の健康保険)に加入する
婚姻中にパートナーの扶養に入っていた方は、離婚後はご自身で健康保険に加入する必要があります。
離婚後も仕事をしない方や、パートなどで勤務先の健康保険に入れない方は、市区町村の役所で国民健康保険に加入する手続をします。
勤務先の健康保険に加入できる場合は、会社の指示に従って必要書類を提出しましょう。
(3)国民年金(または社会保険)に加入する
国民健康保険に加入する人は、国民年金の手続きも必要です。こちらは市区町村の役所ではなく、年金事務所で手続きを行います。パートナーの扶養から外れたことや、氏名・住所の変更などを届け出ます。
勤務先の健康保険に加入する人は、厚生年金への加入手続きも会社がやってくれますので、会社の指示に従って必要書類を提出しましょう。
(4)印鑑登録を変更する
離婚後に旧姓に戻る方は、印鑑登録も旧姓のものに変更しましょう。
姓が変わらない方も、住所が変わる場合は旧住所での印鑑登録を抹消し、新住所で新たに印鑑登録を行う必要があります。
(5)相手方から取得した財産の名義変更をする
財産分与で不動産や自動車、株式などの有価証券などを取得した場合は、ご自身の名義に変更しましょう。
不動産の名義変更には、登録免許税や司法書士費用がそれなりにかかりますので、それらの費用をどちらが負担するかも離婚協議の際に話し合って取り決めておくべきです。
(6)住所・氏名の変更が必要なものは変更する
以上の他にも、離婚後に住所・氏名の変更手続きが必要なものがいろいろとあります。一般的には、以下のものについて変更手続きが必要となります。
ご自身に該当するものをピックアップした上で、集中的に効率よく手続きをするようにしましょう。
運転免許証
パスポート
銀行口座
クレジットカード
携帯電話・スマホ
各種任意保険(生命保険、自動車保険、その他)
児童手当
水道光熱費など公共料金の契約
その他、継続的に料金が必要となる契約
(7)必要に応じて慰謝料等の請求
慰謝料や財産分与を取り決めた場合、相手方がすぐに一括で支払ってくれれば問題ありませんが、なかなか支払ってくれない場合は早めに請求しましょう。
長期間放置すると時効にかかるおそれもありますので、請求しても支払ってくれないときは弁護士に相談することをおすすめします。
4、離婚後やることリスト〜子あり編
子どもがいる場合は、前項「3」のリストに加えて、以下の手続きも必要になります。
(1)児童手当の受取人を変更する
児童手当はひとり親家庭でなくても受け取れるものなので、子どもがいる方のほとんどは2ヶ月に一度受給しているはずです。
ただし、児童手当は世帯主に支給されるものですので、何も手続をしなければ離婚後も元パートナーが受け取り続けることになります。
あなたが子どもの親権者になった場合は、市区町村の役所で児童手当の受取人を変更する手続きをしましょう。
(2)必要に応じて養育費の請求
元パートナーが養育費をスムーズに支払ってくれればよいのですが、途中で支払わなくなるケースも多くあります。
養育費が途絶えると生活に困ったり、子どもの養育に支障をきたすこともあるでしょうから、適切に請求することが大切です。
養育費について取り決めた離婚協議書を公正証書にしている場合は、すぐに相手方の財産を差し押さえることができます。
そうでない場合は、家庭裁判所へ「養育費請求調停」を申し立てる必要があるかもしれません。その場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
(3)各種社会保障制度を申請する
ひとり親家庭が利用できる様々な社会保障制度がありますので、該当するものは漏れなく申請して生活費の足しにしましょう。
離婚後にシングルマザーとなった多くの方が申請できる制度には、以下のものがあります。
①市区町村の役所に申請する制度
児童扶養手当
児童育成手当
ひとり親家庭の住宅手当
ひとり親家族の医療費助成制度
他にも条件次第で申請できる可能性がありますので、役所の窓口で尋ねてみるとよいでしょう。
②年金事務所に申請する制度
国民年金保険料の免除などの制度があります。
③学校(教育委員会)に申請する制度
就学援助などの制度があります。
(4)必要に応じて転校手続き
子どもの転校が必要な場合は、スムーズに通学できるように、早めに転校手続きを済ませておきましょう。
配信: LEGAL MALL