【果物の漢字クイズ】「李」はなんて読む?漢字の由来は?旬の時期や生産地、栄養など…豆情報も!

【果物の漢字クイズ】「李」はなんて読む?漢字の由来は?旬の時期や生産地、栄養など…豆情報も!

スーパーの野菜売り場に行くと、品札に「人参」や「大根」のように漢字で表記されるものや、「もやし」「ねぎ」のようにひらがなで表記されるものが並んでいますよね。こうした「ひらがな野菜」にも実は漢字の表記があったりします。ここではそんな漢字表記の野菜をピックアップ! その野菜の漢字の由来や産地、栄養素なども含めて詳しく紹介します。さて、今回の果物は…。

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果物の漢字クイズ 「李」ってなんて読む?

なんて読む?どんな野菜?

早口言葉でも有名な、あの果物です。



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正解は…

「すもも」でした!

「酸桃」と書くこともあるそうです。

「李」の音読みは「リ」、訓読みは「すもも」。
すももは多くの実をつけます。「李」の字は、「木」の下に「子」と書きますよね。これは、木に実(子)がたくさんなる姿を表しているからなのです。
中国では、すももは子孫繁栄の象徴なのだとか。

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すももには、日本すももと西洋すももの2種類があります。
日本すももの原産地は中国です。日本にも早くに伝わり、『日本書紀』や『万葉集』にも「李」が登場しているのだとか。「須毛毛」と書くこともありました。

なぜ「すもも」なのか、名前の由来には2つの説があります。1つ目は、「酸桃」の字のとおり、酸っぱい桃だから。2つ目は、桃に似て毛がないから。複数の資料にあたってみたところ、1つ目の由来が主流のよう。
「すもも」の由来が酸っぱい桃なら、奈良時代以前に日本にやって来たすももより、桃の方が昔から日本にあったということになりますよね。調べたところ、桃もすももと同じく中国原産で、弥生時代には日本に存在していたそうです。桃、おそるべし。

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今、わたしたちが食べているすももは、確かに甘酸っぱいけれど、名前の由来になるほど酸っぱくはないことがほとんどです。
実は、すももが今のおいしさになったのは明治時代。日本で育てられていたすももをアメリカに輸出、現地で改良して、現在のすももが誕生したのだそうです。それまでは酸っぱくて、食用には向かなかったんですって。そのすももが大正時代に日本に逆輸入されて、今に至ります。中国原産なのに、なぜ「日本」すももなのか。その理由も、日本からアメリカに輸出されたからなのです。

一方、西洋すももの原産地は、カフカス山脈(編集部注:ロシアとジョージア・アゼルバイジャンの国境を走る山脈。コーカサス山脈とも呼ばれる)からカスピ海にかけての地域。花も実も大きくて、ドライフルーツに向いています。
諸説ありますが、日本すももはプラム、西洋すももはプルーンと呼ばれることが多いのだそう。プルーンなら、なんだか馴染みがありますよね。

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また、すももと言えば、早口言葉「すももも ももも もものうち」を思い出しますが…。
桃はバラ科モモ属、李はバラ科サクラ属(スモモ属とも)だそうなので、厳密には「もものうち」ではないのかもしれません。

すももの種類は?

【日本すもも】
・大石早生…甘みと酸味のバランスが良い早生品種。現在、日本でもっとも多く育てられているすももです。名前は育成者の大石さんから。
・ソルダム…日本で2番目に多く育てられている品種で、日本すももと西洋すももの交配種です。明治~大正期にアメリカからやってきました。日持ちのよさが特徴です。
・ケルシー…日本名は甲州大巴旦杏(こうしゅうだいはたんきょう)。かつて日本からアメリカに渡った品種です。今ではあまり流通していません。
・峰満(ほうまん)イエロー…品種登録されておらず、山形県の数軒の農家のみで栽培されている日本すももです。生産量が少ないため入手困難で、幻のプラムと呼ばれています。

【西洋すもも】
・サンプルーン…長野県生まれの西洋すももです。強い甘みと程よい酸味をもっています。日本でもっとも栽培されている品種です。
・オータムクイーン…長野県が7年かけて開発した、果汁が多く糖度が高い新品種です。
・プレジデント…1900年にイギリスで発見されました。西洋すももの旬が終わる頃、最後に出回る品種です。甘みが強く、サイズも鶏卵より大きくなります。

すももの旬はいつ?主な生産地は?

日本すももは6~9月、西洋すももは9~10月に旬を迎えます。
日本すももの主な生産地は山梨県、和歌山県、長野県など。
西洋すももは長野県、北海道、青森県で多く作られています。

おいしいすももの選び方って?

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ふっくらと丸く、ツヤのあるものがおすすめです。
表面についた白い粉(ブルーム)は、新鮮さの証。

すももの保存方法は?

固いものは常温で追熟します。
程よい固さのものは冷蔵庫で保管すると長持ちしますが、熟れたものは早めに食べてくださいね。
食べきれないときは、種をとってから冷凍庫へ。

すももの栄養素って?

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調べてみると、すももには、次のような栄養素が含まれるようです。

・カリウム…ナトリウムの排泄を促します。塩分を摂りすぎた場合に摂取したい栄養素です。
・葉酸…ビタミンB群の1つ。貧血予防に役立つほか、妊娠中の場合は胎児の発育のために大切な栄養素となります。
・リンゴ酸…疲労回復や美肌効果が期待できます。
・クエン酸…疲労回復や肝機能の改善が期待できます。

「酸桃」の名前のとおり、〇〇酸が多く含まれていますね。美容に関心が高い方や、女性におすすめの果物です。

すももの調理のコツ

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すももは皮まで食べられます。ガブッと丸かじりも、果実酒やジャムにするのもおすすめです。
冷凍したすももは半解凍の状態で、シャーベットとして味わってくださいね。
ちなみに上の画像は、ブランデー漬けとジャム。

すももの花って?

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春先に白い花が咲きます。
花言葉は「誤解」など。これは故事成語の「李下に冠を正さず」に由来するそうです。
※李下に冠を正さず…すももの木の下で冠を直す(上に手を挙げる)と、すもも泥棒に間違われてしまうからやめましょう、という意味。賢い人は疑わしいことはしない、と戒める言葉です。


【参考文献】
・「果物ナビ(すもも)」https://www.kudamononavi.com/zukan/plum.htm
・「果物ナビ(プルーン)」https://www.kudamononavi.com/zukan/prune.htm
・「JAグループとれたて大百科(すもも・プラム・プルーン)」https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=86
・「旬の食材百科」https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/index.htm
・「GreenSnap(スモモの花言葉)」https://greensnap.jp/article/8946

・小学館『日本大百科全書』
・小学館『日本語源大辞典』
・東京堂出版『事物起源辞典』
・銀座千疋屋・監修『くらしのくだもの12か月』朝日新聞出版
・井上繁『47都道府県・くだもの百科』丸善出版
・加納善光『動植物の漢字がわかる本』山海堂

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世界が目まぐるしく変わってゆく今だからこそ、自然を身近に感じながら、自分らしく、気持ちよく暮らしたい。『あたらしい日日』は、そんな思いを抱くすべての女性のためのライフスタイルメディアです。「食」や「農」の話題を中心に、“あたらしい暮らし”に合う食べ方、住み方、働き方、遊び方、自分の磨き方…などを提案します。
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