
●乳がんに年齢は関係ない!
今や、日本人女性の16人に1人が、乳がんに苦しんでいると言われているそう。昔は若い人がなるものではないという認識がありました。しかし、今では若い年代での乳がんも珍しいものではなくなっています。
国立がん研究センターが報告している、「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ」というものがあります。簡単に言えば、年齢別の乳がん発症データです。このデータの1985年と2006年を比較すると、40歳ではおよそ2倍に。その他の年代においても、すべての年代で増加しているのです。2011年においては、女性のがん罹患率(りかんりつ)のおよそ20%が乳がんでした。
●そもそも乳がんって?
乳がんという言葉は知っているけれど、詳しくは知らないという人も少なくないでしょう。乳がんには、いくつか種類があります。なかでも多いのは、「乳管がん」と「小葉がん」の2種類。
「乳がん=しこり」と連想する人も多いですが、しこりが見つかる前に乳房周辺のリンパ節や骨や肺、肝臓、脳に転移してからみつかるケースもあるので要注意です。
乳がんが発覚する症状としては、以下の特徴が挙げられます。
□乳がんの3つの症状
・乳房のしこり
・乳房のエクボ(ひきつれ)など、皮膚の変化
・乳房周辺のリンパ節の腫れ
乳がんは、いつ発見できるかが大きなカギ。早期発見でき、適切な処置が行われれば、十分に完治する可能性があります。
●乳がんセルフチェック5つのポイント
乳がんは、体の表面に近い場所に発生するのだそう。よって、自分で発見できる可能性が高いと言われています。実際、乳がんの60%以上はセルフチェックで発見されているのだとか。
□乳がんセルフチェックのポイント
乳房や周辺を触診して、以下のような症状がないか確認してください。
・変形、左右での差
・しこり、こぶ
・出血や異常な分泌物(血が混ざったものなど)
・ただれ
・ひきつれ
これらの項目のうち、該当するものがある場合は、念のため一度受診したほうがよさそう。
生理がある人は、乳腺が張っている排卵後から生理前を避け、生理になって7~10日以内の乳房が柔らかくなっている状態で行うのがベスト。閉経している人は、ホルモンの大きな変化がないので、月に1回チェックする日付を決めるのがいいそうです。
●お風呂でセルフチェック
乳がんのセルフチェックは、服を着ている状態よりも、裸の状態でやるほうが、当然変化に気づきやすくなります。しかし、わざわざ服を脱ぐのは面倒。お風呂に入るついでにやると、いいかもしれません。入浴前と、入浴中にできるセルフチェックを紹介します。
□入浴前
1)両腕を下げたまま、乳房や乳頭を観察
2)両腕を高く上げ、正面・側面・斜めから乳房を観察
3)乳頭を軽くつまみ、分泌物の確認
□入浴中
1)片腕を上げ、もう片方の手で乳房の表面に渦巻きを描くようにしながら、しこりやこぶを確認
2)指先を揃えて、わきの下に差し入れ、リンパ節が腫れていないか確認
入浴中にできるセルフチェックは、手に石鹸をつけてやると◎。皮膚の変化やリンパの腫れに敏感になりますよ。
「がん家系」と言われるように、遺伝的な要因でがんを発症することがあります。しかし今や、がんは誰でもなり得る病気です。少しでも「おかしいな…」と感じたら、ぜひ早めの受診をしてください。
(文・明日陽樹/考務店)