【プロが教える】漆喰の壁をおしゃれに取り入れる方法!珪藻土との比較も!徹底解説

【プロが教える】漆喰の壁をおしゃれに取り入れる方法!珪藻土との比較も!徹底解説

※本記事の家具・コーディネートなどの画像を確認したい場合は、Hello Interiorホームページにてご確認ください。

素朴な質感と光に照らされたときの陰影が魅力的な漆喰壁。ナチュラルな素材感がお好みの方にはぴったりの壁材です。自然素材の家づくりによく使われているイメージですが、漆喰壁の原料は、実は学校のグラウンドで使われる白線の粉と同じものということをご存じでしょうか。

また、漆喰は古くから建築物に使われており、日本のお城や蔵などの壁にも多く使われてきました。日本だけではなく、世界的にも漆喰はたくさん用いられています。

たしかにお城をはじめ、歴史的建造物の壁は白い壁が多い印象がありますね。もちろん、すべての古い建物に漆喰が使われているわけではありませんが、自然界で手に入れることが可能な原料であるため、古くから使われることが多かったといえます。

今回は、馴染み深い漆喰壁の特徴やメリット・デメリット、おしゃれな漆喰壁の実例などをたっぷりとご紹介します。クロス壁とはまた違う、素材感のある住まいをご検討中の方はぜひ参考にしてください。

プロが教える!漆喰の壁をおしゃれに取り入れる方法!

独特の風合いが魅力の漆喰壁を、おしゃれに取り入れるためのポイントをまとめました。漆喰壁の特徴など、基本的な部分も押さえておきましょう。

そもそも漆喰とは?

漆喰壁の原料は、消石灰(水酸化カルシウム)といって石灰岩を焼いて水を加えたものです。元々の粉上のものは、真っ白でサラサラしています。ちょうど片栗粉と質感が似ています。学校のグラウンドで使われる白線の粉を、みなさん一度は目にしたことがあるでしょう。あの粉も同じ原料から出来ています。

消石灰に糊や麻すさなどを混ぜることで、住まいなどに使われる滑らかな質感の漆喰が作られます。

改めて漆喰の壁のメリット / デメリットを整理します

漆喰壁は調湿機能があり、湿気の多いときは余分な水分を吸収し、乾燥時期には水分を放出してくれる役目をしてくれます。そのため、年間を通して快適な住環境でいられるのが大きなメリットの一つです。

また、防火性に優れていることも特徴です。昔の建物の蔵やお城などに漆喰が使われることが多いのも防火性が考えられています。

ただし、漆喰は施工面での注意点があります。下地の施工状況などになどによってはひび割れが起こる可能性があります。地震や強風などで建物が揺れることでもひび割れすることがあり、住まいに取り入れるときには、素材の特徴として理解しておくことが大切です。

漆喰壁をおしゃれに取り入れるポイント1:立体感あるカタチを取り入れる

どのような形状にも対応できるのが漆喰壁の特徴でもあります。アーチのように曲線の形を仕上げるのは、クロスではなかなか対応できないものです。開口部の角に少し丸みを持たせたり、厚みのある仕上げにしたり、漆喰壁ならではのデザインを取り入れると、よりオリジナリティのある洗練された空間になります。

漆喰壁をおしゃれに取り入れるポイント2:塗りパターンで空間を表現する

漆喰壁は自由に塗りパターンをつくることができます。大きく波が重なるようなパターンなら、アンティークやレトロな雰囲気が強調されますし、あまりパターンをつけずにシンプルな塗り方なら、ナチュラル系やモダンな雰囲気にもなります。塗り方のパターンでお部屋の印象も変わりますので、お好みの塗り方でイメージに合う空間をつくりましょう。

漆喰壁をおしゃれに取り入れるポイント3:家具で好みのスタイルをつくる

漆喰の色にバリエーションはありますが、基本の色は「白」です。素朴な風合いを生かすには、同じ自然素材である無垢材を内装に使ったり、テーブルやチェアなどの家具も無垢材を採用したりすると、質感や風合いに統一感が出て雰囲気のある空間がつくりやすくなります。また、内装材と家具の色を同色にすることで、まとまりのあるお部屋が演出できます。

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。

漆喰の壁の価格は?一般的な壁紙仕上げと比較して解説

内装を漆喰壁にするときの費用は、1㎡あたり4,000~8,000円が相場になります。新築かリフォームかなど下地の状態でも費用は異なりますが、一般的な内装材であるクロス壁が、1㎡あたり1,000~1,500円が相場となりますので、クロス壁よりは割高になるでしょう。

漆喰と珪藻土どちらが良い?

漆喰とよく比較される素材に珪藻土があります。「どちらがよいの?」と迷われる方も少ないでしょう。漆喰も珪藻土も、調湿作用や消臭作用など機能面では似ています。

大きな違いとしては、素材が「固まるか、固まらないか」にあります。漆喰は、素材の特徴から自ら固まることで強度が増していきます。昔の「蔵」や「お城」の外部の壁素材として使われるのは、この強度と防水性が高いためです。珪藻土は基本的に耐水性があまり高くないため、外壁の素材には向いていません。

強度や耐水性の高さを考えると、水回りにも採用できるなど漆喰の方が使う場所に幅があるといえるでしょう。

ただし、珪藻土の方が色のバリエーションや仕上パターンが多く揃います。どんなイメージのインテリアにしたいかによって、使う素材を検討することをおすすめします。

漆喰の壁は穴あけしても大丈夫?補修方法は?

漆喰の壁に時計や絵を飾りたい場合、ピンで穴をあけることは可能です。しかし、一度あいた穴を消すには、場合によっては塗り直しが必要なこともあるため、慎重に決めましょう。絵画やオブジェなどは、ピクチャーレールを使い吊るす形にすると、交換する際にも穴をあけずに済みます。

もし、壁に直接取り付ける場合は、出来るだけビスなどの大きな穴をあけずに、石膏ボード用のピンを用いた金具で、穴を最小に留めておくのがおすすめです。

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

漆喰の基本色は「白」ですが、顔料を加えることによりベージュやピンクなど淡い色のバリエーションも楽しめます。ただし、塗り直しなど部分的な補修が必要になった場合、「白」以外で仕上げていると、なかなか同じ色に馴染むことが難しく「色違い」に見える可能性があります。

全く同じ色で塗り直しても、塗った時期が違うと乾く速度が異なるため同じ色合いになるまで時間がかかるのです。「白」以外の場合、その色の違いがより目立ってしまうため、色選びをするときは、子供部屋など将来的に補修になりそうな部屋かどうかを判断して決めましょう。

おしゃれな漆喰の壁のコーディネート実例11選!

ここからは、漆喰壁を採用した素敵なお部屋のコーディネート実例をご紹介していきます。

漆喰の壁×ナチュラルスタイル 4選

無垢材の造作家具でナチュラルな雰囲気が増すキッチン

無垢材は漆喰壁と相性抜群です。自然素材の素朴な風合いが感じられて、ナチュラル感たっぷりのキッチンまわりですね。アーチ型の開口部も漆喰壁ならではのデザインです。

落ち着いた色調で大人のナチュラルスタイルに

壁や床の色をグレイッシュな色調にまとめられた空間。シンプルなインテリアアイテムを使いながらも、真鍮やアイアンなどの素材感が引き立っています。漆喰のマットな質感も魅力的です。

清涼感が漂う自然素材の家

無垢の床や天井の板張り、壁はシンプルな白の漆喰と鉄板の自然素材の家です。たくさんの色を使わなくても、素材そのものが醸し出す空気感が伝わります。清涼感あふれるここちよさが感じられる空間です。

壁の表情がレトロな雰囲気を醸す

少しラフな漆喰壁の表情が、古びのあるレトロな雰囲気を演出しています。素朴な家具との相性ともマッチしていますね。自然光に照らされて浮き出てくる印影が素敵です。

漆喰の壁×モダンスタイル 3選

白×ブラウンのコントラストが大人の雰囲気

装飾的な造作を抑えて、シンプルな壁の面だけでデザインされたLDK。伸びやかな吹き抜けと照明で光と影が美しい空間です。しっとりとしたマットな雰囲気が感じられるのは漆喰壁の素材感ならでは。

白壁の空間をグレーのアクセントで引き締める

窓周りなどの枠材を極力小さくして、白い壁が引き立つように演出されたダイニング。漆喰壁の一部に貼られた濃灰のアクセント壁が空間を引き締めモダンな雰囲気を醸します。

シンプルなインテリア家具に白い壁が映える

大きな窓からの見晴らしを生かす、シンプルなリビング空間。控えめなインテリアアイテムと漆喰壁が上質な空間を演出します。天井のダウンライトも印象をなくすように工夫されたすっきりとモダンな空間です。

漆喰の壁×西洋スタイル 4選

塗りパターンの素朴な風合いで洋館の雰囲気に

表情豊かな漆喰壁が、素朴な洋館をイメージさせる空間。ラフに仕上げられたニッチも古びの雰囲気がよく出ています。腰壁との相性も良いですね。

経年美が楽しめるインテリア

床も壁もホワイトカラーで統一し、素朴な雰囲気に。荒く仕上げた漆喰壁やアーチの開口部がヨーロッパの田舎家を思わせます。経年変化も楽しめる住まいです。

ホワイト×グレーで清楚なフレンチスタイルに

漆喰壁と同じく床もほんのり薄化粧のようにホワイト塗装をして、全体を清楚な印象にまとめています。キッチンには濃いグレーの扉で引き締め効果を演出。扉の取っ手もユニークで一つ一つのインテリアアイテムにこだわりを感じます。漆喰とヨーロピアンスタイルはとても似合いますね。

ステンドガラスが映える白い空間

漆喰壁に透明なステンドガラスをはめ込み、リビング空間とをさりげなく間仕切りながら、デザインアクセントにもなっています。ダイニングとキッチンの床は色幅のあるタイルでリズミカルな印象に。漆喰との質感も相性抜群です。

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