全国の「お雑煮」大集合!関東&関西の簡単レシピも

全国の「お雑煮」大集合!関東&関西の簡単レシピも

お正月料理といえば、おせち料理とお雑煮ですね。わが家はお雑煮が大好きで、毎年「焼いた角餅とすまし汁の関東風雑煮」と「ゆでた丸餅と白味噌仕立ての関西風雑煮」を作ります。
先日、娘たちが『おぞうにくらべ』(※1)という本を読み、地域や家庭によってさまざまな種類のお雑煮があると知り、とてもびっくりしていました。
そこで今回は、関東と関西のお雑煮のレシピと全国の珍しいお雑煮6点を紹介します。

■「おぞうにくらべ」 宮野 聡子(著)/講談社

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お雑煮とは
お正月の風物詩でもあるお雑煮。起源は諸説あり、室町時代の京都が発祥という説が有力です。はじめのころは、お正月に限らず上級武家の婚礼の席などで酒の肴として供されていました。
お正月をお雑煮で祝う行為は、1700年代後半から1800年代初めの間に普及していったといわれています。京都では昆布だしの白味噌仕立てでしたが、やがて、いりこ、かつお節、しょうゆ仕立てのすまし汁など風味豊かなさまざまなお雑煮が全国各地に広がってきました。
かつては元旦の朝、井戸からくんだ新しい水、その年の最初の聖なる火で煮たお雑煮をいただき、一年の無病息災や家内安全を願っていました。
現代では若水をくみ、火を起こすことは少なくなったでしょうが、お雑煮をいただきながら家族の多幸を願う思いには昔も今も変わりありません。
また具材には地場の産物をふんだんに使い、地産地消の郷土料理として今もしっかり受け継がれています(※2)。

お雑煮の種類は100を超えるほど多様!
作り方や具材の違いなどを細かな特徴にまで注目すると、さらに種類は増え、集落の数だけお雑煮の種類があるといわれています。特徴的な地域を紹介すると、北海道は明治時代に開拓使が置かれ、全国から人々が集まった影響で多種多様なお雑煮が食べられています。また鹿児島の一部では、お雑煮に入れる餅の形については角と丸が混在しています。なお沖縄では、古来からお雑煮を食べる習慣がなかったとか(※3)。

続いて、わが家のおすすめ関東風雑煮と関西風雑煮の簡単なレシピを紹介します。

焼いた角餅とすまし汁の「関東風雑煮」

【材料】(4人分)
鶏もも肉 200g
ニンジン 20g
ダイコン 30g
ゆでた小松菜 20g
干しシイタケ 2枚
ミツバ 4枚
角餅 4個

水(干しシイタケの戻し汁) 500ml
酒 大さじ1杯
しょうゆ 大さじ2杯

【準備】
干しシイタケは一晩水に入れて戻しておく
角餅はタイミングをみて、トースターで焼く

【作り方】
1. ニンジン、ダイコンはいちょう切り、小松菜は4cm、鶏もも肉はひと口大に切り、干しシイタケは水を切りキッチンハサミで切り込みをいれる
2. 水(干しシイタケの戻し汁)と酒にニンジン、ダイコン、鶏もも肉を入れて中火で煮る
3. ニンジン、ダイコン、鶏もも肉に火がとおったら、小松菜と干しシイタケを入れてひと煮立ちさせる
4. しょうゆで味をつける
5. 椀に焼いた餅を置き、具材とダシ汁を注いで、ミツバを飾ってできあがり

ゆでた丸餅と白味噌仕立ての汁の「関西風雑煮」

【材料】(4人分)
ニンジン 20g
ダイコン 30g
ミツバ 4枚
ユズ 少々
丸餅 4個

水 500ml
昆布 5g
白味噌 30g前後

【準備】
昆布を水に一晩浸けて、ダシを取り、昆布は取り出しておく
丸餅はタイミングを見てゆでる(ゆで時間はパッケージを参照)

【作り方】
1. ニンジンは2~3mmの輪切りにして梅の型で抜く、ダイコンは厚さ2~3mmの輪切り、ユズは細切りにする
2. ダシ、ニンジン、ダイコンを入れて野菜が柔らかくなるまで煮る。白味噌を溶く
3. 椀に味噌汁、ダイコン、丸餅、ニンジンを入れ、ミツバ、ユズを飾ってできあがり

今回お雑煮に使った具材の縁起担ぎ
・餅:良く伸びるので「長く生きる」
・青菜と鶏:「名取り」を意味し、敵に勝って名(菜)をあげる
・丸い形:丸餅、ダイコンの「丸さ」は家庭円満、物事を丸く収める
・梅:お祝い事の松竹梅、また梅は寒さが残る春に花が咲き「春の訪れ」を知らせる

ほかにもたくさんの意味や由来があるので、お正月に家族で話したり調べたりすると楽しいのではないでしょうか。

全国の珍しいお雑煮6種
今回は各地のお雑煮の中から珍しい6種類を紹介します。

岩手県 宮古くるみ雑煮

煮干しのだし汁に焼いた角餅を入れたお雑煮。
具だくさんで、鶏もも肉、高野豆腐、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、いくらなどを使用。岩手県の宮古地域では、お雑煮の餅を取り出して、甘いくるみだれにつけて食べる習慣もあります(※3)。

宮城県 仙台雑煮

江戸時代末期から食されている仙台雑煮。
椀からはみ出すほどに大きな焼きハゼとハラコ(イクラ)、仙台せり、引き菜の彩りが美しいハレの日の食事。
大根、人参、ごぼうを細切りにしてさっと湯通しした「おひきな」は、1食分に分けて外気にさらして凍らせます。こうすることで、より味が沁みやすくなるそう(温暖化の近年では、冷凍庫で凍らせるのが主流)。餅が見えなくなるほどの具材で覆うのが一般的です(※4)。

千葉県 はば雑煮

はば(波葉)は房総産の海藻でうすい塩味があり浅草海苔とは違った独特な味があります。
「はばをかけたお雑煮でないと正月のような気がしない」「誰はばからず食べたい」などと言われているほどで、遠く故郷をはなれた人たちの哀愁を呼ぶ食べ物です(※5、6)。

広島県 かき雑煮

かき雑煮は、煮干し、昆布、かつおだしのすまし汁に、かき、ぶり、野菜を入れたお雑煮。味噌仕立てもあります。
ぶりは脂が強く日持ちがするため、年末年始に一尾さばいて刺身にし、その残りをお雑煮にする習慣があったそう。広島湾沿岸部では塩ぶりを入れずに、瀬戸内海でとれた穴子や牡蠣を入れます。
かきは「賀来」として、「福をかき取る、かき寄せる」縁起物とされました(※7)。

鳥取県 小豆雑煮

別の鍋で煮た丸餅を、甘い小豆汁に入れたもの。
一般的なぜんざいに近いものですが、山陰地方ではこれがお雑煮です。小豆の赤色には邪気を払う力があり、縁起が良いとされています(※3)。

香川県 白味噌あん餅雑煮

いりこのだし汁であん餅を煮て、白味噌で仕立てたもの。
具材は里芋、金時にんじん、大根など。あん餅から小豆あんが溶け出して、独特のおいしさに。かつての高松藩の特産品で管理が厳しかった砂糖の「和三盆」を、庶民が役人にばれないようにあんこに練り込み、餅の中に隠して食べたのが由来といわれています(※3)。

さまざまな種類のあり、知るごとにどれも味わいたくなるお雑煮。気になるお雑煮があったらぜひ作ってみてください。
みなさまがより良い一年を過ごせますように!

※1:「おぞうにくらべ」
※2:農林水産省:ハレの日の料理「お雑煮」食材のあれこれ
※3:農林水産省:全国のいろいろな雑煮
※4:農林水産省:うちの郷土料理:宮城県
※5:農林水産省:うちの郷土料理:千葉県
※6:千葉県
※7:農林水産省:うちの郷土料理:広島県

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