夏休み前に確認したい親子の約束事

第3回 約束を守れない子ども、どうしたらいい?
まもなく訪れる夏休み。仕事をしているお母さんにとっては特に頭痛の種だけど、安全のためにも子どもとどんな約束をしておくべき?

「一番大切なことは、安全面での約束です」と言うのは、マザーネット代表取締役の上田理恵子さん。

「まずは防犯上の注意として、家に入るときには左右や後ろをよく確認してからにすること。『怪しい人について行かない』というのも、子どもは『怪しい人=怖い顔をしている人』と思い込みがちですが、そうとは限らないことを親子で確認しておきたいですね」(上田さん 以下同)

また、外出時の約束も忘れずにしておきたい。

「出かけるときには、行き先と時間を黒板やメモに書いていくこと。帰宅時間はあらかじめ決めておきたいですね」

小さな子の場合は、外出時に「テレビを切る」「エアコンを切る」といった小さなことも、チェックすれば良いだけのチェックリストを用意してあげると良いそう。

また、自分で自分を管理することは難しいため、「夏休みノート」を作り、宿題の時間なども含めて毎日何時に何をしたかを書いていくのもオススメだという。

ノートと麦わら帽子

●罰金貯金箱も意外と効果的

ところで、約束を決めるまでは良くても、どのようにすれば子どもがきちんと守ってくれるのだろうか。

「ルールを決めたら、子ども自身にそれを紙に書いてもらい、目につくところに貼っておくと良いですよ」

さらに、意外と効果的なのが「罰金貯金箱」だ。

「自分自身が痛くないと、子どもには重要性がわからないということもあります。ですから、例えばエアコンやテレビをつけっぱなしで外出したら、罰金10円。帰宅時間を守らなかったら10円などとしてみると良いでしょう」

たとえ10円でも、自分自身が痛みを感じると、子どもはすぐに気をつけるようになることが多いとか。

また、「なぜ帰宅時間を守らないといけないのか→夜遅くなることの危険性をきちんと話す」「なぜ電気をつけっぱなしにしたらいけないのか→1カ月の電気料金がどれだけかかっているのかを教える」など、約束の理由づけとして学習要素も入れてみるのも効果があるそう。

いずれにしろ、大切なのは、最初からルールをたくさん作りすぎないこと。特に小さな子の場合は、まず3つ程度にし、それができたら徐々に増やしていくといったかたちで「約束の大切さ」を理解させるようにしたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

上田理恵子
上田理恵子
株式会社マザーネット 代表取締役
2001年創業。家庭に「ケアリスト」と呼ばれるスタッフを派遣し、家事・育児の細かいニーズに応えるサービスを開始。著書に『働くママに効く心のビタミン』(日経BP社)がある。
2001年創業。家庭に「ケアリスト」と呼ばれるスタッフを派遣し、家事・育児の細かいニーズに応えるサービスを開始。著書に『働くママに効く心のビタミン』(日経BP社)がある。