常備菜作りは、一気にではなくキッチンに立った時にできることを
『常備菜』の本を出したのは娘が4歳の頃。週末に一気に常備菜をつくっておかないと、てんてこまいな日々でした。いまは、娘も成長して生活スタイルが変わったこともあり、常備菜をつくるのは朝食やお弁当作り、夕飯の前後などキッチンに立った時。半端な野菜が出たらきざんでひと塩ふっておく、時間があれば炒める、ゆでるなど、できる限りのことをしています。
また、野菜を買ってきたら、そのまま冷蔵庫にしまわず、少しだけ下ごしらえをしておくと、食事作りがぐんとラクになります。気持ちに余裕もできるし、無駄な買い物も減りますよ。お弁当生活は続いているので、「常備菜があってよかった!」と思うことは毎日(笑)。やっぱり常備菜があると便利ですよね。
「しいたけの塩焼き」は、中火で焼いて、水滴が出てきたら塩をパラッとふりかけて。
先日、地元のスーパーに取材に行く機会があり、店長さんの説明を聞きながら巡ったんです。いつも通っているのに、知らない商品がたくさんあって驚きました。行き慣れたスーパーも、いま一度見直してみることで、これまで使っていた調味料より自分に合うものが見つかるかもしれません。買ってはみたものの好みの味ではなかったということもありますよね。そんな時私は、漬物をつけたり、ニンニクじょうゆや、しょうゆ漬けのしょうがをつくったりしています。
どんなに一生懸命料理をしても、好きな味の調味料を使わないと、おいしく仕上がらないものです。塩、しょうゆ、みそ、それぞれ好みの味を見つけることが、おいしい料理をつくる基本かもしれないですね。
〈プロフィル〉
ひだ・かずお 料理家。誰でもおいしくつくれる素材を生かしたシンプルなレシピが、幅広い世代から支持されている。味つけのベースは、生まれ育った東京や高校3年間を過ごした長野の味。現在は夫、娘と湘南で暮らし、地元の食材を各地で出会ったお気に入りの調味料を使って料理する毎日。2011年刊行のロングセラー『常備菜』(主婦と生活社)をはじめ、著書は100冊以上。Instagram @hida_kazuo
『塩、しょうゆ、みそで飛田式おかず』
飛田和緒著/西東社
定価:1430円(税込)
◇百菜元気新聞の2022年11月1日号の記事を転載しました。
配信: たべぷろ
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