季節や自然から子どもは学ぶもの。そこで大人が知っておきたい72候とは

1月の72候

24節気での1月は前半が厳しい寒さが訪れる前の「小寒」、後半は寒さ本番の「大寒」です。72候ではどんなふうに表現されているのでしょう。

小寒(しょうかん)

初候 1月5〜9日ごろ 芹栄う(せりさかう)
春の七草のひとつ、せりが育つころ。七草とはせり、なずな、ごぎょう、はこべら、すずな、すずしろ、ほとけのざ。1月7日に1年の健康を祝って七草粥をいただきます。次候 1月10〜14日ごろ 水泉動く(すいせんうごく)
地中で凍っていた泉が動き始める頃。さらに寒さが厳しくなる時期に、昔の人は春に向かう自然の変化を捉えていたのですね。末候 1月15〜19日ごろ 雉始雊(きじはじめてなく)
雄のきじが求愛の鳴き声をあげる時期。春が近づいている合図です。大寒(だいかん)

初候 1月20〜24日ごろ 款冬華く(ふきのとうはなさく)
雪が残る地面からふきの花が顔を覗かせると、待ち焦がれた春の訪れです。次候 1月25〜29日ごろ 水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし)
沢の水は厚く凍っている時期。寒さが一段と厳しくなる頃ですが、日が少しずつ長くなりわずかに暖かさも増していきます。末候 1月30日〜2月3日ごろ 鶏始乳(にわとりはじめてにゅうす)
春の訪れを感じて、にわとりが卵を産み始める時期です。

*新暦の日付は年によって1日ずれる場合があるので「ごろ」と記載しています。

季節や自然を伝えるきっかけに

表現力豊かに語られる72候は、昔の景色を想像させる力があります。今でも、自然の多い地域や公園の片隅などでも同じ風景が見られるかもしれません。そんな場面を探しながら散歩をしてみるのもロマンがあっていいと思います。

感受性豊かな子どもには、たまに昔のことを話して聞かせてあげるのもいいですね。私の勤務園では毎月、その月の代表的な植物や風景を写真を使って子どもたちに紹介しています。折り紙や切り絵の教材も、季節ごとに入れ替えて季節感を感じてもらえるように工夫をしています。


公園で木の実を集めるのも、季節を感じて良いですね。

日本人らしい季節の感じ方や文化について、子どもたちに伝えるきっかけとして、ぜひ72候を活用してみてください。

<ライター/堀田はるな>

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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