首すわりの意味と完了する時期の目安
そもそも、首すわりとはどのような状態を表した言葉なのでしょうか?首すわりの意味を、完了する時期の目安と併せて解説します。
支えなくても首がぐらぐらしない状態
生まれたばかりの赤ちゃんは、手で支えていないと首がぐらぐらと傾いてしまうのが特徴です。縦抱きにすると首が傾くため、赤ちゃんを横にした状態で抱っこするのが一般的です。
赤ちゃんの首すわりが完了すると、頭を自由に動かせるようになります。縦抱きにした状態で頭が傾かないかを見て、赤ちゃんの首すわりを判断します。
また、赤ちゃんをあおむけにした状態で両手を持ち、ゆっくりと引き起こした際に、首が前後に倒れない場合は首がすわったと判断できるでしょう。
そのほか、赤ちゃんをうつぶせにして、自分で頭を持ち上げられるかをチェックして首すわりを確かめる方法もあります。
参考:4 一般調査による乳幼児の運動・言語機能について|II調査結果の概要|厚生労働省
参考:No.180 首のすわり - 関野小児科内科クリニック 神奈川県秦野市 秦野駅南口徒歩5分
首すわりが完了するのは生後4~5カ月ごろ
厚生労働省の調査によると、大半の赤ちゃんが首すわりを完了する時期は、生後4~5カ月ごろです。
この首すわりは、寝返り・おすわり・はいはい・つかまり立ちといった成長に向けた第一歩です。そのため、生後3~4カ月ごろに住所地のある自治体で行われる健診では、担当の医師が赤ちゃんの首すわりをていねいに確認します。
とはいえ、首すわりが完了する時期には個人差があります。焦らずに赤ちゃんの成長を見守りましょう。
参考:4 一般調査による乳幼児の運動・言語機能について|II調査結果の概要|厚生労働省
参考:4ヶ月。首がすわらず、うつぶせで頭もあげられません。 -4ヶ月になる- 妊活 | 教えて!goo
赤ちゃんの首すわり前の注意点は?
出産を終えたばかりで、首がすわっていない赤ちゃんの接し方が分からない人も多いのではないでしょうか?首がすわる前の赤ちゃんと接する際の注意点を紹介します。
縦抱きをする場合は首と体を支える
首がすわっていない赤ちゃんでも、母乳・ミルクを飲んだ後には、縦抱きにしてゲップをさせるように指導されるのが一般的です。首を支えないままで赤ちゃんを縦抱きにすると、頭が前後左右に倒れて負担がかかってしまい危険なので、控えましょう。
赤ちゃんを縦向きに抱っこする際は、横抱きの状態で大人の腕を傾けるのがポイントです。具体的には赤ちゃんのお尻・首を支えて横抱きをしたまま、腕の向きを縦に変えていきます。
それでも首のぐらつきが心配なときには、大人の胸に赤ちゃんを引き寄せるよう抱く方法もあります。
赤ちゃんへの負担が少ない抱っこ紐を選ぶ
きょうだいの送迎などで、やむを得ず生まれたばかりの赤ちゃんを連れて外出しなければならないケースも考えられます。赤ちゃんとの外出に役立つ抱っこ紐には、負担がかかりにくいよう適応年齢が示されているのが基本です。
抱っこ紐を使う前は、適応年齢に該当するかを確認し、長時間の利用を避けるのが大切です。赤ちゃんの体を安定させやすいインサートがついた抱っこ紐は、首のすわっていない赤ちゃんでも使えます。
たとえ首部分にクッションがある抱っこ紐でも、縦向きの状態でいるのは少なからず赤ちゃんに負担がかかります。横抱きに対応した抱っこ紐を選んでおくと、外出の際に赤ちゃんにかかる負担を軽減できるでしょう。
赤ちゃんの首すわりを促すポイント
なかなか首がすわらない赤ちゃんを目の前に、途方に暮れている人もいるのではないでしょうか。赤ちゃんの首すわりを促すために、日常の生活で心がけるポイントを紹介します。
うつぶせで過ごす時間を増やす
赤ちゃんがうつぶせで過ごす時間を増やし、顔を上げざるを得ない場面を意識的につくる方法があります。うつぶせになった状態から顔を上げる行動を通して、首の後ろにある筋肉を鍛えられます。
ただし、赤ちゃんをうつぶせにするときには、必ず親が見守るようにしましょう。また、寝ている赤ちゃんをうつぶせにするのは、窒息などの事故につながる恐れがあるので厳禁です。
赤ちゃんが嫌がらない程度にうつぶせで過ごす機会を増やすことは、首すわりを促すとされています。
体を支えながら前向きに抱っこする
首すわりを促すためには、あえて赤ちゃんが正面を向くように抱っこするのもひとつの方法です。前向きに抱っこする際は、片方の手で赤ちゃんのお尻を、もう一方の手で胸を支えるのがポイントです。
首のぐらつきが心配な場合には、前向きにした状態で赤ちゃんの頭・体を親の胸にぴったりとつける方法もあります。赤ちゃんの体が安定してきたら、親の体を前に傾けて頭を離して首すわりを促しましょう。
首がすわった赤ちゃんへの配慮もチェック
赤ちゃんの首がすわると、親の負担は大きく軽減され、接し方が変わるのも事実です。ただし、首がすわった赤ちゃんを接する際にも、意識したい注意点があります。
しばらくは頭を支えた縦抱きを心がけて
前提として、赤ちゃんの首すわりが完了するまでには時間がかかります。さらに、調子のよい・悪いといったタイミングによっても、首すわりの状態は左右される点にも注意が必要です。
例えば、縦抱きが安定してきたように感じた赤ちゃんの首が、翌日にはぐらつくケースも珍しくありません。
完全ではない可能性を考慮し、首のすわった赤ちゃんでも当面は、縦抱きをする際には頭を支えるようにしましょう。おんぶをする際は、頭を支えた状態で縦抱きにし、赤ちゃんの首がぐらつかないことを確認した時点で、背中に移動させる方法もあります。
「たかいたかい」は控えよう
赤ちゃんの両脇に手を入れ、高い位置に持ち上げる「たかいたかい」にも注意が必要です。
赤ちゃんが喜ぶからといって、はやいスピードで、たかいたかいを繰り返したり、高い位置で手を離したりするのはやめましょう。スリルのあるたかいたかいは、衝撃が強い上に、赤ちゃんの体を大きく揺さぶります。
赤ちゃんを軽く持ち上げる程度のたかいたかいであっても、振動は少ないものの落下する恐れがあります。赤ちゃんの安全を考慮し、たかいたかいとは違う方法であやすのがおすすめです。
首すわりに関するQ&A
初めて出産した人にとって、赤ちゃんの首すわりは未知の領域でしょう。首すわりにまつわる悩みをピックアップし、Q&A形式で解説します。
首すわりが遅いと発達に問題がある?
結論からいうと、首すわりが遅いからといって、必ずしも発達に問題があるとは限りません。発達の度合いは、親の関わり方を含めた環境にも左右されるからです。
例えば、適度にうつぶせ状態で遊んでいた赤ちゃんと、あおむけで寝かされていた赤ちゃんでは、首すわりの時期が異なることがあります。あおむけに寝かされていると、頭を持ち上げるという経験がなく、首すわりも遅れる傾向にあるといわれているのです。
ただし、生後5カ月ごろを過ぎても首がすわらない場合は、不安を解消するためにも、かかりつけ医の受診がおすすめです。そのほか、うつぶせにした際にまったく頭が上がらない場合にも、はやめにかかりつけ医に相談しましょう。
参考:首のすわりが遅い [子育てQ&A]/京都府ホームページ
首がすわったらおんぶをしても大丈夫?
基本的には、首がしっかりとすわっているのなら、おんぶをしても問題ないとされています。おんぶをする際は、落下の恐れを考慮し、月齢に合った抱っこ紐を使用するのが大切です。
さらに、抱っこと違っておんぶは、赤ちゃんの様子を確認しにくいのが難点です。とくに調理中におんぶする場合は、赤ちゃんの手が届きそうな場所にキッチンバサミなどの危険な器具がないかを確認する必要があります。
ときどき鏡などを使って赤ちゃんの様子を確認し、負担を軽減するためにも長時間のおんぶは控えましょう。
まとめ
成長に向けたスタートともいえる赤ちゃんの首すわりとは、頭が前後左右にぐらぐらせず、自由に動かせる状態のことを指します。
大半の赤ちゃんの首すわりが完了するのは、生後4~5カ月ごろです。首すわりを促す方法としては、うつぶせにする時間を増やしたり、前向きに抱っこしたりするのが効果的です。
首がすわってからも、しばらくは頭に手を添えた縦抱きを心がけ、落下の危険性がある「たかいたかい」は控えましょう。首すわりには親の関わり方を含めた個人差があるので、起きているときにうつぶせにしてみたり、縦抱きを取り入れてみたりするのもおすすめです。