「おからは栄養がない」はウソ!実はスゴイ栄養や効能、メニューも紹介【管理栄養士監修】

「おからは栄養がない」はウソ!実はスゴイ栄養や効能、メニューも紹介【管理栄養士監修】

大豆の絞りカスであるおからには「栄養がない」と思う方もいるかもしれません。

でも実は、健康づくりだけでなくダイエットにも役立つ栄養がさまざま含まれていることをご存じですか?

今回の記事では「おからの栄養」について、管理栄養士が解説します。

おいしく取り入れられるおすすめメニューも紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「おからは栄養がない」はウソ!実はスゴイおからの栄養

おからは栄養がないイメージを持つ方もいるかもしれませんが、それはウソです。

おからはカリウムやカルシウム、鉄、食物繊維などの栄養素をはじめ、イソフラボンやサポニンなど、注目すべき成分も含まれています。

特に食物繊維の含有量は豆腐や豆乳より優れており、便秘対策をしたい方やダイエット中の方におすすめです。

おから100gあたりの栄養成分値は、下記のとおりです。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

また、おからの栄養素や成分には、下記の効能が期待されています。

これらの効能について、さらに詳しく見てみましょう。

むくみ解消・高血圧予防「カリウム」

おからはカリウムを含み、むくみの解消や高血圧の予防に役立ちます。

カリウムは余分なナトリウム(塩分)とともに水分を排出する、いわゆる利尿作用があります。

これによりむくみを解消したり、血圧を下げてくれたりするのです。

食事が偏りがちな方は不足しやすいため、積極的に取り入れましょう。

骨の健康づくり「カルシウム」

おからからカルシウムを摂ることで、骨の健康づくりに役立ちます。

成長期の子どもはもちろん、骨粗しょう症を予防したい大人や高齢者まで、幅広い年代で取り入れた栄養素です。

貧血予防「鉄」

鉄は鉄欠乏性貧血の予防に欠かせません。

鉄が不足して貧血の状態になると、全身に酸素をうまく運べなくなるため、疲れやすさや倦怠感、めまいなどの症状のほかに、スポーツのパフォーマンスを落とすなどの影響があることも知られています。

腸内環境を整える「食物繊維」

おからは食物繊維を豊富に含み、腸内環境を整えてくれます。

腸内環境が乱れることで、便秘の原因や肌のコンディションが悪くなる原因となることが知られています。

おからに含まれる食物繊維は排便をスムーズにし、腸の中で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれます。

美容面で効果を期待「イソフラボン」

おからに含まれる大豆イソフラボンは、美容面での効果が注目される成分です。

大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンに似た働きをすることが知られています。

女性ホルモンは肌や髪のツヤを作る働きをしてくれるため、大豆イソフラボンをとることで、これらの働きを助けてくれるのではないかと考えられています。

抗酸化作用のある「サポニン」

大豆に含まれる大豆サポニンは、抗酸化作用があり健康づくりに役立ちます。

抗酸化作用とは、細胞にダメージを与える活性酸素を除去する働きを指します。

過剰な活性酸素により、動脈硬化やがん、免疫機能の低下、細胞の老化などの原因になることが知られているため、健康づくりにはおからのような抗酸化作用を持つ食べ物を取り入れることが大切です。

「生のおから」と「おからパウダー」の違い【栄養は?】

おからというと、一般的には「生のおから」を指しますが、最近は「おからパウダー」にも注目が集まっています。

おからパウダーはおからを乾燥させたパウダー状のものです。

それぞれの特徴を比較すると、下記のとおりです。

生のおからはしっとりしていて食べやすさが魅力ですが、日持ちしないため取り入れづらいと感じる場合もあるでしょう。

おからパウダーは賞味期限が長く保存しやすいため、手軽に取り入れられるのがメリットです。

おからパウダーの方がカロリーや栄養価が高い?

同じ重量で比較すると、おからパウダーの方がカロリーや栄養価が高くなりますが、これは水分量の違いによる見かけ上の差です。

実際に使う場合は使用量が異なるため、どちらを取り入れても栄養面では大きく変わりありません。

実際に100gあたりの栄養成分値を見てみましょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

おからパウダーは水を加えるとおからに戻りますが、約3.5倍の量となります。

そのため、実際に使う量は10~20gほど。

その場合のカロリーは33~67kcal程度であるため、心配しすぎる必要はありませんね。

手軽におからを取り入れるならパウダーがおすすめ

生のおからとおからパウダー、どちらを取り入れるか迷う場合は、まずはおからパウダーから取り入れるのはいかがでしょうか?

先ほどお伝えしたとおり、おからパウダーは日持ちするため、いつでも取りたいときにさっと取り入れられます。

水で戻しておから料理に使うのはもちろん、飲み物やヨーグルトにさっと混ぜる、料理にふりかけるなどのさまざまな使い方ができますよ。