今、まさに美味しさのピークにある「旬」の食材。余計な手を加えずシンプルに調理するほど、その時期ならではの素材の美味しさが引き立ちます。
初夏から夏にかけてのあじは、身がしまり、脂がのった旬の味わい。丸ごと一尾を塩焼きにして、ご飯、みそ汁とともに食卓に並べれば最高のごちそうに。
丁寧に下処理したあじに、塩をふって焼くだけで美味しくできるあじの塩焼きですが、いくつかのポイントを押さえて作れば、究極の味に! 見て美味しい、味わってさらに美味しい、そんな「究極のあじの塩焼き」の作り方をご紹介します。
●詳しい下処理の方法はこちらを参考に
【今が旬】初めてでもできる!あじのさばき方・下処理の手順とコツ
あじの塩焼きは、塩加減と焼き加減を大切に
あじのうま味を引き出す塩加減と、パリッとふっくら焼き上げる焼き加減。あじの塩焼きを美味しく仕上げるには、大きく分けてこの2つのポイントがあります。それに加えて、化粧塩や飾り包丁など、美味しく見せるためのコツもいくつか。さっそく見ていきましょう!
作り方1:化粧塩をふる
尾やヒレに塩をつける焼き魚の「化粧塩」は、和食の技法。焦げやすい部分に塩をつけることで焼き過ぎを防ぐほか、ピンと張って形よく焼き上げることができます。
手順は簡単。バットにあじを置き、指で塩をまぶします。尾のほか胸ビレにも化粧塩をつけると、お店でいただく焼き魚のように見た目よく仕上がります。
【ポイント】塩をつける前に酒をふっておくと、塩がつきやすく下味もつくのでおすすめ。また、塩がつきやすいことに加え、酒のうま味成分が加わり一層美味しくなるんです。
作り方2:飾り包丁を入れる
こちらも和食の技法。身に切れ目を入れることで焼く際に熱が入りやすく、見た目にも美しく仕上がります。盛りつけたとき上になるほうに、バッテンの切り込みを入れます。深く切りすぎないよう、5mm程度の切り込みにします。ちなみに、さんまなどの細長い魚は横一文字に飾り包丁を入れます。
【ポイント】切れない包丁では、かえって力が入り切り込みが深くなりすぎるので要注意。
作り方3:全体に塩をふる
焼く準備が整ったら、グリルに入れる直前に塩をふります。量の目安は、あじ全体にまんべんなく、うっすらかかる程度。高い位置からふると、塩が1か所に固まらず適量が全体に行き渡ります。
ここでのポイントは、焼く直前に行うこと。早い段階から塩をふってしまうと、水分が抜け身が固くなるので気をつけましょう。
【ポイント】焼く直前に、高い位置から塩をふる!
作り方4:魚焼きグリルで焼く
焼き魚のおいしい焼き方とは、表面をパリッとさせること。そして皮目を香ばしく焼き上げるには250度以上の高温が必要です。
グリルの網に皮がつかないよう予熱をし、一般的な魚焼きグリルなら中~強火で5~7分程度、皮目に焼き色がつくまで焼きましょう。
また、尾やヒレが割れると見た目の美しさが半減。焼き上がったら慎重に取り出しを。
【ポイント】皮を香ばしく焼くためには、弱火はNG!
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基本の鯵の塩焼き
盛りつけも料理の一部!見て美味しい、盛りつけのコツとは?
飾り包丁を入れた面を見せるように、頭を左にして器に盛ります。器に余白が2〜3割できるのが、見た目に美しく感じる方程式。また、器の奥に高いものを盛りつけると立体感が出るので、大根おろしやレモン、すだちなどは奥側に添えます。
和食の技法を取り入れて、旬のあじの美味しさをさらに引き出す「究極のあじの塩焼き」。ぜひお試しください!
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旬到来!見た目もおいしい「さんまの塩焼き」の作り方
この記事の監修
利き酒師・ソムリエ 高橋善郎
https://oceans-nadia.com/user/11937
写真:吉田朱里 文:芝 真紀子
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配信: Nadia