郷土色豊かな各地域の節分ごはん
「鬼は~外、福は~内!」と言いながら豆まきをする節分行事。
日本では昔から、旧暦の1年の始まりである春の節分(立春の前日)に豆をまいて、おうちの中から鬼=邪気を追い払い、福を招き入れるために行われてきました。
そんな節分の食べものといえば、豆まきの大豆や恵方巻を思い浮かべますよね。じつは大豆も恵方巻も「縁起物」と考えられている食べもの。
ですが、節分に食べると縁起が良いとされているものは、各地域によってほかにもさまざまな食べものがあるんです。
今回は、節分に食べられているごはんを、その由来も含めてご紹介します。縁起物の節分ごはんで、おうちに福を招き入れましょう!
節分の日に食べたい縁起物
歳と同じ数を食べる大豆
節分と言えば、やっぱり豆まきですよね。
鬼を退治するためになぜ豆が使われたかというと、鬼の目「魔(ま)の目(め)」に向かって豆を投げることで「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせから。
また、大豆には霊力が宿ると信じられていたからという説もあります。
昔から「節分の豆を歳の数だけ食べると、体が丈夫になり病気になりにくくなる」と言われていますよね。なかには、歳の数よりひとつ多く食べる地域もあるようです。
これも、「まめ」という言葉には体が丈夫であるという意味があることや、無病息災と歳の数と同じだけの福を取り込めるようにという思いが込められているのだとか。
そんな豆まきについて調べていたら、@kanako_kgymさんのかわいい投稿を発見!
味のある鬼とお多福のイラストがとってもかわいいですよね。
こちらは、豆富本舗さんの節分豆。べっこう飴は「鬼のあしあと」なんだそうですよ。節分まで飾っておいても楽しめますね。
また、年齢を重ねると歳の数だけ食べるのはなかなか大変……ということも(笑)。そんなときは福豆ごはんを楽しんでみるのもおすすめ。
@kanako_kgymさんは豆まきで余った福豆とささがきごぼう、おあげを具材に、めんつゆで味付け。炊き込みご飯なら手軽においしく、たくさんのお豆を食べられますよね。
福茶
豆まきに使った大豆は、福茶にするのもおすすめ。
福茶は節分に限らず、大晦日やお正月などに健康長寿や無病息災を願って飲まれているお茶。
お椀の中に大豆を吉数の3粒(歳の数分とすることもあるようです)と、「よろこぶ」につながる昆布、縁起物の松竹梅の梅を入れ、お湯もしくはお茶を注いで作ります。
@frogfrog1001さんは雪輪、桜、月が描かれた、美しい雪月花のお椀に、柊を添えて福茶を愉しまれていました。
「椀の蓋をあけるとふわっと湯気が登り、神聖な気持ちになります」と、@frogfrog1001さん。
そのような気持ちでいただくお茶は、きっと本当に福茶として@frogfrog1001さんを守ってくれそうですね。
鬼除け汁・節分汁(けんちん汁・豚汁)
関東地方では、節分にけんちん汁や豚汁を食べる地域も。節分は寒い冬の行事なので、体を温めるけんちん汁を食べるようになったのだとか。
ここで面白いのが、ただのけんちん汁ではなく、豆まきで使用した大豆を入れるところ。
別名、「鬼除け汁」や「節分汁」と呼ばれていて、最近では節分の行事食として幅広い地域に広まりつつあるのだそう。
福岡にお住いの@bene_fukuokaさんの節分の食卓にも、鬼除け汁が。買いすぎてしまった節分用の豆のアレンジレシピを探していたところ、鬼除け汁のレシピを見つけたのだそう。
手軽に作れるので、余りがちなお豆のアレンジレシピにはうってつけですね!
節分いわし
関西地方では、いわしの頭を焼いて葉のついた柊の枝に突き刺して戸口に飾る「柊鰯(ひいらぎいわし」という風習があります。
鬼はいわしのにおいと柊の棘が苦手とされていることから、魔除けの効果が信じられていたようですね。
また、関西の一部では節分に焼いたいわしを食べる習慣も。いわしを食べることで、体の陰の気を払い、無病息災を願う意味があるのだとか。
@akichamxxxさんの節分の食卓にも、焼きいわしが。こんがりと焼かれた身が食欲をそそります。
いわしの塩焼き、とってもおいしいのに鬼さんは苦手だなんて信じられないですね。
節分こんにゃく
四国などの地域では、節分にこんにゃくを食べる風習が。
食物繊維たっぷりのこんにゃくは体内を掃除し、悪いものを排出してくれるため、昔の人は「胃のほうき」と呼んでいたそう。
@chubbysansanさんは、ご親戚から「節分に食べたらいいよ~」と、なんとこんにゃく芋を完全無農薬で育てるところから手作りされたこんにゃくが届いたのだとか!
大切に育てられ、安心安全の手作りこんにゃくなら、体の中もピカピカになりそうですね。
節分そば
おそばというと大晦日の年越しそばを思い浮かべますが、江戸時代には節分にもおそばが食べられていました。旧暦では立春の前日である節分が大晦日とされていたためです。
その名残で、島根県や長崎県などでは、いまも節分の日におそばを食べる習慣が残っているそう。
おそばは切れやすいことから、一年の厄を断ち切るという意味や、そばのように細く長く生きるという長寿の願いなどが込められています。
@87hiyoriさんは節分と言うことで、具にはいわしのつみれも。邪気や厄を払い、無病息災、一年を元気に過ごしたいですね。
くじら、ぜんざい
そのほか、山口県では節分にくじらの肉を食べる習慣があり、「節分に尾羽毛(おばいけ=最上級のくじらの肉のこと)を食べれば、向こう一年健康に過ごせる」と言われているそうですよ。
また、関西地方ではぜんざいを食べる習慣も。あずきには厄除けの意味合いがあり、また昔は貴重な甘い食べ物でもあったことから、重宝されていたようです。
恵方巻
最後は、節分の日にその年の神様がいるとされている恵方(方角)を向いて、商売繁盛や無病息災を願いなら丸かじりする恵方巻(太巻き)。
もともとは関西の一部で行われていた風習が徐々に全国に広がり、いまでは節分の定番とも言えるほど広まっていますよね。
今年の恵方は南南東とのこと。食べ方はおうちごはんの「正しい食べ方」を参考にしてくださいね!
配信: おうちごはん