●思春期ニキビを治すにはまず皮膚科へ
「ニキビを治すためには、皮脂の分泌を抑えて排出をスムーズにし、悪さをおこす活性酸素を消去してアクネ菌を死滅させます。保険診療では、活性酸素の外用剤や抗菌剤で菌をやっつけます。ただ、弱っている肌に毒性の強い活性酸素の薬を直接塗ると炎症をおこしてしまうので、皮膚科では、“薬を塗る直前に保湿剤をたっぷり塗りましょう”と指導されるはず。直接塗るのはやめた方がいいですね」(亀山氏 以下同)
最初はまず近所の皮膚科に行って、処方された薬を試すべき。だが、1カ月ぐらい治療して治らなければ、他の病院へ行くことも必要だという。
「“どこの皮膚科に行っても治らない”と当医院にやって来た患者さんの皮膚の組織を培養して調べてみたところ、菌がいなかったんですね。ひょっとすると…と思い、活性酸素を除去する高濃度ビタミンCのローションやクリームを塗ったら、ひどかったニキビがあっという間に治ってしまいました。ビタミンCは、炎症と皮脂の分泌を抑えて活性酸素を除去する作用があります」
ビタミンCは、思春期ニキビの敵である男性ホルモンを抑え、ストレスを低下させるという報告がある。思春期ニキビを撃退するには、こまめにビタミンCを摂取し、塗るのが有効だそう。ただし、ここでいうビタミンCは、天然型のビタミンCではなく、高濃度ビタミンCなので、レモンなどを顔にのせたりしても効果はない。
●ニキビがなくなると小顔になる?
それでもニキビが治らない場合は?
「スキンケアとビタミン剤の内服。ケミカルピーリング、イオン導入、これらと併用しながらレーザーを行うこともありますが、いろんなレーザーをやっても効かない場合があります。ただしレーザーは、ニキビ跡の修復には有効ですね」
思春期ニキビが出来る主な原因はホルモンバランスだが、他にも様々な原因があるので、ニキビの状態を見てから治療するのが望ましい。今回の取材で、ニキビがひどい状態と治った状態のビフォーアフターの写真を見たところ、ニキビが治ったことで、顔がほっそり小顔になっているように思えた。ニキビが悪化するとむくんだ状態になるため、治ると自然と顔が痩せるという。もしも子どもがニキビで悩んでいたら…親も一緒に皮膚科を受診し、納得のいく診療方法を見極めてほしい。
(取材・文/谷亜ヒロコ)