わかめはサッと使えて、比較的安価なのもうれしい、お助け食材ですよね。
そんな身近なわかめには、どのような栄養や効能が期待できるのでしょうか?
今回の記事では「わかめの栄養」について、管理栄養士が解説します。
わかめの栄養と期待される効能
わかめには、β-カロテンや食物繊維をはじめ、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素など、さまざまな栄養素が含まれています。
成長期の子どもから、健康面が気になる大人まで、幅広い年代で取り入れたい食べ物です。
一般的によく食べられる「カットわかめ(水戻し・茹で)」の栄養成分値は、下記のとおりです。
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※乾燥させたカットわかめは、水戻しすると約12倍に増えます。
これらの栄養素に期待される効能について、詳しく解説します。
美肌づくりを助ける「β-カロテン」
β-カロテンには抗酸化作用があり、いわゆるアンチエイジングが期待できます。
ストレスや紫外線、喫煙などにより体内に活性酸素が過剰に発生すると、細胞を傷つけ肌の老化を引き起こすことが知られています。
抗酸化作用により活性酸素を除去できるため、肌の老化を防ぎ、美肌づくりを助けるというわけです。
血糖値やコレステロール値の低下に役立つ「食物繊維」
食物繊維は糖や脂質の吸収を妨げたり、吸着して排出したりする働きがあり、血糖値や血中コレステロール値の低下に役立ちます。
生活習慣病対策を行いたい方は、わかめなどの海藻類を積極的に取り入れましょう。
骨の健康をつくる「カルシウム」
カルシウムは骨の材料となるため、成長期の子どもの骨を作るだけでなく、大人の骨粗しょう症予防にも大切です。
カルシウム不足により、骨折などのケガや骨粗しょう症のリスクになることが知られています。
骨の健康&血圧低下を期待「マグネシウム」
マグネシウムは骨に多く含まれ、カルシウムと同じように、骨の健康づくりに欠かせません。
ほかにも、血圧低下に関わる作用があることも知られてきており、血圧が気になる方は積極的に取り入れたい栄養素です。
甲状腺ホルモンが作られる際に必要「ヨウ素」
ヨウ素は甲状腺ホルモンがつくられる際に必要なミネラルです。
甲状腺ホルモンは、成長や発達のために欠かせない働きがあります。
ヨウ素は海藻に多く含まれ、日本人は不足の心配が少ないのですが、世界的には不足のリスクがある栄養素として知られています。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
カットわかめと生のわかめは栄養が違う?
乾燥状態のカットわかめはとても便利ですが、生のわかめに比べると栄養成分が少なくなっています。
これは湯通しなどの加工が行われるため、水溶性の栄養素が流れ出てしまうのが理由のひとつです。
実際に、100gあたりの栄養成分値を比較してみましょう。
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
生わかめは生の状態の栄養成分値しか掲載されておらず、実際には茹でるなどの加熱をして食べるため、厳密な比較とはいえません。
しかし、やはりカルシウム、マグネシウム、ヨウ素、β-カロテンのいずれも生わかめの方が優れていることがわかります。
手軽なカットわかめでも栄養補給できるだけの含有量ではありますが、わかめの旬である春の時期は、栄養豊富な生わかめを取り入れてみるのもよいでしょう。
配信: トクバイニュース