添い乳のやり方を知ろう。手順やあると便利なもの、注意点をチェック

第215回 みんなが共感!ママのお悩み
「添い乳に挑戦してみたいけれど、具体的なやり方が分からない」そんな悩みを抱えてはいませんか?添い乳の基本的なやり方や、用意しておくと便利なもの、実際に挑戦する際の注意点を整理しましょう。添い乳に適した時期についても紹介します。

添い乳のやり方を解説

添い乳とは、赤ちゃんとママが一緒に横になった状態で授乳することをいいます。安全かつスムーズに添い乳をするにはどうしたらいいのか、具体的なやり方を確認していきましょう。

添い乳の手順6ステップ

1.赤ちゃんと向かい合い、横向きに寝る
2.赤ちゃんの体を引き寄せる
3.下にある方のおっぱいと、赤ちゃんの口の位置を合わせる
4.赤ちゃんの頭を少し反らし、授乳する
5.体の向きを変え、もう一方のおっぱいからも授乳する
6.ベビーベッドへ移動させる(寝かしつけまで行う場合)

添い乳のやり方はとてもシンプルで、決して難しいものではありません。とはいえ、月齢が低い赤ちゃんの体はとても繊細です。引き寄せたり頭を反らしたりは無理をせず、慎重に行いましょう。

あると便利なもの

実際に添い乳をしてみると、赤ちゃんの体を横向きに安定させるのは難しく、どうしても仰向けになってしまう場合があるかもしれません。そんなときに役立つのが、ロール状に細長く丸めたバスタオルです。

横向きに寝かせた赤ちゃんの背中側に、ロール状にしたバスタオルを沿わせるように置くと、赤ちゃんの体の向きが横向きで安定しやすくなります。赤ちゃんが乳首をくわえるのをサポートしてくれて、添い乳をしやすくなるでしょう。

合わせて、ママの足の間に挟むクッションを用意しておくのもおすすめです。ママの体の負担が軽減され、添い乳の時間を快適にできます。

添い乳を行う際の注意点

添い乳をするにあたって、忘れてはいけないいくつかの注意点があります。赤ちゃんの安全を守るため、しっかりと把握しておきましょう。

ママが眠ってしまうのはNG

赤ちゃんに添い乳をするなかで、つい眠気に襲われてしまうママは少なくありません。しかし、ここでママが眠ってしまうと、気づかないうちにママのおっぱいが赤ちゃんの鼻や口へと被さってしまう危険性があり、窒息のリスクが生じます。

消費者庁の分析によると、2010~2014年の5年間での、就寝時における0歳児の窒息死事故は160件発生しており、その原因のひとつが「家族の体の一部で圧迫」だとされています。

万が一に備え、ひどく疲れを感じていたり、眠ってしまいそうだと感じたりしたときは、添い乳をしないよう徹底するのが賢明です。

参考:消費者庁|0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!

参考:添い乳の危険性について - [公式]かわむらこどもクリニック

授乳後はゲップをさせる

個人差はありますが、赤ちゃんは一般的に吐き戻しをしやすい傾向にあります。添い乳をした後、寝かせたままにしておくと、吐き戻した母乳が耳へと流れてしまい、中耳炎の原因にもなり得るといわれています。

特に、元々吐き戻しが多い赤ちゃんは、添い乳をした後は忘れずに一度起こしてゲップをさせ、予防することが大切です。

参考:キョーリン製薬|ミルク性中耳炎

離乳食が始まってからは虫歯のリスクに注意

離乳食が始まって以降の赤ちゃんに対し、添い乳と寝かしつけをセットで行う場合、虫歯のリスクについても心に留めておきましょう。

食べかすが口に残った状態で、添い乳をしたまま寝かしつけをするのは虫歯の原因となり得るため、好ましくありません。

添い乳のまま赤ちゃんを寝かしつけるのであれば、添い乳の前にまず歯磨きをして、離乳食による食べかすを取っておくことが大切です。

参考:母乳育児と虫歯について

添い乳で寝かしつけると癖になることも

添い乳での寝かしつけが習慣化した場合、赤ちゃんがおっぱいなしでは寝つけなくなってしまう可能性があります。

赤ちゃんの睡眠サイクルは、大人に比べて短いのが一般的です。起きるたびに授乳が必要となると、ママの負担は大きく増えてしまいます。

ラクに授乳をするために添い乳に挑戦したにもかかわらず、かえって授乳の負担が増えてしまうようでは、残念ながら本末転倒です。

添い乳は赤ちゃんがおなかの空いているタイミングだけに限るなど、癖にならないような工夫が必要といえます。

添い乳を行う際のQ&A

いざ添い乳に挑戦しようとした際、「うちの子はもう添い乳を始めてもいいんだろうか?」「添い乳はいつから始めるものなんだろう?」と疑問に思う人は少なくありません。実際のところはどうなのか、詳しく見ていきましょう。

添い乳はいつから始められる?

横になって授乳できる添い乳は、いつからでもスタートできる授乳方法です。生後0カ月の赤ちゃんでも基本的には問題ないとされています。

一方で、首のすわっていない時期の赤ちゃんの口元を、乳首の位置で安定させるのは難しいと感じる人もいます。もしも、やりにくさを感じるようであれば、無理せず生後2~3カ月ごろから様子を見ながら挑戦してみてもよいでしょう。

また、添い乳には、始められる時期と同様に、やめなければならない時期もありません。赤ちゃんが無理なく1人で寝つけるようになる時期を、ひとつの目安として考えるのがよいでしょう。

始め・終わりともに月齢にこだわりすぎず、赤ちゃんとママの負担にならない時期を見極めることが大切です。

まとめ

赤ちゃんとママが横になった状態で授乳できる添い乳には、産後のママの負担を軽減したり、赤ちゃんを寝かしつけやすくなったりといった、大きなメリットがあります。

一方で、窒息や中耳炎・虫歯といったリスクも懸念されるため、挑戦する際はやり方や注意点をしっかりと確認しておく必要があります。

添い乳への理解を深め、赤ちゃんとのかかわり方を考えるひとつのきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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「読者のため」を徹底追求。データと編集力を組み合わせたコンテンツを作成します。
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