子を愛せない…そう感じたときの対処法

第3回 わが子を愛せないママたち
「自分の子どもを愛せない」と悩むママたちが、子どものためにできることは何だろうか。女性と子どものための相談機関・フェリアンの窪田容子さんに話を聞いた。

「いつも子どもを愛せなくてもいいのです。自分を責めるのはやめて、まずはそう思っている自分を受け入れましょう。そして、できる工夫をしてみましょう」(窪田さん 以下同)

具体的にはどんな工夫をすればいいのだろう? 窪田さんに5つの対処法を教えてもらった。

その1 心身がつらいなら

家事と育児で心と体に余裕がないのなら、まずは物理的サポートを得よう。夫をはじめ、まわりに協力を求めて、手伝ってもらう。子どもをから離れて睡眠をとったり、外出を楽しんだりしよう。

次に精神的サポートだ。愚痴を言える仲間、夫や家族はもちろん、電話相談、保健センター、子育て支援機関でもよい。ねぎらって、いたわってもらえたら、子どもに優しくなれるかもしれない。

その2 「~するべき」をやめてみよう

がんばりすぎているなら、手を抜こう。「~するべき」と無理をするより、ママ自身が楽しめることを子どもと一緒にすること。お菓子作りやスポーツ、自分がしたいことを子どもと一緒に楽しむのもよい。

その3 子に愛情を与えるのはママだけじゃない

子どもへの愛情は、ママからだけでなくてもよい。パパや祖父母、ママ友など、たくさんの人からかわいがってもらえたら、子どもの心は豊かになる。閉鎖的な育児をせず、子育てサークルに参加してみるのもおすすめだ。

手をつなぐ親子

その4 どんな時に愛情を感じるか、を考える

子どもに愛情を感じるとき。例えばそれは、ママ自身にゆとりがあるときなのか、夫に優しくしてもらえたときなのか。あるいは、子どもと離れて友達と遊びに行った後なのか。そこに、子どもに接するためのヒントがあるかもしれない。その状況に近づけるために、何ができるか考えてみよう。

その5 カウンセリングを受ける

子どもを愛せない自分に気づいたら、自らを見つめ直すチャンスととらえよう。ママが自分を大切にし、自分を好きになっていけるように、カウンセリングなどを受けるのもおすすめ。ママが自分を肯定することができれば、ありのままの子どもを受け入れ、肯定することにつながっていくだろう。

「わが子なのに愛せない」と感じたら、投げやりにならず、自分を責めず、できることからはじめてみよう。そこには新しい関係性が見えてくるかもしれない。
(北東由宇+ノオト)

お話をお聞きした人

窪田容子
窪田容子
フェリアン
女性と子どものための心理相談機関として評判の高い、フェリアン所長。臨床心理士。立命館大学・花園大学非常勤講師。子育てに関する著書・雑誌記事など多数。
女性と子どものための心理相談機関として評判の高い、フェリアン所長。臨床心理士。立命館大学・花園大学非常勤講師。子育てに関する著書・雑誌記事など多数。