養育費の無料相談窓口一覧〜弁護士や支援センター等目的別に相談窓口をご紹介

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3、養育費の問題で弁護士の無料相談を最大限活用するために準備すべきこと

弁護士の無料相談は多くの場合、無制限ではありません。初回の30分~60分のみが無料という事務所が多いです。

そのため、せっかく無料相談を利用するのなら最大限に活用したいところでしょう。

そこで次に、養育費の問題で弁護士の無料相談を最大限活用するために準備すべきことをご紹介します。

(1)現在の状況をまとめておく

無料相談を最大限に活用するためには、いかにあなたの現在の状況を効率よく弁護士に伝えられるかが最大のポイントとなります。なぜなら、弁護士があなたの状況を具体的に把握できなければ、具体的な解決策を検討することができないからです。

養育費の問題で相談する際には、以下のような事情をまとめておいて、効率よく話せるように準備しておきましょう。

すでに養育費を取り決めてあるのか、これから請求するのか
養育費の支払いについて相手の意見はどうか
あなたと相手の収入や資産
子どもの年齢と人数
現在の家計の収支
親権争いは収まっているか
面会交流の実施状況はどうかなど

(2)希望する方針を考えておく

最終的な解決方針は弁護士と一緒に考えていくものですが、現時点でのあなたの希望は明確に考えておきましょう。

これから養育費を請求する場合や、すでに取り決めてある金額を増額させたい場合には、具体的に獲得したい金額を計算しておきましょう。その際には、どういった理由でその金額が必要なのかも説明できるようにしておくとなおよいです。

また、多少は譲っても穏便に話をまとめたいのか、裁判をしてでも譲りたくないのかというスタンスも決めておきましょう。

(3)自分と相手の収入・資産を明らかにしておく

養育費を請求する際に最も重要となるのは、自分と相手の収入や資産です。これが明らかになれば、獲得できる養育費のおおよその金額が分かります。

弁護士に相談する際には、自分と相手の収入・資産がわかる資料をできる限り準備していきましょう。

もし、相手の収入や資産がわからない場合には、弁護士が「弁護士会照会」や調停訴訟に至っていれば「調査嘱託」「文書送付嘱託」等の手続きを使って調査することもできます。ただし、これらの手段は個人情報保護法との関係で限界もあるので、可能な限り相手の収入や資産を聞き出しておくように努めることをおすすめします。

4、無料相談前に知っておこう!養育費の基礎知識

専門的な内容は弁護士が教えてくれますが、一から十まで質問していると無料相談の時間をオーバーしてしまう可能性があります。

そこで、ここでは無料相談前に知っておいていただきたい養育費の基礎知識を解説します。

(1)そもそも養育費とは?

養育費とは、両親の離婚後に子どもを育てていくために必要なお金のことです。

両親の婚姻中はお互いに協力し合って子どもを育てていきますが、離婚する際にはどちらかを親権者に指定しなければなりません。

しかし、親権者とならなかった側の親(非親権者)も子どもとの親子関係は切れませんので、離婚後も養育費の負担を分担しなければならないものとされています(民法第766条1項)。

また、民法第877条1項では直系血族間の扶養義務が定められていますので、これに基づいて子ども自身からも非親権者に対して養育費を請求することが可能と考えられています。

このような根拠に基づき、離婚後に非親権者が子どもの生活のために支払うお金のことを「養育費」といいます。

(2)養育費はいつからいつまでもらえる?

養育費をもらえるのは、基本的に離婚が成立してから子どもが20歳になるまでです。

正確にいうと離婚前の別居中にももらえますが、この期間中は子どもの養育費だけでなく親の生活費も含めた「婚姻費用」という名目でもらうことになります。

子どもが20歳になる前でも、就職して収入を得て自活できる状態になれば養育費の支払い打ち切られることもあります。

逆に、20歳を過ぎた後でも大学等に通っていて自活できない場合には養育費をもらえることもあります。

なお、2022年4月からは民法改正により成人年齢が18歳に引き下げられますが、以上の運用には基本的に変更はないと考えられています。

(3)養育費の相場はどれくらい?

養育費の金額は裁判所の「養育費算定表」を参照して決められることが多いので、その金額が相場といえます。

参考:裁判所

養育費算定表では、親権者と非親権者のそれぞれの年収、子どもの年齢・人数に応じて標準的な養育費の月額の目安が定められています。

例えば、非親権者の年収が600万円、親権者の年収が150万円、16歳と13歳の子どもがいる場合の養育費の相場は、月10万円~12万円となります。

(4)養育費が増額されるケース・減額されるケースとは?

いったん養育費を取り決めても、事情の変更があった場合には増額または減額されることがあります。

養育費が増額されやすいケースは、以下のような場合です。

親権者の収入が大幅に減少した場合
非親権者の収入が大幅に増加した場合
子どもの進学等によって教育費が増大した場合
子どもの病気や怪我のために多額の医療費を要する場合

一方、養育費が減額されやすいケースは、以下のような場合です。

親権者の収入が大幅に増加した場合
非親権者の収入が大幅に減少した場合
親権者が再婚し、子どもを扶養してもらえるようになった場合
非親権者が再婚し、扶養家族が増えた場合

(5)養育費を取り決める方法は?

養育費の取り決めは、基本的には(元)夫婦間の話し合いによって行います。お互いが合意すれば、金額や支払い方法は自由に決めることができます。

話し合いがまとまらない場合や、そもそも話し合いができない場合は、家庭裁判所の調停または審判で決めます。離婚時には離婚裁判で決めることもできます。

家庭裁判所の手続きで養育費を決める場合には、ほぼ「養育費算定表」に記載されている金額のとおりに決められます。

そのため、相手の収入をできる限り正確に把握して立証することが重要となります。

(6)養育費を確実に回収する方法は?

養育費を取り決めても、不払いになるケースは多々あります。そんなときは、強制執行を申し立てて相手の財産等を差し押さえることによって養育費を回収することになります。

そのためには、債務名義というものを取得しておく必要があります。債務名義とは、一定の金銭債務の存在を公的機関が確定的に証明した公的文書のことです。

当事者間の話し合いで養育費を取り決めた場合は、公正証書を作成し、それに強制執行認諾文言を付しておきましょう。これが債務名義となります。

調停を行った場合は「調停調書」、審判を行った場合は「審判書」、離婚裁判を行った場合は「判決書」または「和解調書」が債務名義となります。

強制執行を申し立てるためには、差し押さえるべき相手の財産を把握しておかなければなりません。相手の財産が不明の場合は調査する必要がありますが、2020年4月から施行されている改正民事執行法により、財産調査を行いやすくなっています。

裁判所での「財産調査手続」は、以前は裁判所で債権・債務が定められた場合にしか利用できませんでしたが、現在では公正証書でも利用できるようになっています。

また、「第三者からの情報取得手続」という制度が新設され、役所や法務局、金融機関等から裁判所を通じて相手の財産に関する情報を取得することが可能となっています。

ただ、以上の手続きは少し複雑なので、強制執行が必要な場合には弁護士に相談することをおすすめします。

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