玄米の栄養と期待できる効果とは?ダイエット・健康・美容に良い理由や白米との比較も解説【管理栄養士監修】

玄米の栄養と期待できる効果とは?ダイエット・健康・美容に良い理由や白米との比較も解説【管理栄養士監修】

白米より玄米がダイエットによい理由は?【栄養面以外のポイント】

玄米と白米のカロリーは、意外にも4kcalしか変わりません。
それなのに、玄米の方がダイエットにおすすめされるのはどうしてなのでしょうか?

理由は下記の3つがあります。

・噛みごたえがあり満腹感を得られやすく、少量でも満足しやすい
・腹持ちがよく満腹感が持続し、間食や食べすぎを減らせる
・食物繊維が豊富で、糖や脂質の吸収を妨げる

白米はあまり噛まずに食べられてしまうこともあり、つい食べすぎてしまうことがあります。
特に早食い傾向のある方や、間食の量が多い方は、玄米を取り入れることでダイエット効果を期待しやすいでしょう。

栄養豊富な玄米を取り入れる際の注意

栄養豊富な玄米ですが、取り入れる際には下記の注意点を知っておきましょう。

ヒ素の過剰摂取に注意

玄米には「無機ヒ素」という物質が含まれ、白米より含有量が多いことが知られています。

無機ヒ素を長期的に大量摂取すると、がんの原因となることや、皮膚の健康に影響与える恐れがあることがわかっているため、注意が必要です。

バランスのよい食事を心がけていれば、玄米などの食べ物から無機ヒ素による健康被害の心配は少ないといわれていますが、玄米ばかりを大量に食べ続けるのは控え、のちほど紹介する適量を心がけましょう。

消化不良や栄養素の吸収阻害を起こすことも

食物繊維が豊富な玄米を食べすぎることで、消化不良を起こしたり、栄養素の吸収を妨げたりする恐れがあります。

白米より消化に負担がかかるため、お腹の調子を見ながら、量を調整するようにしてみてくださいね。

残留農薬は危険?

玄米を取り入れる際、残留農薬について心配する方もいるでしょう。
確かに農薬は白米より玄米の方が残りやすいことが知られています。

しかし、そもそも農薬は残留基準が決められており、健康に影響を与えないとされている量を使用することとなっています。

そのため、玄米の農薬について心配しすぎる必要はありません。

それでも心配な方は、有機栽培のものや、無農薬のものを探して取り入れてみるのもよいでしょう。

※参照:農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」,厚生労働省「残留農薬

栄養豊富な玄米の上手な取り入れ方

健康づくりやダイエットに役立つ玄米の栄養を効果的にとるには、どのように取り入れるとよいのでしょうか。

適量は1食165~265g

玄米の適量をお伝えするのは難しいのですが、バランスのよい食事の選び方がわかる「食事バランスガイド」を参考にすると、1食あたりの目安(炊いた状態)は下記のとおりです。

・成人女性…約165~235g
・成人男性…約235~265g

これは健康な方の目安の量であり、厳密には体格、年齢、活動量などによって異なります。
「少し多いかも?」と思うかもしれませんが、主食をしっかり食べて間食を減らす方がダイエットにはおすすめできます。

上記の量を参考にし、体重の増減や体調を見ながら、自分に合った玄米の量を見つけてみましょう。

ほかの食事のバランスも整える

玄米を取り入れるほかに、野菜や肉や魚などを取り入れるなど、バランスのよい食事を心がけましょう。

玄米は栄養豊富ではありますが、野菜に含まれるビタミンAやビタミンCなどのビタミンやミネラル、肉や魚に含まれるタンパク質などは、玄米だけでは不足してしまいます。

ひとつの食べ物ばかり偏ってとるのは避けて、さまざまな食べ物をまんべんなく取り入れるようにしましょう。

※参照:農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド