フォローアップミルクはいつから、いつまで?
成長のために多くの栄養を必要とする赤ちゃん用の食品は、正しいタイミングで適量を与えることが大切です。
フォローアップミルクを与えるのに適したタイミングとは、いったいいつからいつまでなのでしょうか。
目安は3回食が始まってから
フォローアップミルクは、離乳食が進んだ赤ちゃんの栄養補助として使用するものです。
そのため、1日3回の離乳食を安定して食べられるようになった、いわゆる離乳食後期にあたる時期が、フォローアップミルクの使用開始に適切だと考えられます。
離乳食の進み方には個人差があるため、すべての赤ちゃんに共通する使用開始時期はありません。目安としては生後9カ月ごろですが、赤ちゃんの離乳食の進み具合や、商品ごとの使用開始月齢を参考に始めるのが正解といえます。
参考:東京都こども医療ガイド 母乳・ミルクと離乳食の進め方|東京都福祉保健局
3歳ごろまで飲むのが一般的
流通しているフォローアップミルクの多くは、おおむね3歳ごろまでを使用期間の目安としています。離乳食での栄養補給に不安がある場合には、3歳ごろまで与えるのが一般的です。
とはいえ、フォローアップミルクの役割は、あくまでも栄養補助です。離乳食後期を迎えた赤ちゃんは、基本的な栄養素を離乳食から摂取できるため、必ずしもフォローアップミルクが必要とは限りません。
食事量や発育に問題がないようならば、早い段階で使用を切り上げるのもひとつの方法です。
離乳食に混ぜて飲ませるのもよい
フォローアップミルクの与え方に、これといった決まりはありません。飲み物の一種として、哺乳瓶やスパウトで与える他、離乳食と混ぜて与えることも可能です。
また、使用目的はあくまでも栄養補助なので、毎日与える必要もありません。あまり離乳食が進まなかった日や、栄養素の偏りを感じたときなど、必要に応じて与えるのがおすすめです。
なお、フォローアップミルクには、それぞれのメーカーごとに、1日あたりの目安量が記載されています。表示内容に従い、目安範囲内の分量を与えるようにしましょう。
フォローアップミルクの特徴
赤ちゃんの栄養補助に便利なフォローアップミルクですが、そもそもどのような特徴を持つ商品なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
不足しがちな栄養素を補完してくれる
フォローアップミルクは、赤ちゃんの成長過程で、不足しがちな栄養素を補うためのアイテムです。
育児用粉ミルク(新生児から使用する一般的な粉ミルク)が母乳の代替品であるのに対し、牛乳の代替品として使用されるのがフォローアップミルクと考えると分かりやすいでしょう。
このことから、フォローアップミルクを赤ちゃんの食事のメインとして使用することはおすすめできません。離乳食でしっかりと栄養素を補給した上で、不足しがちな栄養素を補完するために使用するようにしましょう。
育児用粉ミルクとの違い
母乳の代替品として使用される育児用粉ミルクには、赤ちゃんの成長に必要な栄養素がまんべんなく含まれています。基本的な栄養素の配合基準は、法律によって細かく規定され、基準をクリアしなければ販売できません。
一方、あくまでも栄養補助が目的のフォローアップミルクの場合、含まれる栄養素は限定的です。メーカーによって違いはあるものの、カルシウム・ミネラル・鉄などをメインとして配合されているケースが多く見受けられます。
参考:特別用途食品の表示許可基準_第4 乳児用調製乳たる表示の許可基準|消費者庁
フォローアップミルクは必要?
なかには、フォローアップミルクを使用するかどうかで迷っているママ・パパもいるのではないでしょうか。判断のヒントとして、フォローアップミルクの必要性について確認していきましょう。
必ずしも必要ではないとされている
先述のとおり、フォローアップミルクは、不足しがちな栄養素を補う目的で使用するものです。そのため、日常的に摂取している栄養素に大きな不足がない場合、必ずしも与える必要はないとされています。
離乳食が順調に進み、発育状態にも問題ないようならば、フォローアップミルクを使用しないのもひとつの方法といえます。
一方、離乳食が思うように進まず、適切な体重増加が見られないようならば、フォローアップミルクの使用を検討するのがおすすめです。事前に医師に相談し、赤ちゃんの成長をサポートしてあげましょう。
参考:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)P32|厚生労働省
フォローアップミルクの選び方
実際にフォローアップミルクを選ぶにあたっては、どのような点に注目するのが正解なのでしょうか?特にチェックしたいポイントを紹介します。
栄養素・飲みやすさで選ぶ
フォローアップミルクを選ぶにあたり、まず注目したいのが栄養素です。赤ちゃんに不足している栄養素や、与えたい栄養素を見極め、十分に補完できる商品を選ぶ必要があります。
また、栄養素と合わせて注目したいのが飲みやすさです。フォローアップミルクは、やや甘みがある商品の方が赤ちゃんに好まれやすい傾向にあります。
反面、フォローアップミルクの甘みに赤ちゃんが慣れてしまい、離乳食が進まなくなる可能性も否定できません。
万が一に備え、フォローアップミルクを与える際は、甘みの少ないものから試していくのがおすすめです。
使いやすいタイプで選ぶ
フォローアップミルクは、缶・スティック・キューブと、さまざまなタイプの商品が販売されています。
このうち缶タイプは、大容量でコストパフォーマンスがよいのが特徴です。持ち運びには向かないものの、自宅用としてぴったりなタイプといえます。
これに対し、スティックタイプやキューブタイプは、かさばらずに持ち歩けるのが魅力です。缶タイプに比べると、やや割高ではありますが、外出用として大活躍するでしょう。使用シーンに合わせ、使いやすいタイプを用意しておくのがおすすめです。
フォローアップミルクのおすすめ3選
なかには「フォローアップミルクの種類が多くてどれを選んでよいか分からない」というママ・パパもいるのではないでしょうか。以下、おすすめのフォローアップミルクを紹介します。
森永乳業「チルミル」
カルシウム・鉄・DHAなど、18種類のビタミン・ミネラル類を豊富に配合したフォローアップミルクです。
生きた2種類のビフィズス菌(BB536・M-16V)に加え、ビフィズス菌を増やす役割があるといわれる3種類のオリゴ糖(ラクチュロース・ラフィノース・ガラクトオリゴ糖)も配合されています。
赤ちゃんの元気な体作りのサポートにぴったりの商品といえるでしょう。
・商品名:森永乳業「チルミル」
グリコ「アイクレオ グローアップミルク」
母乳に含まれる「MFGM」を配合した、離乳食期の赤ちゃんの健康を考えて作られたフォローアップミルクです。
MFGMとは、タンパク質やリン脂質など豊富な栄養が含まれている乳脂肪球皮膜のことで、1歳から3歳ごろの赤ちゃんが積極的に摂りたい栄養素として注目されています。
牛乳にはあまり多くは含まれない鉄をはじめ、カルシウム・ビタミンDといった栄養もしっかりと配合され、赤ちゃんの健やかな発達をサポートします。
・商品名:グリコ「アイクレオ グローアップミルク」
明治「ステップ」
コップ2杯(約400ml)で1日に必要な、鉄・カルシウムなどを摂取できる※フォローアップミルクです。
酸素や各種栄養素を全身に運ぶのに役立つ鉄と、骨や歯の形成をサポートするカルシウムは、赤ちゃんの体にとって大切な栄養素です。
これらを十分に補完できることは、ママ・パパにとってとてもうれしいポイントといえます。
お家で使いやすい缶タイプと、お出かけに便利なキューブタイプがあります。
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の推奨量(12~36カ月)に対する割合
参考:乳児用調製粉乳等による栄養素摂取|日本人の食事摂取基準(2020 年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書
・商品名:明治「ステップ」
まとめ
フォローアップミルクは、離乳食後期の赤ちゃんの栄養補給目的で利用する牛乳の代替品です。離乳食の進み具合にもよりますが、9カ月~3歳ごろまで使用するのが一般的です。
離乳食にフォローアップミルクをプラスすることにより、日常のなかで赤ちゃんに必要な栄養素を手軽に補完できるでしょう。
大切な赤ちゃんの健やかな成長をサポートするため、フォローアップミルクの利用を検討してみてはいかがでしょうか。