栄養豊富なイメージのあるしらすは、具体的にどのような栄養や効能があるのでしょうか?
また栄養を効果的に摂る食べ方のコツがあれば、知っておきたいですよね。
今回の記事では「しらすの栄養」について、管理栄養士が解説します。
あわせて、しらす干しや釜揚げしらすなどの種類による栄養の違いについてもお伝えします。
しらすの栄養と期待される効能
しらす(しらす干し)は、骨の健康づくりに役立つカルシウムやビタミンDをはじめ、タンパク質やビタミンB12など、さまざまな栄養素を豊富に含みます。
しらす(しらす干し)100gと大さじ1杯(6g)あたりに含まれる栄養成分値は下記のとおりです。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
これらの栄養素に期待される効能について、詳しく解説します。
骨の健康を作る「カルシウム」
しらすは骨ごと食べられる魚であるため、カルシウムが豊富です。
カルシウムは骨が作られる際に欠かせない栄養素であり、成長期の子どもの発育をサポートします。
また大人の骨粗しょう症予防にも欠かせません。
日本人の平均的なカルシウム摂取量は不足しがちであるため、しらすのような手軽にカルシウム補給できる食べ物を積極的に取り入れましょう。
カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、カルシウムとともに骨の健康を守る働きがあります。
しらすはビタミンDとカルシウムを同時に摂れるため、効率よく栄養補給できます。
ビタミンDも不足しがちな栄養素であることから、意識して取り入れましょう。
体づくりの材料となる「タンパク質」
タンパク質は筋肉や細胞の材料となる栄養素です。
成長期の子どもの発育に必要なだけでなく、大人や高齢者の筋肉量の維持・向上にも役立ちます。
しらすに含まれるタンパク質は理想的なバランスであり、効率的に体内で使用されます。
栄養素の代謝をサポート「ビタミンB12」
ビタミンB12は脂質やタンパク質の代謝をサポートする働きがあります。
不足することで悪性貧血や神経障害、慢性疲労や運動時の動悸・息切れなどを起こすことが知られています。
ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれず、動物性食品に主に含まれるビタミンです。
偏った食生活により不足する恐れがあるため、しらすのような魚を含めたバランスのよい食事を心がけることが大切です。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」の結果」
種類による栄養価の違いはある?
しらすというと「しらす干し」を指すことが多いのですが、ほかにも「生しらす」「釜揚げしらす」「ちりめん(ちりめんじゃこ)」があります。
栄養価の違いについて、まずは100gあたりの含有量を比較してみましょう。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
生や釜揚げに比べると、しらす干しやちりめんの方が栄養価が高いことがわかります。
これは水分の含有量の違いによるものです。
しらす干しとちりめんは乾燥しているため、その分栄養価が凝縮されています。
それぞれの製法・特徴をまとめました。
注意したいのは、しらす干し、ちりめんは効率的に栄養補給できるものの、塩分含有量が高くなっている点です。
どちらも大さじ1杯あたり、0.3gの塩分が含まれています。
食べる際は、ほかの味付けを控えめにするなどし、塩分の摂りすぎにならないよう注意しましょう。
配信: トクバイニュース