働くママの「じぶん時間」の作りかた

第3回 多忙なワーママの上手なON・OFF切り替え術
働きながら子育てをしているママにとって、ふっと気が抜ける自分だけのオフの時間を持つことは難しい。

でも、常に気を張っていると疲労はどんどんたまるし、そもそもオフ時間は脳の疲労回復にもいい影響を与えるといわれている。ワーママに向いているオフ時間の過ごし方はあるの?

「私たちワーママは独身の頃のように、テレビを見ながら優雅にパックをしたり、自由気ままにエステに通ったりということはもうほぼできません。日常のなかで一瞬のスキマ時間を見つけてそこをオフにあてる、という姿勢にシフトしていきましょう」

こう話すのは、『ワーママ時間3倍術』(WAVE出版)の著者であり、“激務型ワーママ”を自称するニ女の母・山守麻衣さん。まずは、お金がかからない「ゼロ円系」オフタイムの過ごし方から教えてもらった。

ねっころがる女性

●SNSでストレス軽減、歩いてポジ気分に

「最も手軽で身近な息抜きは、SNSでコミュニケーションを楽しむことです。ちょっとした愚痴の投稿でも誰かがコメントしてくれればそれで救われる気分になれます。また同類ばかりではなく、まったく違う属性の相手との会話も大切。異なる視点を得られるため、有意義です」

SNSでパワーをチャージしたら、次のステップとしては「歩く」ことがおすすめだそう。

「歩くと血流がよくなり、脳内ホルモンが分泌されるため、マイナス気分が吹き飛んでポジティブな感覚が得られるようになります。公園や神社、海、好きな街など、自分がほっとできる雰囲気の場所を見つけて、スキマ時間にどんどん歩いてみましょう」

ちなみに、街中を歩いたついでに立ち寄るなら、書店がベストだそう。

「最新の雑誌や話題の本を立ち読みしながら、トレンドに触れるだけでも気分はアガります。直接的・間接的にもお仕事の肥料になることも。不思議とやる気が出てくるのでオススメです!」

散歩する女性

●「何もしないことをしよう」と決めてお茶を飲む

お次は、多少の出費はあるものの、効果的なリフレッシュタイムの過ごし方だ。

「手軽で効果的なオフの過ごし方といえば、お気に入りのカフェや喫茶で1杯のコーヒーを飲むこと。このとき大事なのは『何もしないことを、しよう』と決めて過ごすことです。ゆったりとした気分でお茶を飲めば、たとえ30分でも深くリフレッシュできます。疲れきったときにぜひ」

また、休日にあえて「ひとりの時間」を作ることも大切だ。

「家族は常に一緒に過ごすべき」「時間があれば家の雑務をしなければ」と思い込んでいるママは多いが、休日を文字通りの「休日」にするためには、パパとママが協力しあってそれぞれ数時間でも「ひとりの時間」を作ってみよう。

「2~3時間あれば映画館や美術館、博物館、庭園などへ出かけることができます。現実からふっと離れて、楽しいもの、美しいものを見ることは心のデトックスにもなるもの。日常とは少し異なる時間の流れに身をおくことで、見えてくるものは多々ありますよ」

もちろん外の世界に美を求めるばかりではなく、自分のなかに美を見出すことも効果的。美容院やネイルサロンはその意味でも絶好のリフレッシュ&女磨き空間だ。

「自分をきれいに磨くことで、イライラが吹き飛び、心にゆったりした余裕が生まれます。そこから一歩進んで、例えばネイルをしてもらっているときに『指名したい人はほかの人とどこが違うか』に目を向けてみれば、自分自身の仕事の質を向上させるヒントが見つかることも」

「たまには息抜きしましょう」なんて漠然とした励ましは何の役にも立たない。オフの時間を有用なものにできるかどうかは、結局のところはママの自発的な工夫次第なのだ。日々を笑顔で乗り切っていくためにも、「じぶん時間」の有意義な使いかたを一度じっくり考えてみよう。
(阿部花恵+ノオト)

お話をお聞きした人

山守麻衣
山守麻衣
株式会社オフィスこころ代表取締役
1976年生まれ。早稲田大学卒業後、月刊誌編集部を経てフリーに。ビジネス誌などでライターを務めた後、現在は書籍ライティングをメインに活動中。二児の母。
1976年生まれ。早稲田大学卒業後、月刊誌編集部を経てフリーに。ビジネス誌などでライターを務めた後、現在は書籍ライティングをメインに活動中。二児の母。