「妻としては、“妊娠・出産”という、こんな大事な時期になんで不倫なんて! と、信じられない思いですよね。もちろんそれは当然のことです。しかし、夫の方は妊娠を喜ばしいこと、責任重大なこと…と、もちろん理解しているものの、“自分の子が生まれる”という実感がこの時点ではまだ感覚的に薄いものなのです。だから、例えばお腹に触ってもらって、胎動を一緒に感じるなど、わが子が生まれるリアリティを感じられるように、妻が意識していろいろ報告したり、共有することはとても大切です」(高草木さん 以下同)
さらに、“男性”の特性についてもよく理解しておくことが大事だという。
「妻は妊娠すると、どうしても自分の体のことやお腹の子どものこと中心になりがちなんです。これももちろん当然なのですが、基本的に男性は“かまってちゃん”なので、どこかやっぱり寂しい気持ちがあって、ちょっとこの間くらいなら許されるだろう…と、自分勝手なルールを決めて他の女性のほうに走ってしまうこともあるわけです」
だからこそ、妻の方もこの時期こそ夫への対応を意識することが大事だと、高草木さんは話します。
「“もっと夫をかまってあげなきゃ”“声をかけなきゃ”“夫に関心を寄せなきゃ”と気遣い、意識して接しなければ、夫のことを本当は大切に思っていても、夫にはちゃんと伝わらないのです」
出産後も、女性はホルモンバランスが崩れ“産後クライシス”に陥ってしまったりする人も多い。だからこそ、事前に妊娠・出産について夫婦でしっかり対処法について話し合っておくことが危機回避につながるという。
「最近でこそ、“産後クライシス”については話題になっていますが、まだ知らない男性も多いので、事前に“妊娠中や出産後は、女性のホルモンバランスが崩れて、いつものように接することができないかもしれないけど、嫌いになったわけではないから、どうか助けてね”と、しっかり伝えてコミュニケーションをとっておきましょう。そうすれば、お互いに理解と思いやりを持って危機を乗り越えることができるんです」
そこまでしないとわからないの? と、思ってしまう人も多いと思いますが、そこは発想の転換が必要だという。
「そこまでしないとわからない男性が多いのが現実です。そして、面倒と思うかもしれませんが、それは“相手のため”と思うからであって、そうすることが自分の幸せのためになるのです」
妊娠・出産時期の夫の裏切りは、一生苦しむことになるといいます。そうならないためにも、ぜひ事前に危機回避対策を高じて、夫婦の危機へとつながりやすい最大のターニングポイントを乗り越えてください!
(構成・文/横田裕美子)