だが実際は、その統計以上に“不登校予備軍”の子どもたちがいるのは想像に難くない。親としてはできることはしたいと考えるが……。
「親たちに知ってほしいのは、小学生が学校に通うというのは大変だということ。心も体も成長過程の小学生が朝から夕方まで決められたカリキュラムをこなす。それに遅れてしまったら先生に怒られるし、ほかの子どもたちに笑われる。子どもはすごく傷つきますよね」
こう語るのは「NPO法人不登校を考える全国ネットワーク」代表理事の奥地圭子さん。さらに奥地さんは「親も子どもも、学校を休むことは悪いことじゃないと、どうか認識してほしい」と訴える。
●不登校より怖いのは、不登校による子どもの自己否定
しかし親としては「学校を休んでいいよ」と子どもに言うのは勇気がいる。それが数日で済めばいいが、ずっと行けなくなったらどうするのか?
「ちょっと休むと楽になって学校に行くケースもいっぱいあります。でも根本的に子どもが学校に合っていないのに、休んでいる子どもに対して親が『そろそろ学校に行きなさい』というのは賛成できません。結論を大人が出すのではなく、親子で一緒にどうすればいいのか考えてください」(奥地さん 以下同)
また、学校へ行くことを強制するほうが子の気持ちを追い詰めてしまうという。
「とにかく不登校は怖くないんです。本当に怖いのは、不登校によって子どもが『自分はダメな人間だ』と自己否定をしてしまうこと。その気持ちを強くこじらせると、小学生でも『自分は人間のクズだ』とまで思い詰めてしまうんです」
最悪の場合、自殺や家庭内暴力、リストカットという形で現れるのもよくあるケースだという。
●親は、子どもを休ませる勇気が持てるか?
それでもなお、親は「だったら学校を休んでいいよ」と言える勇気が持てないかもしれない。やはり「学校は行かなくてはいけないもの」という固定概念は強固だ。
「家庭を拠点に教育をうける『ホームエデュケーション』という言葉をご存知ですか? 海外ではこうした教育の在り方が社会で認められています。こういったことも知っていれば少しくらい休むことが怖くなくなるのではないでしょうか? 人間はどこでも成長できるのです」
子どもと学校の関係について、今一度ママ自身も考えてみる必要がありそうだ。
(高山恵+ノオト)