具材をのせたピザ生地を、たっぷりのソースに浸す「ぶっかけピザ」の新提案は、同店の柴田正幸シェフがかつてイタリアに滞在していた経験から生まれた。イタリアの一般家庭ではスープにパンを入れ、オーブンで焼いたものが普段着の料理として親しまれていたという。また、煮込み料理も豊富で、「パンをスープに浸す発想と煮込み料理を合わせ、ブラッシュアップすれば、面白い料理が表現できる」と柴田シェフは考えたという。
ブリーチーズ、カルバドス、白ワインをなめらかに混ぜ合わせて温めたソースを、生地がどっぷりと浸かるほどかけ、味のアクセントとなるイチジクの赤ワイン煮をのせる
パンをスープに浸す、あるいは残ったソースをパンに付けて食べるのは、一般的な食べ方だ。また、リゾットという料理があるのだから、これをパンに代えてもいいはず。柴田シェフの発想はそんなアプローチだったそうだが、この料理に「ぶっかけピザ」とネーミングした点も秀逸だろう。柴田シェフいわく「どんな料理か、イメージしやすいからでしょうか。反響が大きくて驚いています(笑)」。
「ぶっかけピザ インツィミーノ ~イカと黒キャベツの煮込み~」 3300円(税込み)
現在、展開しているぶっかけピザは2品(季節によって異なる)。生地は通常のピザの半分量で、「ぶっかけピザ ハム」はチーズフォンデュ風のソースに浸し、「同 インツィミーノ」はアリオリソースとたっぷりの具材と共にいただく。手づかみではなく、フォーク、スプーンで食べるスタイルで、「ワインに合わせて少しずつつまむメイン料理のように楽しんでください」と、柴田シェフは話す。
上にのっているアリオリソースにも、従来のピザの常識に縛られない自由な発想が感じられる
●店舗情報
「CRAZY PIZZA SQUARE」
所在地=東京都新宿区天神町1-2 シェア天神1階/開業=2022年2月/席数=20席/営業時間=11時30分~14時、18時~23時、土日祝12時~15時、18時~23時。水曜休/平均客単価=昼1500~3000円、夜4000~8000円/1日平均集客数=50人
◇外食レストラン新聞の2023年2月6日号の記事を転載しました。
配信: たべぷろ
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