●先生に好かれる親の5箇条とは?
【先生に好かれる親 5箇条】
1.先生の頑張り、大変さに理解を示すことができる親
「私たちの多くは、“自分はこんなに頑張っている。この頑張りを認めてほしい。こんなに大変なの…わかって”という承認欲求を持っています。人から、頑張りを認めてもらったり、理解してもらえたりすると嬉しさを感じるもの。多くの先生は授業だけではなく、放課後のクラブ活動、テストや宿題のチェックなど多くの仕事に追われているので、“遅くまで大変ですよね。運動会の準備も並行して、本当に頑張っていらっしゃるなぁと思っていました”といった労いの言葉を、学校に出向いた時に何気なく伝えられたら、先生もきっと嬉しい気持ちになるはずです」(沼田氏 以下同)
2.先生の話を聞ける親
「人とのコミュケーションの方法として“受容と共感”が挙げられます。もしも先生の話のなかで“これは違う!”と思った時、いきなり“でも先生、そうは言ってもですね…”と反論するのではなく、“そうですか、先生はそう思うんですね”とまずは一旦言葉をキャッチする。自分の話を受け止めてもらえたと感じれば、先生も自然と“相手の話を受け止めよう(好意の返報性)”と感じるものです」
3.先生を信頼していることを示すことができる親
「前にも挙げましたが、人には承認欲求があるので、“あなたのことを信頼していますよ”という意思が感じられると、人はその信頼に応えようとします。例えば、学校で担任の先生と顔を合わせたら“先生の授業が楽しいとうちの子が言っています。先生、これからもよろしくお願いいたします”と一言でいいので伝えられるといいですね」
4.協力する意向を見せる親
「親と先生は、“子どもによりよい人生を歩んでもらいたい”という目標は一致しています。決して対立する関係ではなく、本来協力し合う関係のはず。学校にすべて丸投げではなく、親が“宿題のフォローは家でもできるだけ行います。学校行事のお手伝いは、できることはさせてもらいます”という姿勢を見せ、日頃から“共に手を取り合って頑張りましょう!”と伝えておけば、先生も“できるだけ力になりたい”と思うようになります」
5.先生に感謝できる親
「人の行動動機は“愛と”怖れ“の2種類あります。”あの親に怒られる“よりも”あの親子にいつも笑顔でいてほしい“といった気持ちで子どもたちに接してもらう方が先生もやる気になりますし、教室も明るい雰囲気になるでしょう。”愛“からの行動動機を生むのが”感謝の言葉“です。顔を合わせたら、一言でいいので、先生に感謝の言葉を伝えましょう」
さらに沼田氏は、こんな効果も期待する。
「心理学では“単純接触の効果”というものがあり、会う回数が多い対象物には警戒心が薄れ、好感度が増していくという効果が実証されています。PTAの役員や係を引き受けると学校に出向く回数も必然的に増え、先生と会う機会も格段に増えるので、この効果は期待できますね」
それでは、“厳しい先生”の対策法はあるのだろうか。
「一見怖くて厳しい先生はベテランに多く、自分のやり方に自信を持っている方が多いのではないでしょうか。それなりにプライドをお持ちの先生にこの傾向があるとも推測できます。このような場合は、必ず先生のやり方を一度承認した上で、何か要望があれば伝える、ということが必要不可欠だと思います」
心理学的な要素を頭の片隅に置いておくだけで、人付き合いが苦手なママも対策が取れそう。承認・感謝・信頼を念頭に置き、学校で先生に出会った時はそれとなく思いを伝える…親がちょっとした心がけをすることで、大切な子どもたちと先生の仲もさらに良好になるのではないだろうか。
(取材・文/吉富慶子)