漁師さんが釣った魚を船上で叩いて作ったのがはじまりと言われている「なめろう」。千葉の房総半島の郷土料理として知られていますよね。
香りのいい香味野菜と味噌、あじのうま味が一体となったなめろうは、あつあつご飯と一緒にほおばってもよし、お酒と一緒にちびりちびりと食べてもよし。美味しすぎてお皿をなめるほどだからなめろうという名前がついたとも言われています。
使う魚は、あじやいわしのほか、さんまなどさまざま。家で作れば、叩き加減など、自由に楽しめるのもいいですよね。
今回ご紹介するのは、定番「あじのなめろう」。お刺身用にサクになっているものを使って作るのも手軽でいいのですが、自分でさばけば、経済的ですし、鮮度の面でも美味しくできます。魚をおろしたことがなくても、叩いて仕上げるなめろうなら、あまりきれいにさばけなくても大丈夫! 気軽にチャレンジできます。
基本のあじのなめろうの作り方
あじの目利き
あじを選ぶときは、身の幅が広くて太っているもの、また目が盛り上がって身に張りがあるものを選ぶようにします。
基本のあじの三枚おろし
まずは、基本的なおろし方です。骨にたくさん身がつかないように、何回か包丁を入れて三枚におろします。
あじには、固いうろこ「ぜいご」があります。塩焼きなどにするときには、尾に近い部分のぜいごを取りますが、皮を引くときに一緒にとれるので、ぜいごとりは省略します。
頭を切る
1.まず、あじを洗い、新聞紙を敷いたまな板にのせます。胸びれが頭の方につくように、斜めに包丁を入れ、そのまま頭を切り落とします。
お腹を切り内臓を出して洗う
2.腹の下の方を切り取って内臓をかき出して洗い、キッチンペーパーなどで水気と、残った汚れをしっかりふきとります。
3.尾を左にして置き、おなかの方に包丁を入れて、刃先を背骨に沿わせるような感じに動かして、尾の方まで切ります。
4.尾を右に置き、背の方に包丁を入れて、背骨に沿って切ります。
5.背骨と身を切り離します。まず、尾の手前に包丁を差し込み、次に包丁の向きを入れ替えます。
6.左手で尾を押さえて、包丁を上下しながら背骨と切り離します。包丁の向きを入れ替えて尾の手前を切り離します。
7.ひっくり返します。残りの半身は、背側から切り、次に腹側を切り、上と同様に背骨を切り離します。
三枚おろしができました。
腹骨と皮を取る
1.三枚におろしたら、腹骨を取ります。包丁を寝かせて、腹骨をすき取ります。
2.皮を取ります。皮を下にして、頭の方の皮を少しはがし、包丁の背をつかって皮をはぎ取ります。
皮を手ではがすこともできます。頭の方の皮を少しはがして、手でゆっくりはがします。
3.身の中心にある中骨は、骨抜きで抜くか、包丁で骨のある部分を薄く切って取り除きます。
下ごしらえが終わったらなめろうを作ろう!
あじの下ごしらえが終わったら、薬味、味噌と一緒に叩いてなめろうを仕上げます。
【材料(2~3人分)】
あじ 2尾(おろしたもの150g)
大葉 3枚
みょうが 1個
しょうが 1片
青ねぎ 2本
味噌 大さじ1と1/2
【作り方】
1.薬味はそれぞれ切っておきます。ねぎ、みょうがは小口切りに、大葉は千切りに、しょうがは皮をむいておろしておきます。
2.中骨をとったあじを包丁で刻みます。
粗く刻んだら、薬味と味噌を加えて一緒にたたきます。味噌は少なめに入れて味見をして加えてください。
3.全体になじんで粘りが出てきたらできあがりです。
なめろうの語源は、皿をなめたくなる、という説のほかに、叩いたことで食感がなめらかになるという説もあるそうです。叩き加減はお好みですが、全体に粘りが出てねっとりと混ざるように、あまり叩きすぎずに仕上げるのがおすすめです。
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(レシピでは手軽な「大名おろし」の方法をご紹介しています)
あじのなめろう
なめろうのアレンジ
なめろうを温かいご飯にのせて丼にしたり、だし汁をかけてなめろう茶漬けにしたりしても美味しいですよ。
また、小判型にまとめてフライパンで焼けば「さんが焼き」として楽しめます。
配信: Nadia